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山小屋でのアルコール消毒剤使用のススメ。

登山コラム
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こんばんわー。クレ(@yuruboy)です。

緊急事態宣言が解除されて以後、徐々にSNS上でも山での風景だったり、これからの登山に関するトピックを目にする機会が増えてきました。

些細なことですが、嬉しいことです

とはいえ、従来どおりの登山が楽しめるようになるのは来年もしくはそれ以降。ただし新型コロナが収束したとしても、昨今の山小屋のキャパを超えた宿泊者や山頂での混雑具合を鑑みると、きっと「今まで通り」の登山ではいけない気がしています。

何かしら変革の時かと。

まぁそれは、置いといて。

山小屋によっては今年度の休業を発表しているところもチラホラ。登山前の計画の段階で、その山域のどの山小屋が営業しているのか、必ず確認することをオススメします。

日本の登山文化を支えてきた山小屋は、登山中に唯一他人の体温を感じることができる、至極密な環境といっても過言ではありません。

ただでさえ密であった環境の中、十分な感染予防策が講じることができないので休業するというのは妥当な判断とは思う反面、もう少し判断を待った方が良かったように思いますが・・。

そんな中、山小屋での宿泊やテント泊を予約制にし宿泊者数を制限したり、寝具の持参やマスク着用やアルコール消毒剤持参の勧告などの対策を講じて、開業を決めている山小屋の情報も聞こえてくるようになりました。

感染状況が読めないにせよ、山小屋が営業するという情報は一登山者としては非常に嬉しいこと。

そんな登山文化を享受する一般市民として、何かお役に立てることは無いかしら。

ということで、今回は医療に身を置く者として、山小屋でのアルコール手指消毒のタイミングについて考えてみました。

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山での手洗い・うがいの徹底には限界がある。

ただ存在することが当たり前すぎて気が付かない。日常生活では潤沢にあるけれど、山小屋の環境で特に貴重な資源の一つに水があります。

新型コロナウイルスでの予防対策の一つに手洗い・うがいの徹底が挙がっていますが、こと山小屋において、この対策を実施できる環境が一体いくつあるのやら・・。

稜線上の山小屋であれば天水(雨水)や雪解け水を利用していることも多く、有限な資源である水は感染予防策ではなく、飲料水など生命に直結する用途にウェイトが置かれるべきだと思っています。

ただ宿泊者数を制限するという場合は、相対的に食事や飲料に用いる水の量も減少するためこれらを手洗い・うがい用に流用できる可能性は大いにあります。

ただ水が有限な資源であることに変わりなく、山での石鹸の使用に抵抗感(環境面への配慮)があることも事実。また山小屋ではトイレの立地だったり、ふらっと外に出たり出なかったりなど、部屋の「外・内」の概念が不明瞭になりがちで、俗に言うゾーニングの徹底が少々面倒です。手洗いを行うタイミングが分かりづらく、まどろっこしいというのが正直なところです。

ここで重要なのが、気軽にできる手指の消毒になってくるわけです。

If the people have no water, let them use ethanol(水がなければエタノールを使えば良いじゃない。)

CDCや山岳医療救助機構のガイドラインでは、手指の清潔保持には液体石鹸と流水による40秒以上の手洗いが推奨されています。

しかし、先述の通り山の環境下で水という資源は貴重です。それに加え液体石鹸を垂れ流すという行為も環境的に気になる点がある・・。

こういった時に有効なのがアルコール(エタノール)による手指の擦式消毒で、件の新型コロナウイルスにも有効な消毒方法です。アルコール消毒は流水手洗いよりも簡易的に手指の消毒が行えるため、病院内や施設での医療者や患者への感染予防では遵守すべき手技の一つとなっています。

市販のものを小分けのスプレーボトルに移し替えて持っていくも良し、グループ内で一人持参するも良し(今年度は少人数での登山が推奨されていますが)。

巷ではアルコールジェルと称して消毒効果の無い製品が出回っていると聞きます。購入する時は必ず成分表示を確認しましょう。

新型コロナウイルスに対する有効な治療・予防法が確立されない限り、登山者各々は登山にアルコールを携行する必要があります

山小屋でのアルコール手指消毒のタイミング

というわけで、実際に山小屋でのアルコール使用タイミングについて具体的にまとめてみましょう。因みに権威ある山岳医療救助機構では、登山中に以下のタイミングでのアルコールの使用を勧告しています。

鼻をかむ, 咳やくしゃみの後。
トイレ使用前後。
水道使用前後。
食べる前。
ゴミに触れた後。
鎖場や梯子を通過した後。
共有装備を使用した後。(ロープ・カラビナなど)

大まかにはこれで良いとは思いますが、山小屋では様々な境遇の人間がいろいろな物に触れます。

山小屋側でもコミックや雑誌の閲覧禁止、米飯や汁物のセルフサービスの禁止、一定時間ごとの消毒などの対策を講じているとは思いますが、山小屋任せでもいけないと思います。

要するに、山で触れるもの全てにコロナウイルスが付着している前提で、山小屋の物品には極力触れない。位の気構えの方が何かと考えずに済みます。

山小屋でのアルコール消毒のタイミングは

山小屋のありとあらゆるものに触れる前・触れた後(極力触らない)
トイレ・水道使用前後
食事をする前
ゴミに触れた後

上記のようになるのが真っ当かと思います。あと自分たちが思っている以上にスマホは不潔ですので・・。要注意です。

重要なのは登山者各々の自律した感染予防行動です。

ではまた。

参考・引用サイト

Hand Hygiene Guidance | Hand Hygiene | CDC
Hand hygiene guidelines for healthcare personnel.
山岳医療救助機構 山岳ドクターによる日本唯一の"山の医療"と"医療救助"の情報発信サイト
山岳医療救助機構サイトは、登山家、レスキューチーム、山岳ガイドなど、山岳活動に関わる皆さまに正しい最新医療と救助の情報をお伝えするサイトです。国際基準のガイドラインを中心に、山岳活動に必要な正しい知識や医療情報をお届けします。
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