気がつけばseatosummitの製品が増えている。
と言っても過言ではないほど、登山の至るところで重宝するアイテムを取り扱っているオーストラリアのアウトドアメーカーseatosummit。
今回はそんなseatosummitが発売したソロ用テント、アルトTR1をチェックしていきます。
seatosummitについて−to equip and inspire−
seatosummitは1990年に創設されたオーストラリアのメーカー。
アウトドアで使用するクッカーやカトラリー、スリーピングバッグやバグネットは特に有名かと思います。
アウトドアのみならずライナーシーツやトラベルウォレットなど、旅行関連でも便利なグッズを取り扱っていて、登山グッズを見たついでに、ふらっと目ぼしい製品が出ていないかチェックしています。
もともとスリーピングバッグの取り扱いから始まったメーカーらしく、数年前に発売されたスパークシリーズの軽さには眼を見張るものがありました。
ALTOTR1テントはseatosummit初の半自立式テント
今までもキャンプ向けのタープやシェルターはあったけれど、今回紹介するキャンプ・山岳用テント然としたテントはseatosummit初。
発売されたテントは今回紹介するアルト(ALTO)シリーズと、テロス(TELOS)シリーズの2つ。
それぞれアルトは1〜2人用で軽量性を重視した半自立型テント、テロスは2〜3人用で快適性を重視した自立型テントとなっており、テント幕体はメッシュかリップストップナイロン生地か選択可能です(日本国内だと緑色がリップストップナイロン・グレーがメッシュ)。
テンションリッジの導入。目指したのは居住空間と軽量性の両立。
seatosummitがテントを開発する中で重視したのは、快適な居住空間の確保と軽量性の両立。
テントが軽量になっていくのは良いけれど、居住空間が蔑ろになっていることに違和感を抱いていたようです。そんな悩みを解決するに至ったのは、テンションリッジの導入。
叩けば治った前時代的なテレビの上にある、特徴的なアンテナのように伸びたポールのおかげで、狭くなりがちな居住空間が確保されています。
考え抜かれた換気システム
先述のテンションリッジの恩恵は居住空間の確保だけでなく、テントを買う上で看過できない換気の面でも有効にはたらくようです。
テント上部の暖かい空気を逃すエイペックスベント(apex vent)は、テント内部にいても調整が可能。因みにエイペックス(apex)は頂点の意味。
テント内の換気量を調整するフライシート下部のベースラインベント(baseline vent)と併せて、テント内の換気システムを担っています。
メーカーによってベンチレーションがあったりなかったりしますが、ここはさすがのseatosummit。結露しない。とまではいかないけれど、結露の予防には一定の効果がありそうです。
テント・ポールのスタッフバッグのもう一つの役割
あなたは死なないわ、もう一つ役割があるもの。
ALTO/TELOSシリーズのテントはFAIRSHAREストレージシステムを採用。パーティ内でテント・フライシート・ポールを分担することができ、2人以上のパーティであれば重量の配分が可能となります。
また、ALTOTR1のテント・ポールのスタッフバッグにはテントの設営方法が記載されています。
このあたりはseatosummitお得意の手法といったところ。久々にテントを設営しようとするも設営方法を覚えていないという問題が解決されます。
しかもテント設営後には個性が死ぬスタッフバッグに光を当てています。
ポールを入れていたスタッフバッグはテント上部に取り付けてライトバーに、テント・フライシートを入れていたスタッフバッグは簡易的な荷物入れに早変わりします。
テント撤収時の「こっちのポケットに入れたはずなんだけどなぁ・・。あれれー。」というスタッフバッグ捜索にもおさらばできそうです。
ポールはDAC社製、レインフライの取り付けはワンタッチで。
言わずもがなテントポールはDAC社の軽量アルミニウムポール。このあたりは軽量テントでは当たり前になっていますね。
そしてレインフライはテントポールのグロメット挿入部分の付け根に取り付けるようになっています。このあたりもメーカーによって様々ですが、結構力が必要だったりする作業の一つ。
ALTO/TELOSシリーズではこの取り付けも片手で簡単に行えるよう工夫がされているみたいですね。
アルトTR1シリーズのスペックと重量比較
アルトTR1のスペックをそれぞれ以下の表にまとめました。
TR1のみ表記されている方がメッシュ生地、PLUS表記の方がリップストップナイロン生地です。
ALTO TR1(メッシュ) | ALTO TR1 PLUS | |
シーズン | 3シーズン | 3シーズン(状況に応じて冬季も) |
総重量 | 1110g | 1228g |
最小重量(インナー+フライ+ポール) | 938g | 1056g |
パッキングサイズ | 11×11×44cm | 11×11×44cm |
床面積 | 1.81m2 | 1.81m2 |
前室面積 | 0.7m2 | 0.7m2 |
ポール | DACフェザーライトNFL8.7mm、PF 9.5mm&9.8mmアルマイトアルミニウム | DACフェザーライトNFL8.7mm、PF 9.5mm&9.8mmアルマイトアルミニウム |
インナーキャノピー | 15DポリエステルハイエアフローNo-See-Umメッシュ | 20Dナイロンリップストップ |
インナーフロア | 15DSil-PeUコーティングナイロンリップストップ | 20DSil-PeUコーティングナイロンリップストップ |
フロア耐水圧 | 1200mm | 2500mm |
フライシート/耐水圧 | 15DSil-PeUコーティングナイロンリップストップ/1200mm | 15DSil-PeUコーティングナイロンリップストップ/1200mm |
やはり重量でみるとメッシュタイプの方が軍配が挙がります。雨天でも安心して使いたい場合は一般的なナイロン生地をオススメします。
またALTO TR1では、グラウンドシートを2種類のサイズから選択できます(別売り)。
テント本体から前室までカバーしているビッグフットプリントは重量224g、パッキング重量235g。
テント本体のみをカバーしているライトフットプリントは重量171g、パッキング重量180g。
双方とも生地は68DのPUコーティングポリエステルで、耐水圧は1200mm。グラウンドシートが前室までカバーしているケースは初めてみかけました。雨天時でも前室を安心して使えそう。
超軽量とまではいかないけれど、快適なテント生活ができそう。
テント設営後に死にがちなスタッフバッグが活躍したり、テント内の居住スペースが広かったり、フライシートにはちゃんと張り綱用のループがあったり。
半自立式なのでアルプスの稜線や岩場での設営にはいささか不安が残りますが、快適なテント生活を贈ることができそうなテントです。ベンチレーションがしっかり確保されているので、少々重量があってもナイロン生地を選択しそう。
スペックも大事ですけれど、登山道具を同じメーカーで揃えたくなる欲が出てきて困っています。
ではまた。