アルプス界隈にある小屋は既に営業を終了しているところが多く、山はまたも長い長い冬の眠りに着こうとしています。雪山には中々気軽に行けるものでもないですし、アルプスではなく地元の低山が登りやすいシーズンというわけです。
余談はこれくらいにして、今回は北八ヶ岳ロープウェイを利用して、北八ヶ岳を周遊してきました。吹きすさぶ風は明らかに冬の厳しさを呈していましたが、樹林帯に囲まれた苔の世界は今なお生命が息づいていました。
今回辿ったルート
今回はロープウェイを利用して北八ヶ岳周遊を。北横岳へ行っても良かったのですが、おあいにくの天気だったので苔を楽しみに縞枯山から麦草峠‐雨池を経由してきました。
道中ですが急勾配な登りや下りは少ないです。
むしろ注意すべき点は岩が湿っているので滑りやすい点でしょうね。苔が生えているということは、常時それなりの湿度があるということになります。
日帰りである分やはり時間との勝負になりますが、時間にも余裕をもって楽しむことができました。
ロープウェイを降り、坪庭からまずは縞枯山へ
11月は登山オフシーズンであることに加えて、紅葉シーズンとしてもほぼ終盤。それに伴いロープウェイ駅の始発は9時と遅くなります。登山的には少々痛手ですが、贅沢は行ってられません。
因みにですが、ロープウェイ駅を利用せず共ここから登山口が設けられています。せっかく行ったのにロープウェイが運休していたよ!なんて方はこちらを利用するのも一つの手かもしれませんね。
ロープウェイで標高を上げるにつれて、徐々に増えていく雲に憂いを感じながらも着きましては坪庭。観光客7割、登山客3割程度でしたねぇ。一般の方はまるで呪文のように坪庭の標高をしきりに口にしていたように思います。2237m・・。
何事につけても初心忘れるべからず。といいますが、中々難しいものです。2237mであれば大したことない。と思ってしまうあたり、自分は登山における初心を忘れつつあるようです。
ロープウェイ山頂駅にはちょっとしたカフェと展望台が併設されています。展望台からは茅野市は勿論南八ヶ岳や南アルプスの山々が一望できるはずなのですが、今回南は雲に覆われていたので茅野市の展望をば。唐松の黄葉が美しかった・・。
吹きすさぶ風は流石に冬のそれでした。身体を冷やす前に早々に縞枯山への移動を開始します。
坪庭から縞枯山へは縞枯山荘‐雨池峠まで行くことになります。縞枯山荘まではこういった木道が続いています。道がぬかるんでいる時などは重宝しますね。横並びに話しながら歩くには少々骨が折れそうですが。
ソロハイカーの僕には関係の無い事。
坪庭から歩く事10分程度で縞枯山荘へ到着しました。冬へ足を踏み入れている雰囲気が凄まじい。そして縞枯山荘、相変わらず青い屋根が印象的です。自分が行く時は毎回閉まっているのですが、要予約なのでしょうか。
積雪期はこの山荘の青い屋根と青空、そして一面に拡がる雪景色が非常に美しいです。
雨池峠の分岐を縞枯山方面へ進みます。北八ヶ岳の苔といえば、本場?は白駒池周辺なのでしょうが、このあたりでも十分苔むした世界を楽しむことができます。
登山の最中樹林帯を嫌う方がいらっしゃいますが、自分は楽しめる部類で助かりました。基本登山中はビビりながらも楽しいことばかりです。
一体これは何の苔で、触覚のように見えるものは何だろう。なんて思いつつ縞枯山のピークを目指します。久々の苔々した道中にテンションが上がります。
因みに雨池峠からは30分程度の登りです。台風の影響で一部崩れていますので注意して登ってくださいね。
着きましては縞枯山山頂。ノー展望です。この先の茶臼山でもノー展望withがっかりですが、双方ともに歩いて少しのところに展望台がありますから安心してください。(笑)
縞枯山から苔の世界を堪能し麦草峠へ。
縞枯山の名の由来である縞枯れ現象。幾つかの説があるようですが、はっきりとした原因解明には至っていないようです。
縞枯山山頂からは尾根歩きが続きます。道中枯れ葉が一面に敷き詰められた場所がいくつかあり、そう遠くない内に訪れる冬を感じさせます。
倒木に苔が生え、倒木することで若い木々に日が当たるように。ゆっくりとですが着実に世代交代をしているようです。
のうのうと陽に当たっている古株は用無しというわけです。風刺ですね。
縞枯山展望台は岩が犇めき合っています。御覧の通り生憎ガスっていましたが、天気の良い時にはアルプスの山々だけではなく浅間山なども一望することができます。八ケ岳は日本アルプスや御嶽山、富士山など日本の名だたる山を一望できる好立地ですね。
次の茶臼山まで、鞍部へ下ります。下りは樹林帯に入る分風もそこまで強くないので、またもや苔の世界へ。BGMは勿論もののけ姫ですよね。アシタカのイケメン具合に、幼いながらにジェラシーを感じた思い出です。
茶臼山へはもうすぐそこ。
そしてノー展望の茶臼山の頂です。ここから少し分岐があり、展望台へと続いています。今回はまっちろけっけーだったので割愛とします・・。ガスっていると流石に落胆しますね。(笑)
茶臼山から麦草峠までは中小場を経て下りのみが続きます。
苔は続くよ、どこまでも。
麦草峠が近づいてくると、木道が出現します。山中で人工物を見るとなぜかほっとしますよね。
美しい苔の森を経て無事に麦草峠へ到着しました。ここからいくらか歩けば、紅葉の名所として名高い白駒池へ行くことができます。
麦草峠から雨池を経てロープウェイへ。
麦草ヒュッテは通年営業の小屋でしたが、オフシーズンに向けて色々と片付けられていました。麦草峠には茅野駅から1時間程度車を走らせればアクセスすることができます。
茶水池を横目に、雨池までのルートを辿ります。麦草峠からは大体1時間程度です。始めは苔を楽しむことができますが、途中からはクマザサに覆われるようになります。
歩く事1時間程度。無事に雨池へ到着しました。しかし思い出の中の雨池と比べると、どうも水量がかなり少なく見えます。雨池は文字通り雨が池の水源となっていますが、ここ数日降雨がなかったのでしょう。
雨池は冬場に来るとだだっ広い雪原に姿を変えます。スノーシューで駆け回りたい。
縞枯山でのガスが嘘に思える青空。
きっと鹿のフンでしょうか。奈良なら神の遣いとされますが、山では忌々しい存在でしかない鹿。今年三俣山荘で食べたジビエシチューはとても美味しかったです。
ぐへへ。
雨池を間違えて一周しかけましたが、雨池から雨池峠までは40分程度。またもや滑りやすいであろう道が続きます。
北八ヶ岳は普段以上に気を使う山道ですねー相変わらず。
そういったわけで無事に縞枯山荘まで戻ってきました。相変わらず雲の多い空模様。
ロープウェイ駅に到着したのは14時ごろ。山に登ると無性にカレーが食べたくなるジンクスに従いカレーを食べました。美味美味。ロープウェイを登っただけなのに割高感は否めませんね。(笑)
地元キャラの萌化を阻止したいなぁ。と地元民は思わないのでしょうか・・。
まとめ
天気が悪そうだけれど山に行きたい。というときは割とお世話になることの多い北八ヶ岳。展望だけではない登山の楽しみ方を教わる気がします。
平日でしたが、僕のように周遊している方がチラホラ見かけられました。何なら2度顔合わせになることがあり、山では中々ないことなので少し面喰いました。(笑)
山は足早に冬に入りつつあります。雪山シーズンに向けて、着々と準備を進めねばなりませんね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!