静寂の聖域、犬鳴山へ
市街地から一番近い秘湯と言うべき隠れ家的温泉だ。 湯上り後、何時までもポカポカして胸元 背中 額から汗が流れる。「気持ちイイ!」
とおっしゃる方もおられる、大阪唯一の温泉郷といわれる犬鳴温泉郷。その奥にある七宝瀧寺は、昔から修験道のお寺として古くから修業の場となっていたようで、現在でも滝行を目当てに多くの修行者が訪れるそう。
いかにも秘境感漂うという情報もあり、ワクワクしながら行ってきました犬鳴山。今回は平日・オフシーズンということもあり、静か過ぎてむしろ落ち着かない山行となりました。
にしても大阪に温泉郷があるとは驚きでした。
犬鳴山へのアクセス
JR天王寺→日根野駅→(バス)犬鳴山方面行バスにて終点犬鳴山
南海線泉佐野駅→犬鳴山方面行バスにて終点犬鳴山
車でお越しの方はこちらへ→犬鳴山アクセス
公共交通機関を使う場合は、お得な切符が南海線各駅で購入できます→温泉+ハイキング切符
霊験あらたかな修験道の道を歩く
修験道(しゅげんどう)は、山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられた日本独特の宗教である
犬鳴山について調べる前は修験道のことを物理的な道だと勘違いしていましたが、宗教の一つと聞いて驚きです。関西では犬鳴山の他に、金剛山や剣山、熊野三山などがあるそうで、昔の人々が山に対して尊敬の畏怖の念を抱いていたと思うと、どこか不思議な気持ちになります。
バス停を後にし、15分ほど歩くと大阪1の高さを誇るという「のっぽ杉」がみえてきます。金剛山にも一度行ったことがあるのですが、このあたりの山は杉が随分多いですね。戦後のせい?
花粉症の根源を恨みつつ歩みを進めると、いかにもといったのぼりがありました。緑と赤のコントラストが綺麗です。基本的に小川沿いを進むことになるので、夏場は特に良いハイキングコースとなりそうです。道中は仏様やら神様やら、日本の宗教ごちゃまぜにした感じでした。修験道の特徴ですかね?
犬鳴山の由来
天徳年間(957~961年)紀州のある猟師が鹿を追って滝のあたりに来た時、連れていた愛犬がうるさく吠えたてました。
そのせいで獲物を取り逃がした猟師は、怒って犬の首をはねてしまったのです。愛犬の首はそのまま踊り上がって、猟師を呑もうと狙っていた大蛇にかみつき、蛇とともに息絶えてしまいました。
犬が吠えたのは、主人の危急にいち早く気づき、救おうとしたからでした。この心を知った猟師は悔いて修行者となり、愛犬をねんごろに供養し、また自分の田地を不動堂に寄進しました。
この時より宇多帝(うだてい)より犬鳴山と勅号を賜うたのである。
との由来だそうで、ちゃんとお犬様の立派なお墓もあります。きっと飼い主は相当なショックを受けたのでしょう。
道を間違え、高城山へ
事前の情報収集が足りなかったのですが、どうも犬鳴山は犬鳴川渓谷を中心とした周囲の山岳の総称のようでした。
まぁ道中の看板をみていればそれは分かったのかもしれません。基本的に五本松を目指せば問題ありませんのでご注意を・・・。
七宝寺本殿と五本松・高城山との分岐を五本松方面に進み、階段を上ると車道にでます。その先に上のような分岐があるので、五本松を目指される場合はそのまま車道を進んでください。
奥の未舗装の方は高城山の展望台へ続いていますが、かなりの悪路でした。
今回高城山の道中は割愛します。あまり楽しいものではなかったです・・。
心霊スポットとして有名な犬鳴山トンネルへ
関西在住の方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。
女性の影がーとか何かと噂の絶えない、有名な心霊スポットみたいですね
後ろと前を交互にみつつ、震えながらトンネル内を通りました。壁のシミが女性に見えたり見えなかったり。心の持ちようでとらえ方がだいぶ変わります。
出口付近にあった「節電中」の3文字には恨みを覚えました。
・・・夜は半端じゃなさそうですね。
近畿自然歩道を頼りに。
犬鳴山トンネルを超えてからは、道なりに進んでいくと近畿自然歩道の地図が各分岐路で表示されています。それに従って進むと・・。
はいきました5本松。5本松が並んでいるわけではないのね・・。そしてこの曇天。自分の責任ですが、道に迷ったこともあり心も曇り模様でした。
写真の建物内にはカフェがあったり、野菜がそれなりに安い値段で販売されていましたヨ。
これ犬鳴トンネルを通って来た体で書いていますが、実際が高城山まで行き道に迷いながら登っています。(笑)
下山し本堂・行者の滝へ
そそくさと下山し、せっかくということで行者の滝へ寄り道してきました。
行者の滝では、事前予約をすると滝行の体験ができるようです。暖かい時期に体験してみてはいかがでしょうか?
にしたって修験道のお寺をみるのは初めてで、普段行くような寺とはまた一味雰囲気が違い見てて面白かったです。
下山後は温泉へ
大阪随一の温泉郷ということで、不動口館に入浴してきました。タオルを持っていなくても、レンタルすることができます。毎回下山後に温泉に入ろうとおもいつつタオルを今回も忘れた自分にとっては、とてもありがたかったです。
川のせせらぎをききつつ入る温泉はとても気持ちがよかったです。
まとめ
登山を始めて以来、初めて道を間違えました。とはいえ道しるべがあったので事なきを得たのですが、どんな山でも地図は必携だと感じました。
犬鳴山自体は、七龍宝寺までは渓流沿いなので春や夏等は涼し気で良いハイキングができると思います!特に下山後の温泉はおすすめです。