アークテリクスの化繊インサレーションウェア、プロトンシリーズとアトムシリーズ。
どちらもデザイン性と機能性に優れ、アウトドア界隈では高評価を得ています。
ただフォルムや値段が類似していて、違いが分かりづらい。
という方も少なくないはず。
というわけで今回は、プロトンシリーズとアトムシリーズの違いについてまとめてみました。
プロトンシリーズとアトムシリーズの違い一覧
まずはプロトン・アトムそれぞれのスペックについて、公式サイトなどから引っ張り出して比較表にしてみました。
両者ともにメンズのLTフーディシリーズから抜粋しています。
プロトン | アトム | |
重量 | 375g | 375g |
フィット | トリムフィット | トリムフィット |
センターバック丈 | 74.8cm | 74cm |
表地 | フォーティアス™ エア 20(耐風性・ 耐摩耗性) | Tyono™ 20(耐風性・圧縮しやすい) |
中綿 | コアロフト™ コンパクト 80 インサレーション | コアロフト™コンパクト60インサレーション |
サイドパネル | フォーティアス™ エア 20 | ストレッチ性フリース |
ハンドポケット | 腹部に2つ・右胸部に1つ | 腹部に2つ・右前胸部インナーポケット |
価格 | ¥33000 | ¥35200 |
次にプロトン・アトム共に共通している構造についての一覧。
こちらは参考程度に。
ストレッチニットカフス |
No Slip Zip™ フロントジッパー |
ヘルメット対応のストームフード |
DWR加工 |
アークテリクスのプロトンシリーズとアトムシリーズですが、どちらも中綿にはコアロフト™コンパクトが採用されています。この中綿はアークテリクスが独自開発した化繊で、コンパクトながら確かな保温力があり、通気性にも優れています。
プロトン・アトムそれぞれでボディ部分の中綿の量が違いますが、このあたりの違いはさほど感じません。ちなみにフード部分はアトム・プロトン共にコアロフト™コンパクト60インサレーションが封入されています。
次にフィット感。
両方ともトリムフィットになっていますが、プロトンシリーズの方がよりタイトめなデザイン、そしてセンターバック丈は写真で分かる通りプロトンシリーズの方が数センチ長めです。
両モデルの大きな違いは表地。
アトムシリーズにはTyono™ 20が採用されていて、防風性・通気性に富みコンパクトに収納できるなどの特徴があります。ポケットの裏地は暖かなフリース素材。
対してプロトンシリーズ。こちらはフォーティアス™ エア 20が採用されていて、通気性・防風性に優れ耐摩耗性に関しては業界基準の60倍もの値。ポケットの裏地まで通気性に富んだ同生地(冷ややか)
アトムにくらべるといささか生地が硬く、コンパクトになりにくいので携行性はイマイチ。
それぞれの特徴はこれくらいにして、各シリーズについて記述していきます。
行動中に着続けるならプロトンシリーズ
いわゆるアクティブインサレーション。
行動中も着続けられる動的保温着です。
表地に採用されているフォーティアス™ エア 20のおかげで、運動量の多いハイクアップでもヒートアップせず適度に通気。幾分通気性が良すぎるせいか、停滞時の保温力に関しては後述のアトムシリーズに軍配が挙がります
ただ運動量の多い登山で通気性と保温力を求めるのであれば、断然プロトンシリーズを推します。
ちなみに自分のレイヤリングとしては
ドライレイヤー+メリノウールロングスリーブ+プロトンLT
といった感じ。
息が上がるハイペースで行動した後の休憩時でも、汗冷えでぶるっと震えることはめっきり減りました。
極端に寒い場合、メリノウールの上にもう一枚薄手のフリースを入れ込むくらいの余裕はありますが、結構タイトめになりそう。行動中に着込むウェアによっては、一つ上のサイズを選んでも良いかもしれません。
ダウンに似た使い方をするならアトムシリーズ
街着でも登山でも、羽織った瞬間から保温してくれるアトムシリーズ。
生地が薄いので重ね着をしてもごわつきにくく、化繊インサレーションで湿気に強く行動中も着続けられます。
ただしプロトンと比べると通気性は劣り、登山の行動中に着ていると「あっちぃ!」と感じることが多々。(インナーにも依るとは思いますが、個人的な使用感として)
停滞中&行動中も着用できるインサレーションで、保温力に関しては俄然アトムシリーズの方が良いです。ポケットの裏地が起毛素材になっているなど、各所に保温力を高める工夫が垣間見えます。
比較的運動量の少ないスノーハイクだったり、停滞時・行動中も着続けられる汎用性に富んだインサレーションウェアをお望みであれば断然アトムシリーズを推します。
アトムシリーズは軽く携行しやすいので、普段使いにも重宝。
登山では夏季の縦走や、積雪期登山ではとりあえず持っていく(着ていく)一枚です。
まとめ。登山スタイルに応じてお選びください。
がっつり登攀するし、がっつり雪山も登る!
という方にはプロトンをオススメ。一見蒸れそうな見た目に反して、通気性に富むすごいウェア。
そしてデザイン的にはプロトンの方が格好良い。
逆に、山でも街でも使いやすい1着がほしい!
という方にはアトムをオススメ。コンパクトに収納可能、かつ濡れに強いインサレーションウェアで、少々蒸れやすい印象ですが、通年使えてお気に入り。
自分はフーディとジャケットタイプの2種類を所持(ついうっかり)。
カラバリはアトムの方が豊富かつ落ち着いた色味が多いです。タウンユースにもおすすめ。
値段帯は双方ともそこまで違いはありませんが、決して安くない買い物。
この記事が少しでも助けになれば幸いです。
ではまた。