前回は
前回は、霧の中を麦草峠から黒百合平まで歩いています。記事はこちら
今回は黒百合平から天狗岳を目指しましたが、悪天候のため断念したという内容です。
黒百合ヒュッテにて
15時前には黒百合平に到着したので、受付を済ませた後、案内の時間まではハンモックで「山の天気」なる本を読み、これからの天気を憂いていました。
どうも雲の形状である程度天気の予測ができるみたいですが、この時の空模様ではそれもままなりませんでした。
なんてったって雲の中ですもの。
にしても積雪期では平面だと思っていたこの急登も、実は岩に溢れていたのだなという発見でした。積雪期との山の変容を見つけるのが楽しい。
ハンモックで束の間意識を失っていると、寝顔を見知らぬ方にさらしていたようでお恥ずかしい。
休養もそれなりにとれたと思い、今回の目的である黒百合を見に行きます。
黒百合が辺り一面に咲くような場所というのが勝手に抱いていた印象でしたが、どうやらかなり限定されている様子。
これが黒百合。正式にはミヤマクロユリと言うそうです。この時はまだ満開といった感じではなさそうでした。見ごろは7月上旬から中旬位でしょうかね。
ユリといえば白しかなかった自分としては、クロユリというのはどこか不吉な印象でした。ちなみに花言葉は「愛」「呪い」だとか。
イメージ通りですね。
そんなこんなで、クロユリやら他の花を眺めていると丁度寝室?の案内時間になったので小屋に戻り部屋の説明を受けました。
この天気もあってか、今日は自分を含めて20人程度の宿泊だそうです。個室もあるようで、団体の方はそちらに。おかげさまで布団は広々と使うことができました。以前の唐松岳山荘との違いに驚き。
その後はご飯でした。ご飯・お味噌汁がお代わり自由なのはありがたかったです。そして20時半には就寝となりました。オジサマとのお話は毎回楽しいです。
小屋泊の一つの難点が、なかなか寝付けないこと。これは色々と試行錯誤する必要がありそうです。今回は睡眠剤のお世話になり寝ることができました。
朝は4時ごろには出発する予定だったのですが、外を見ると雨・・・。この山行は終始雨模様。風も吹きすさんでいたので、天狗岳への山行は中止とし急遽「恐怖の強風体験」に移行することとしました。目的地はすりばち池あたり。
今日の朝ごはんは自炊することにし、どん兵衛とおじやにしました。ビバ炭水化物★
そして吹きすさぶ風の中、いったん小屋を後にするのでした。
すりばち池を目指して、恐怖の強風体験
先ほどの急登から、すりばち池を目指していきます。相変わらずの天候。一日程この天気の中にいたせいか、感覚が麻痺しているのかむしろ楽しく思えてきました。(笑)
稜線上に上がると、それはもう暴風でした。身体が風で飛びそうになるあたりは人生で初体験。風速の目安としては、大体15m/秒程度のようです。
今までにない体験にうつつを抜かしていると、どうやらザックカバーが飛ばされたようでした・・。ザックに元々ついていたものなので、どうしても無くしたくない思いで、来た道を引き返します。まぁ道というか岩というか。戻る道中で小屋で一緒だった方々とすれ違います。
そこで一人の女性がザックカバーが落ちていたので、岩に挟み込んできたと。
この風の中で飛んでいかずに落ちていたこと、そしてそれを発見してくれた女性に感謝しつつ5分程度歩くと‥無事にカバーを発見できました。
ただここまでの疲労とザックカバーの安心感からか、すでに小屋へ帰ろうという思いが強かったのでこのまま黒百合ヒュッテへと戻るのを決めました。
黒百合ヒュッテから渋の湯まで
黒百合ヒュッテに戻った際、硫黄岳から東天狗と登ってきた男性がいました。話によるとやはり雲の中で何も見えなかったとのこと。今回は何かとしょうがないようです。
山頂だけ晴れていたらどうしようという思いがありましたが、この情報で吹っ切れたのでそそくさと小屋を後にしたのでした。
相変わらずの苔の美しさには圧倒されます。ここまで苔が埋め尽くすには、一体どれほどの歳月がかかるのでしょうか。山に行くと感じられる、自然の壮大さには毎回気が遠くなります。
下山してから1時間半程度で渋の湯へ到着。こちらも冬とはだいぶ印象が違います。バスまでは1時間ほど余裕があったので、勿論温泉へ入ります。
ここまで下山してくると青空が垣間見えていました。まぁ見上げた山は未だ雲の中でしたが。(笑)
お風呂は自分一人での貸し切り。ゆっくりと浸かります。歴史ある雰囲気がたまりませんでした。そしてバスの時間。山を後にします。
山行まとめ
というわけで、約2日間ずっと山の中・雲の中にいたプチ縦走は終わり。総移動距離は13.5kmという、恐らく自分史上で富士山に次いで長い山行となりました。
思い描いていた展望はありませんでしたが、自然の雄大さや花・苔の健気さのおかげで楽しむことができたと思います。山小屋での人との語らいなどもあり、やはり山は良いものです。
家に帰りドロドロになった靴を洗い、ウエアを洗濯している時には、すでに次に行きたい山を考えている自分がいます。(笑)
次はどこへ行こう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!