今回は九州遠征2日目のお話。
九州の日本百名山のひとつ開聞岳に登り、指宿で砂風呂を満喫してきました。
1日目は九州にある日本百名山の霧島山(韓国岳)へ行ってきました。
天気は良かったものの、開聞岳からの眺望は春らしい霞んだ景色でちと残念。
けれどもひょんな出会いから長崎鼻へ行き、笠雲に覆われた開聞岳を拝めたので結果的に充実した登山・旅行となりました。
薩摩富士の名にふさわしい開聞岳と登山道の印象
開聞岳の標高は954m。選定基準が1500mだった日本百名山の中では、抜きん出て(この場合正しいのか)標高が低い。
慣れ親しんだ六甲山くらい(931m)です。けれども円錐形の山容はどこからみても薩摩富士の名にふさわしいもので、特に夕日の名所として知られる長崎鼻から見る開聞岳は見事でした。
標高こそ高くはないけれど、ほとんど海抜0m付近から登ることになるため、その標高差は900m程度になり、ロープウェイで登れる百名山に比べると些かハードな印象。
登山道は登り始めから砂利だったり、6号目付近は粒が大きい石だったりが転がっていて、下山時は特に気を使うかと。
7号目付近からは大きな岩が多数ある登山然とした登山道、特に9号目付近は傾斜もそれなりなので特に注意。
開聞岳登山のはじまりは未明の鹿児島中央駅から
電車とバスでアクセスする以上、スタートは極力早くしたいと思うのが人の性。
本音は乗り換えを調べるのが面倒で、早く発てばどうにかなるでしょう精神。
というわけで天文館通り付近のアパホテルを発ったのは4時20分ごろだった。
鹿児島随一の繁華街である天文館界隈ではいまだに賑わっている店も(!)ちらほらあった印象だったけれど、流石に寝る時間。機械的に聞こえてくる鳥の囀りが未明感を演出。
昨日からの睡眠不足が祟って「開聞岳登山はやめて、桜島観光でもしようや」
なんて誘惑が聞こえてたけれど、旅行に来てまで優柔不断を発揮するのは癪だったので我慢。独特で春らしい青臭さと肌寒さを嗅ぎながら、人もまばらな鹿児島中央駅へ到着。
乗り込んだのは多分自分だけだった。
鹿児島中央駅から山川駅を経て、開聞岳の麓にある開聞駅へ。徐々に学生の姿が見受けられるようになって、心細さは多少緩和された。
ちなみに所要時間は1時間44分、費用は1310円也。鹿児島湾あたりからの日の出が綺麗だった。
道中は日本最南端の有人駅である山川駅で写真を撮ったり、ローカル味溢れる車両を撮ったりと楽しかった。
ちなみに日本最南端の駅は、山川駅のさらに先にある薩摩尻駅らしかった。
6時32分に開聞駅に到着。開聞駅は無人駅で、申し訳程度のトイレと紫外線でボロボロに灼かれた看板があるくらい。
ここから開聞岳の登山口までは概ね30分程度の徒歩。
ゴミ出しをしていた見知らぬ老婆に会釈をし、見覚えのない景色なのに懐かしさを覚えつつ、電車から降りたのが自分一人という孤独感を抱きながら歩いた。そういえば踏切を渡った辺りから登山口までの間、馬だか牛だかのフンがずっと香っていて、何回か靴裏をチェックした。
後日調べてみると、近所に農場があるようだった。
螺旋状に続く開聞岳登山道と山頂からの絶景
開聞岳の地図を見れば分かる通り、開聞岳の中心に向かってぐるーっとまわるように登山道がある。道中も数百mごとに標識があり、何号目か分かるようになっている。
登り始めは道幅も狭く、すれ違う時はどちらかが引き返すなりする必要がありそうだった。
登山開始から富士山を彷彿とさせる砂利道で、周りは南国感ある植生だった(語彙力)。
3号目付近まではスイスイ登っていたけれど、急にめまいと気分不良をみとめたので、4号目で長めの休憩と諸々の摂取。睡眠不足の影響もあるだろうが、発汗が異様に多かったから、きっとオーバーペース気味だったんだと思う。帰ろうかとも思案した。
休憩後は足取りも浮遊感も元通りだったので、割とノンストップで8号目付近まで。この辺りからペースが同じくらいだったソロの方と一緒に登ることになり、なんなら一緒に下山して、指宿駅近くの砂風呂まで送って頂けることになった。
登山道の状況は7合目付近の仙人洞から岩が大きくなり、手足を駆使して登るような箇所もちらほら。雨の日には登りたくない岩場。
肝心の展望はというと、登山道の途中途中で左手側に展望が開ける箇所があり、天気が良いと屋久島や種子島まで見えるんだとか。
今回はかすみがかっていて、天気は良かったのに何もみえず。しかたないね。
同行者との会話もはずんで、無事に開聞岳山頂に到着。見事な展望とすさまじい爆風で立つのにちょっとした恐怖心。枕崎方面の海岸線がきれいに見渡すことができ満足。
下山の方が気を使ったけれど、特段危なげなく1時間30分程度で下山。道中は登ってくる登山者が多く、すれ違うときに時間を要することもしばしば。
印象的だったのは前日の韓国岳で自分を見かけたという方から声をかけられたこと。ブログなどをみていても、気軽に登れる韓国岳と開聞岳はセットで登られる事が多いようだった。
開聞岳に関しては結構ハードだなと感じつつ、展望に恵まれることをお祈りし、山中での一期一会は終了。
下山後は長崎鼻から開聞岳を臨み、指宿で砂風呂を堪能
道中をともにした方のご厚意で、指宿まで車で送ってくださることになった。その車中で長崎鼻の話になり、どうせなら行ってみましょということに。このあと指宿まで送ってくれて本当に感謝・・。
開聞山麓ふれあい公園から開聞岳を振り返ると山頂付近には雲がかかっていて、先程挨拶を交わしてきた方々が山頂に着くころ、展望はどうなっているんだろうと気になった。
長崎鼻から見る開聞岳は見事の一言。麓からみたときは雲がかかっているだけにみえたけれど、たった10分程度で笠雲になっていて感動。山頂からの展望はきっと真っ白だったろう。
指宿まで送っていただきここからは別行動。レンタカーの持ち主は鹿児島空港から羽田へ向うようだった。またどこかの山域で会えれば良いな〜。
指宿でしたいと思っていた砂風呂は予想以上に重く、暖かく、砂風呂あとのお風呂も気持ちよかった。小一時間を指宿で費やし満足したので、指宿駅から鹿児島中央駅への電車に乗り込んだ。
総じて良かった九州遠征
1日目の韓国岳、2日目の開聞岳。2日とも黄砂の影響か春らしい景色でしたが、天気に恵まれて楽しい遠征になりました。久々の遠出はもちろん、見知らぬ土地での美味しいご飯や嬉しい出会い、初めての体験もあり、旅行ってやっぱりいいなぁと感じました。
九州にはまだまだ楽しそうな山域があるので、今後も必ず訪れたいとおもいます。
ではまた。