山と道MINIを使ってみて!

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初めに

UL(ウルトラライト)に向けた登山装備の軽量化の一環として、まずはザックを購入してみました。

多くのULメーカーがある中で僕が選んだのは山と道から発売されているザック。その名もMINIでした。

購入に至った動機としてはただただ見た目が格好良かった事、紹介ページで夏目さん(山と道全体の監督)らが実際にハイクで使用し、試行錯誤を経て作られたものであることが分かりやすく記載されていたことでしょうか。

日帰りハイクから1泊2日の残雪期の蝶ヶ岳ハイク。3泊4日のテント泊装備を詰め込んだ無雪期北アルプス縦走など、気に入りすぎてminiで山を楽しんでいるのでその使用感などレビューしていきます。

MINIのスペック、外部・内部構造

ULのバックパックでは、本場のアメリカの気候(少雨)に合わせてフロントポケットがメッシュであることが多いようです。

しかしMINIは雨の多い日本の気候に合わせて防水性の高い(完全防水ではないので自己責任)X-Pacという生地が使用されています。このフロントポケットが見た目以上に物が入るので色々と詰め込んでしまいます。(笑)
防水性のあるX-pacが使用されているのはあくまでフロントポケットとボトム生地だけ。完全防水ではないことには十分な注意が必要で、ジップロックやパックライナーなどの防水施策は必要です。

スペック

容量:
25L~30L / 1525~1830 cu in
重量:
340g / 0.749lb (Without Accessories)
本体生地:
70 Denier silicorn coated ripstop nylon
フロントポケット生地:
X-Pac VX07
サイドポケット生地:
Lycra twill
ボトム生地:
X-Pac VX21
バックパネル生地:
3D mesh / 200 Denier coated nylon oxford
アクセサリー: 
Minimalist Pad(45x90x0.5cm/43g)
Hip belt
Reflective bungee code
Repair tape
交換用背面パッド

公式サイトでの使用用途では日帰りから1泊2日のオーバーナイトハイクとされていますが、軽量化に取り組んだ結果3泊4日の縦走も可能でした!

フロントやサイドの構造

まず手に取ってみると、今まで自分が使用していたどのザックよりも圧倒的に軽く驚きました。公式では340gとのことです。背面にはパッド(minimalist Pad/43g)が内蔵されていますので、実際は373g
日常でも使っているリュックよりも軽いことにとても驚きました。そして何より気になったのはその耐久性ですが、ボトムやフロントには丈夫なX-Pac VX21という生地が使用されています。使用してもうすぐ1年が経ちますが、破れなどはありません。

山と道mini

展開されている色は白・青・赤・グレー・黒の5色です。定期的にカスタムエディションのオーダー受注があり、自分の好きな配色・生地を選択することができます。

 

miniのサイド

そしてサイドはこんな感じです。サイドポケットは伸縮性に富んでいるので、500mlペットボトル2本であれば余裕で入れることができます。

山と道miniのフロントポケット內部

続きまして、フロントポケットの内部構造。このフロントポケットが見た目の割に収納力が高く、レインウェアだったりサングラスなどすぐに取り出す必要のあるものはほぼここに収納できます。

山と道miniの長い吹き流し

中は上部からのアクセスのみとなっており、いわずもがな1気室構造となっています。購入当時Gregoryのフロントアクセスに慣れてしまっていた自分としては、少々使いづらさを覚えていた点です。

写真のようにザックの吹き流しが長めに取られているので、最大30Lまで容量を増やすことができます。

止水ファスナーやバンジーコード、ホイッスル

山と道miniのジッパー

雨の多い日本の気候に合わせて、止水ファスナーが使用されています。

山と道miniのバンジーコード

山と道miniを実際に登山で使った図

miniの顔といっても過言ではないバンジーコード。岩場などでパッドの幅が気になる時は、丸めてこのバンジーコードでminiの前面に固定するようにしています。

山と道miniのチェストベルト

緊急用のホイッスル。使用するときが来ないことを祈るばかりです。2018年夏モデルから、色がグレーに変更されたようです。

山と道miniのポールループ

ストックを固定するためのループを両サイドに備えています。

実際に使ってみて感じたこと

縦走から日帰りまで、2018年の残雪期から無雪期はほぼminiを使用していたので、その使用感をば書いてみようと思います。

良かった点

ザックは腰で背負うものという固定概念(確かに10kg以上ともなると腰への荷重も重要)が今までありましたが、このザックを背負う際の注意点として上半身(肩)で背負うことを推奨しています。3泊4日のテント泊縦走の荷物を入れていましたが

なにこれめちゃくちゃ歩きやすい。

冗談抜きに本当に歩きやすすぎて、買った当初はにやけながら上高地ハイクしました。
上半身に荷重しているため重心がぶれない。あまりの背負いやすさに何度か走ってみましたが、これもまたぶれない。

次に感じたことは、背負いやすさでした。

中に内蔵されているパッドは、一般的なザックでいう「フレーム」代わりになっているのですがこれが硬すぎず柔らかすぎずで背中にフィットしてきます。しかもこのパッドはスリーピングパッドも役割も十分に担える代物です。
つまり断熱材なのですが、晩秋の上高地ではこのパッドの効果により背中側はとても暖かかったです。

十分すぎる拡張機能

これに関しては、公式サイトを参照していただきたいのですが細部にこだわりを感じることができると思いますし、スタッフパックやジップパックで容量を増やすことも可能です。このあたりも今後のMINIの使用にあたり汎用性の高さが垣間見えます。

気になった点

次は気になった点。やはりすべてが完璧!というものは少ないですよね。

サイドポケットのものが取り出しにくい

上半身で背負う分、自ずと荷物が上にあるので仕方ないとは思いますがサイドポケットにあるペットボトルを取り出すには、肩甲骨を酷使するかザックを一度降ろすもしくは緩める必要があります。
本当に面倒だと思う方は、是非ともハイドレーションシステムの導入を検討するほうが吉です。
とはいえ、使っている内に慣れるでしょう。

背面が熱い・蒸れる

先の上高地では暖かいと言っていましたが、夏季は少々暑すぎるのではないかなぁと思うのが印象です。実際、須磨アルプスではハイペースに登った分背中だけ汗だくといった始末でした。余計な発汗は体温を下げるだけでなく脱水を引きおこす恐れがあります。
これに関しては、パッドの代わりに入れることのできるメッシュパッドが発売されていますので本当に耐えられなかった場合はそちらの購入を検討予定です。

パッキングしてみた

実際に1泊2日、残雪期の蝶ヶ岳で使用した荷物が以下の物になります。実際はここに水分と食料が追加になります。

今回は一般的なパッキングと、山と道のブログTIPSで紹介されているパッキングを試してみました。

山と道miniに入る荷物の量

一般的なパッキングの場合

重たいものが上になる且つ身体に近くなることを意識しパッキング。
フロントポケットに多くのものが入るので、よく取り出すものなどはここへ。入れすぎると少々見栄えが悪くなりますが、見た目以上に物が入るので使い勝手がいい。

マットとストックは外付けです。残雪期のパッキングパッキングは荷物が増えますが、それでも食料や水分込みでこんな感じに。
丁寧にパッキングすれば3泊以上こなせそうです。

山と道miniを1泊2日で使用した図

 

山と道TIPSでのパッキング

こちらのブログを参照にしています。
寝袋のロフトがつぶれにくく、取り出してすぐに暖を取れるのは大きな利点かと思います。

まずはマットを4つ折りにして、miniの背面側に入れ込みます。その後、寝袋をパックライナーにどかどか入れていきます。

寝袋をしまい終わったら、その上から他のギアを入れて最後にパックライナーの口を締め終了。
寝袋を圧縮して入れ込む手間や、いちいち物の配置を考え無くても良いのはお手軽だと感じました。
背面のパッドがより分厚くなるので安定はします、しかし内部の容量としては減ることになるので、装備の多くなる残雪期等はスタッフサック等外付けを考慮しないと少々厳しいように感じました。

普段使いには?

山と道miniは一般的なリュックと比べてフレームがなかったり生地が薄いです。いわば荷物を入れながら成型するようなザックなので、普段から荷物の多い方を差し置いて、一般的な普段使いをするのは少々難しいかもしれません。

圧倒的に軽いですし、街中ではあまり見かけないザックなのでオシャレに背負ってみたいですね。

最後に

縦走から日帰りまで愛用してきた山と道mini。

また思うことがあれば随時更新していきたいと思います。
少々値は張りますが、自分にとって軽量化に向けてとても良い出会いだったなぁと思います。これからも愛用したいザックです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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