2019年にブラッシュアップされたプロトンLT。
アークテリクスがデザインした行動保温着(アクテイブインサレーション)ということで、行動中もヒートアップしにくく、快適な保温力と通気性を併せ持ったウェアです。
今回はプロトンLTの特徴や、アークテリクスが発売しているアトムシリーズとの違いなども踏まえて紹介していきます。
適度な保温力と、行動中もヒートアップしにくい通気性を併せ持ったプロトンLT
非常に丈夫で、通気性にも優れた、軽量な保温フーディジャケット。運動量の多いアクティビティに最適です。
アークテリクス
プロトンLTの表地には業界採用の60倍の耐摩耗性があり、通気性を備えているFortius™Air 20という生地が採用されています。同じアークテリクスの商品だと、ガンマLTパンツに使用されています。
そしてDopePermeair™20という糸を採用し、通気性と耐久性が以前のモデルよりも改善しています。このDopePermeair™20は環境に低負荷な染色が施されており、Atomシリーズにも採用されています。アウトドアメーカーとして、サステナブルな取り組みは必須というこでしょうか。
プロトンLTの中綿には、Atomシリーズにも採用されているCoreloft™Compactシリーズを採用。Atomシリーズと違い、部位に応じて厚さの違うコアロフトコンパクトを採用しています。
数回冬季登山で使用した印象ですが、Atomシリーズと比較して行動中も暖かく蒸れづらく、停滞時の汗冷えもいくらか低減された感じです。登山中は終始プロトンLTを脱ぐことは無かったので、トータルで快適でした。
但し表地がよく通気する分、行動前の保温着や停滞する時にはやや心許なかったので、自分はプロトンLTの上からハードシェルを羽織って寒さをしのぎました。
プロトンLTの構造
カフ部分は温かい空気を逃さないストレッチ使用、フードはもちろんヘルメット対応で後頭部のドローコードで調節可能です。
チェストポケットが左側にあり、iPhoneがかろうじて入る程度の大きさ。
薄手の手袋や行動食を入れておくのも良いかもしれません。
プロトンシリーズはLTのほかにFLがある。
アークテリクスのプロトンシリーズには、今回紹介したLTのほかにFLがあります。
LTが中綿にコアロフトコンパクトを採用しているのに対して、FLはTEIJINが開発したOCTAを採用しています。表地自体は両者ともにFortius™Air 20ですが、裏地がメッシュライニングのFLの方がより軽量で、ヌケが良い印象。
現在公式サイトには出回っていないので、ATOMSLシリーズと同様、夏秋に展開するシリーズなのでしょうか?
アトムLTとの違いについて
AtomシリーズとProtonシリーズの違いですが、中綿の量だったり表地の素材、そして着丈やフィット感に大きな違いがあります。
アトムシリーズとプロトンシリーズ共にトリムフィットなのですが、着用した感じだとプロトンシリーズの方がよりタイト目な着心地。
少しでも体重が増えればサイズアップを考慮しないといけない、そんなシビアさを感じます。
Atomシリーズはダウンを意識した保温着(パタゴニアのナノパフシリーズなど)であり、サイドパネルやポケットがフリース素材だったりで保温を意識した製品であるのに対し、Protonシリーズは登山中に着続けられるフリースやソフトシェルのような製品の印象で、サイドパネルやポケットまでFortius™Air 20で覆われていて、まさしくどこまでも通気性を意識したアクティブインサレーションの部類。
フリースにはない耐摩耗性と耐候性、ソフトシェルにはない保温性と通気性。
このあたりをいい感じに切り取ったシリーズであるように思います。
アトムLTもそれなりの通気性を備えていますが、プロトンに比べるとヒートアップしやすく、ハイクアップの時なんかは脱ぐことがほとんどでした。
これに対してプロトンLTは適度に保温してくれるので、脱ぐことはほとんどなかった印象です。
雪山もこれからが本番。お出かけに億劫にならず着倒していきたい1着です。
ではまた。