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北岳から間ノ岳・農鳥岳と、灼熱の白峰三山を縦走してきました。

山行記録
この記事は約17分で読めます。
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2018年夏山シリーズ第2弾。
南アルプス北部の主脈。そして縦走路としては国内トップの標高を誇る憧れの白峰三山
今回は真夏の白峰三山。広河原を登山口とし、北岳間ノ岳農鳥岳を1泊2日で駆け抜けてきました!

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白峰三山とはなんぞや

白峰三山とは、南アルプス(赤石山脈)北部から中部に連なる3つの山。北岳間ノ岳農鳥岳の総称です。
因みにその全ての標高は3000mオーバー国内では最高峰の縦走路として名高いです。
外観を眺めるのであれば鳳凰三山の登山口として知られる夜叉神峠、もしくは高速中央道の伊那あたりからも見えています。幼心に覚えているのは、夏の手前あたりまで延々と白く染まっていたということ。それが白峰三山の由来なのでしょうか?

北岳

標高3193m

日本国内において、富士山に次ぐ第2位の標高です。名前の由来は白峰三山の1番北にあったからだそうな。古き良き日本人の適当さを感じ得ないですねぇ。笑
キタダケソウをはじめとした花畑や雪渓、尾根歩き。仙丈ヶ岳や甲斐駒ケ岳、鳳凰三山などの展望に恵まれ、人気ぶりが顕著な山です。

間ノ岳

標高3190m

北岳に次ぐ日本第3位の標高であり、奥穂高岳と肩を並べます。名前の由来は白峰三山の真ん中に位置するからだそうな。うーん。せめて藍ノ岳とか当て字にして欲しかった。
山容はゆったりとしていて、仙丈ヶ岳に近いような雰囲気。雄大さはこちらに分があります。本当に大きい。
位置的にこの山単独で登頂という人は少なく、白峰三山や塩見岳を目指す時に登頂されることが多いようです。日本3位なのに少々不本意ですね。

農鳥岳

標高3026m

ほかの白峰三山である北岳や間ノ岳といった二座に比べると少々影の薄い山です。
標高では日本第20位。なんならお隣の西農鳥岳の方が標高が上という始末。高い方を何故農鳥岳にしなかったんだと不思議でしょうがない。
登山ルートは広河原から白峰三山縦走の最後のピーク、もしくは奈良田からの白峰三山縦走の最初のピークです。
広河内岳からの縦走というルートもあるようですが、破線ルートということで、今回は割愛。

縦走ルートについて

大まかなルートは以下のマップを。

モデルコース

ヤマケイで設定されているモデルコースを見てみると、

  • 1日目に広河原から入り、北岳肩の小屋もしくは白根御池小屋に宿泊
  • 2日目に北岳、間ノ岳を経て農鳥小屋もしくは大門沢小屋に宿泊
  • 3日目に奈良田まで下山。

といったスケジュール。確かに体力的なことを考えると余裕のあるルート設定となっており、自分も当初はこのスケジュールで行く予定にしていました。

しかし実際のところ登ってみると、初日に北岳山荘まで難なく行けてしまいました。
こうなると2日目に農鳥小屋では行動時間が短い。しかし大門沢小屋に泊まっても大した展望はない・・。

悩んだ挙句、1泊2日縦走することにしました。自分の体力を考えてスケジュール考えないとですね。(笑)

今回辿ったコース(1泊2日)

  • 1日目広河原から大樺沢ルート。8本歯のコル経由で北岳へ登頂。北岳山荘にてテント泊
  • 2日目北岳山荘から農鳥岳を経て奈良田へと下山。

奈良田から入り農鳥岳からたどる方もいるようですが、奈良田から大門沢下降点までのことを考えるとあまりオススメしません。笑


この白峰三山縦走、奈良田-大門沢下降点間が登り下り共にネックです。地獄への下りか、天国への登りか。
どちらにせよ昇天しかけると思っていただけると幸い。

今回使用した広河原へのアクセス

運よく大阪‐甲府間でウィラーが催行している夜行バスが運行していたのでそちらを利用。久々にウィラーのバスを利用しましたが、快適ですねぇ。出発時間をもう少し遅くしてほしい。

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4時に甲府着。そこからは甲府‐広河原間の南アルプス登山バスを利用しました。

始発を利用することで、広河原へは6時30分頃に到着となりました。

山行レポート

梅田スカイビルを目指すのは数年ぶり。懐かしみを覚えつつ、登山前から汗をかくのはどうも嫌な感じだと思いながらも到着。

甲府から新宿までのバスでしたが、他のハイカーの姿もチラホラと見受けられました。この日不思議な縁もあるもので、同じバスに乗っていた方と2日目の行動をほぼ共にすることになりましたが、当時は知る由もありませんでした。

day1:広河原から北岳を経て北岳山荘まで。

web上で見ていたあの景色が、とうとう眼前に・・。

なんて感慨深く広河原ビジターセンターを眺めていました。人工物に関しては、実際に見てみるとそうでもない感に苛まれますよね。中は情報館やトイレがありましたがとても綺麗で良き。

ここで一通りの用を済ませて、いざ出発です。

北岳

時刻は7時前。今のところガスは見えませんでしたが、黒戸尾根から甲斐駒を経た時には正午前にはガスが上がってきていたのを思い出し、早めの到着を心掛け少々ペース早めに行こうと決めました。

登り始める前から目指すべき北岳の一角が見えていました。近いような、遠いような。下界から登り始めると普段とのスケールの違いに距離感の調整が効くのに時間がかかります。

野呂川にかかるつり橋。うわー見たことある!
と一人テンションを上げ、ニヤニヤしながら登山開始です。川を流れる水音や風の感じが嬉しいので、基本登山中は一人でニヤいている気がします。

広河原山荘

ここで前泊して朝早くから登り始める方もいるのでしょうか?
腹痛を覚えたのでトイレを利用させてもらいましたが、水洗だったことにちょっとした感動を覚えました。

よくよく考えみると未だ人里近いから当たり前でしょうか。もう小屋と名がつけば水洗はないものとばかり思っていました。

登り始めは緩やかな傾斜が続きます。南アルプスらしい樹林帯の中を抜けていきます。猛暑の影響も心配していましたが、木陰のおかげで幾分涼し気に感じました。

白峰三山登山道」の文字に、あぁ南アルプスの主脈に向かっているのだぁとひしひし。

そうこうしていると、徐々に道は平坦になってきます。

大雨の影響で崩落し通行止めになっていた大樺沢(だいかんぱざわ)コースが、丁度行く日の前日から復旧したとの情報があったので今回はこちらを利用しました。

北岳までのルートはこの沢沿いを往くルートか、尾根沿いに白根御池小屋などを経由するルートのどちらかがあります。

南アルプスの天然水飲み放題だわ

なんて思いつつ涼しい沢筋を進みます。暑さでのどが渇けば沢の水を飲めばいいじゃない。
お腹を壊す可能性は捨てきれませんが、まぁその時はその時でしょう。ここは大丈夫でした。ほんのり甘いようで、美味しい水でした。(笑)

丸々として、渡っている最中に転がりやしないかしらと思える橋。
ホップステップジャンプで超えていきます。

北岳方面を見上げると、空には少々雲が出始めたようです。夏らしい雲でした。

まぁ多少ガスっているのは想定内でしょう。

振り返ってみると、既に結構登ってきているような気が。やはり山は良いですね。

炭火で焼かれているんじゃなかろうか。
日向に出ると皮膚が焼けるように暑くなるので、徐々に背が低くなってきた樹木が恋しくなってきます。

トラバース気味の道を終えると、分岐点に到着。ここまで大して良いペース且つ息切れもせず来ることができました。先日の唐松岳が効いてそう。

ここにはバイオトイレが設置されています。ここから肩の小屋方面・八本歯のコル方面へと分岐します。自分は父から北岳を登った時に梯子が怖かったという情報から、恐らく八本歯のコルだろうと考えてそちらを選択。

バットレス方面でしょうか?登攀する方もいるようですが、えげつないですよね。(笑)
圧倒的なスケール。岩のスケールで一番驚いたのは、やはり北アルプスの屏風岩でしょうか。

八本歯までは雪渓沿いを歩くことになりますが、右手斜面は一面のお花畑になっています。

傾斜があがり少々ハードになってきますが、呼吸を整えつつ先を目指しました。変に呼吸が荒くなると高山病のリスクが増します。

このあたりの岩はほんのり青かったり、時折赤かったり。どんな違いなのでしょうか。
北岳って火山じゃないよね?なんてことを考えながら黙々と登ります。

まぁ一人なので黙々がデフォなんですけど。

更に傾斜を増す坂を超えると、お次はやっとこさ出てきた階段とも梯子とも取れそうな人工物。(笑)

これが噂の・・。と感じましたが、前情報と比べるとそこまで恐怖感のある場所にはないんですねぇ。

それにしたってきっつい登り。
ゆっくり登ることを心がけますが、このあたりで一度身体がばてかけていたと思えるほどに足が進まない。所々で小休止がてら写真を撮り進むことに。

稜線に出たかと思うと、嬉しい看板が。八本歯のコルはこれで終了のようです。
どのあたりが八本歯だったのだろう。まぁどうでもいいや。←

傾斜は若干緩くなります。ここからは嬉しい景色が続きます。

今宵のお宿である、北岳山荘方面。
圧倒的な稜線の大きさに圧倒されます。言葉で表現できないほどに稜線が大きいのです。(笑)

左側を覗いてみるとまるで地獄のような岩々。ガスっているのも相まって猶更。
今回の山行、トラバース道で脳裏で流れるのは決まって「真っ逆さまに落ちてdesire」のフレーズ。

 

いやいや、その稜線は超えさせんよ?
とガスが稜線を隠さないようになぜか強気に願いを。どうやら通じたようでガスが北岳山荘を覆い隠すことはありませんでした。

山頂まではトラバース道を通りましたがここでもお花畑が一面に広がっていました。

よっしゃ最後の分岐。

登っている最中に後ろを振り返りたい欲求に苛まれます。夢にまで見たあの稜線が後ろに広がっている・・。という誘惑に勝たねば。

というセルフ縛りを楽しみ、トラバース気味の道をひぃひぃ言いながら登ります。

落ちたら終わり落ちたら終わり。基本ビビりです。

最後の登りが一番答えたように思います。
これを超えればきっと・・。なんて考えますが山頂はこれを超えてもう少し先。

そんなこんなでついに、やっと。白峰三山の最高点である北岳に到着しました。

甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山はガスの中でしたが、仙丈ケ岳から明日目指す方面ははっきりと迎えてくれました!

果てしないように思える、中白根山・間ノ岳へと続く稜線。縦走自体久々だったのでだいぶテンション高めです。

一瞬だけガスが晴れたので鳳凰三山の姿を見ることができました!

圧倒されてばかりの時間を30分ほどすごし、そろそろ先を目指すことに。

行きはよいよい帰りは怖い。

なるほどその通りだな。

北岳から北岳山荘まではコースタイムで1時間程度。
振り返ってみると、南アルプスのコースタイムは少々甘めな気がします。

暑い稜線の途中。他人がガレ場で滑落しかけたのを見て良い感じに肝を冷やすという経験をしつつ、今宵のお宿である北岳山荘に無事到着。

先を見ても、振り返ってみても、大きなお山が顔を見せてくれるロケーションがステキ。

北岳山荘は想像よりも大きく、かつ綺麗でした。

rest1:北岳山荘周辺でのライチョウ散歩

北岳山荘でテント泊の受付を済ませ、まずはテント設営と考えていました。しかし予想以上の暑さにまずは休息することに。3000m越えだと、太陽からサンサンと降り注ぐ紫外線が痛く感じます。

北岳山荘から往復1時間程度の場所に水場があるようですが、そんな元気はなかったのでポンプでくみ上げられたこちらからお水を拝借。リアル南アルプスの天然水。

水分補給後は、北岳山荘横のテント場にて設営。それにしたってスケールの大きいお山だこと。当初はアレが間ノ岳だと思っていましたが、中白根山でした(笑)

雲と稜線との攻防はなおも続けられているようでした。写真撮影も兼ねて、だたっぴろい稜線散歩を楽しんでいると、どこからか聞き覚えのあるアイドルの声が。

さぁお山のアイドルライチョウの登場です。
この日はライチョウを保護している環境省の方が、ライチョウのお散歩をしていました。

環境省の方に話を聞いてみると、南アルプス界隈ではテンやオコジョといった天敵の増加に伴い、ライチョウの絶滅が危ぶまれたそうです。そこで雛が成長するまでの間、人の手で保護しようという取り組みをしているのだとか。

やはりライチョウにも家族があるようで、この日は3組ほどの家族がお散歩に。
親についていく雛や、雛を見守る親のライチョウ。いつまでも見てられました。(笑)
絶滅しないよう、暖かく見守っていきたいものです。

それにしたって、良い天気。

rest2:白峰三山稜線で見る夕焼け。

食料を持ってきていましたが、たまには小屋の食事でも。

と考え夕食を注文。山の上でサバの味噌煮というのも不思議な感じ、恐らく日本最高所のサバ。

食事後は丁度日の入りの時間になっていたので、そそくさと稜線へ。日中の暑さが冗談だったかのように涼しかったです。

月まで届くでしょうか。

中央アルプス方面へ太陽が沈んでいきましたが、雲がかかってしまい綺麗な夕焼けとはいかず。残念でした。

夜は月が煌々と輝いてました。

day2-1:北岳山荘から間ノ岳を経て農鳥小屋へ。

はてさて、山行が長いとその分レポートも長くなって困り果てますね(笑)

2日目北岳山荘付近から見た朝焼け。富士山も見えるだろうかと期待していましたが、薄く雲がかかった空模様でした。結局今回の白峰三山縦走では、富士山の姿を拝することはできませんでした。

富士山に恵まれない傾向あり。

中白根山を目指す道中、右側にはこのような岩が。

漫画やアニメのように岩にビターン!と叩きのめされた人型に見えて仕方ない。北岳からの道もそうでしたが、基本的にこの先トラバース道が続きます。足元はガレ場だったりザレ場だったり。傾斜のきつい個所も多々あり、決して侮れない登山道です。油断しないように。

そんなわけで白峰三山2つ目のピーク。中白根山に到着。文字まで白くて見えづらいですな。写真撮影が止まらないですが、日本第3位の標高を誇る間ノ岳へと急ぎます。

目指す間ノ岳まではここから1時間弱。薄曇りながらも徐々に明るくなるにつれて全貌がはっきりとしてくる稜線に、テンションはダダ上がり。

この先も数回だまされることになるこの偽ピーク標識。心を折られそうになります。

温故知新といいますし、どうしたってきつい時は後ろを振り返らずにはいられない。
男らしい北岳や南アルプスの女王である仙丈ケ岳、そしてツンデレ甲斐駒ヶ岳も見送ってくれました。(笑)

 

チングルマに癒しを得ながら、とうとう来ました。日本第3位。トップ10は制覇してみたいものですねぇ。

間ノ岳に着く前後で、ようやく雲に隠れていた太陽の本領が発揮されてきました。暖かさと共に陽の光が山肌を照らします。山頂には僕の他に数人いましたが、皆が見惚れていたのが印象的。

間ノ岳から目指すは農鳥小屋。山の大きさに対して小屋の小さいこと。ここからはトラバースこそないものの、ザレ場の下りが延々と続きます。

かの有名な「農鳥小屋のおやじ」作なのか、特徴的な道標が続きます。(笑)
ニコちゃんマークの他に、ハートもあるそうですが、自分には見つけることができませんでした。「農鳥小屋のおやじ」は時折間ノ岳から下ってくる登山者を観察しているという話もあり、少々緊張しながらの下り道でした。

day2-2:農鳥小屋のおやじさんと遭遇。そして帰路へ。

間近に来るとやはりそこそこ大きい農鳥小屋。ここで白峰三山制覇のバッジを購入しました(気が早い)。
バッジを取りに行ってもらっている間に、かのおやじさんとお話する機会が。
どこから来たのか。今日下山するのか。天気が良い割に早いけれど、何故か?など質問が。

北岳山荘で明日の天気があまりよろしくない情報を得た旨を説明すると、「その情報があるならいいね。この先も長いし気をつけてな。」と嬉しい言葉が。

ネット上では様々なお話が上がっていますが、実際に話してみると耳の遠い優しい方といった印象に変わりました。この先も健康に長生きして欲しい。

余談ですが、ここのトイレはぜひ一度使用してみてください。天空の城ラピュタ的な開放感が体験できます。僕はここから先、沢の水を飲むのをやめました。(笑)

農鳥小屋を後にして振り返る間ノ岳。

すごく・・大きいです。

北アルプスにはない山容の大きさ。個人的には南アルプスの方が好みかもしれません。

えれぇ山だなぁ。
農鳥小屋からまずは西農鳥岳を目指すのですが、ここの傾斜が中々・・。
高所に多少順応したとはいえ、高度感には順応していないようで、変に緊張しながらの登りとなりました。

西農鳥岳から農鳥岳へは、ほぼトラバース道です。お気をつけて。
というか白峰三山の最後を飾る農鳥岳。実は西農鳥岳の方が高いという事実。それならここを東農鳥岳にして、西農鳥岳を農鳥岳にすればいいのに・・なんて話を山頂で数人と交わしました。(笑)

しばし休憩の後、白峰三山に別れを告げ大門沢下降点を目指します。

これはこれで非常に良い!と思える、たおやかな稜線。
ハイマツに囲まれた中を進みます。先に見えるのは、南アルプス南部という更に山奥。いつか必ず。

安全に下山ができるよう、鐘を鳴らして願掛けを。
大門沢下降点から先が白峰三山の真骨頂か!

と思うほどながーいながーい下山が始まります。

下降点から見えた沢。あそこを目指すのか。途方もない距離に、ひとまず無言。まぁソロなんですが。
奇遇な事に、このあたりから大阪からのバスが一緒だった方と奈良田までほぼ同行することに。心強かったです。(笑)

ハイマツも見納め、樹林帯の下りが続きます。本当に長かった・・。(笑)

大体の時間でも書いているのかな?と思ってよく見ると、書いているのは標高だけ。
ギャグマンガのように心に風が吹き込んだ気がしました。

写真だと分かりづらいですが、個人的にここが最もデンジャラス。
沢というか滝沿いに出た直後に現れる急坂です。ロープが張られていたりいなかったりしますが、ものすんごい傾斜です。

傾斜が緩くなり、渡渉も数回ほど。南アルプスらしい綺麗な樹林帯が続きます。

最後の中継点である大門沢小屋。一般的な白峰三山縦走では、ここを2泊目に設定していますね。自分は命の水であるコーラを補給し先を急ぎます。

この時点で11時頃。コースタイム通りにいけば、余裕で奈良田から身延までのバスには乗車できる計算。心の余裕は大事。

危なっかしい橋や、沢路、どこまでも続く樹林帯歩き。
大門沢小屋からの長い樹林帯歩きですが、広場がたくさんありテント泊したい欲に駆られます。

目を見張る大岩があれば、奈良田まではあと半分程度。この岩は一体どうやってこの場に居座ったのか・・。地面から生まれたのか、それとも降ってきたのか・・。

人生史上、一番揺れたつり橋はどこかと聞かれたならばここだと言える。そんな揺れでした。

工事の影響で少々登山道の迂回を余儀なくされます。少しの殺意。
治水工事の現場に出ると、とうとう下界に到着したのかーという達成感と、一抹の寂しさが。

下界はすぐそこ。

今度は揺れないつり橋

ここから先は舗装道が続き、唯々淡々と歩き続けます。終わりが近いと分かっていると長く感じる謎。人間性が試されている気がします。長すぎて悟りを開けたのではと勘違いするレベル。

第一発電所に到着すると、一通りバイタルサインを取ってくれる現場の人がいました。
ここで冷えピタやら水を補給させてもらい、奈良田まで最後のひと踏ん張り。

このトンネルを超えると広河原へ続いてるそうです。ひとまず下山できた喜びとか、諸々をこのトンネルに向けて叫んできました。

奈良田温泉へ無事に到着。
驚愕の事実。奈良田には日帰り温泉が2カ所あるのですが、その二つともこの日(水曜日)は休館日。崩れ落ちそうになりました。

途方に暮れていると同行していた方の交渉の甲斐あり、南アルプス市の観光課の方が近くの温泉施設まで乗せてくださることに。(笑)

観光課の方は2人。2人とも神様に見えました。ありがとうございました。

無事に2日間の汗を流し、今回の白峰三山縦走は幕引きとなりました。

白峰三山縦走を終えて。

本格的な夏山シーズン中の白峰三山縦走。道中やテント場で出会った方々はどなたも優しく、良い思い出の一つに。

南アルプスでは北アルプスとは違い、山慣れしている方が多いという印象でした。
雄大な北岳から続く間ノ岳、農鳥岳。雄大な南アルプスの自然に触れ、更にその奥。南部の縦走もいずれしたいと思います。

 

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