柏原新道を通り、目指した爺ヶ岳はガスの中。

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各地の梅雨明けが発表され、ついに到来した2019年の本格的な夏山シーズン

パッとしない天気が続きますが、あの突き抜けるような青空はいつ拝めるのでしょうか。

さて今回は歩きやすいと噂の柏原新道を通り、日本300名山および新日本100名山となっている爺ヶ岳に登ってきました!

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爺ヶ岳について

爺ヶ岳は北アルプス後立山(うしろたてやま)連峰に属し、富山県および長野県にまたがります。北峰、本峰、南峰の3峰からなり最も高い南峰が山頂となっています。その標高は2660mです。

冷池山荘から見る爺ヶ岳と種池山荘

爺ヶ岳の南峰と本峰の間に種蒔きをする爺の雪形が現れたことが、爺ヶ岳の由来なんだとか。

爺ヶ岳への登山ルート

爺ヶ岳へ登頂する場合、扇沢から徒歩15分程度の爺ヶ岳登山口が爺ヶ岳への最短ルートです。このルートが所謂柏原新道となっています。仕事が遅い事に痺れを切らした当時の柏原氏が1人で、1年で開拓した有り難い登山道です。

他のルートとして、後立山連峰の縦走後、鹿島槍ヶ岳から爺ヶ岳へと辿るルート。もしくはその逆、針ノ木岳や蓮華岳方面から縦走するルートがあります。

爺ヶ岳コースタイム
  • 爺ヶ岳登山口
    柏原新道入口
    45分
  • 八ツ見ベンチ
    天気が良ければ八ヶ岳が見える
    30分
  • ケルン
    石が積んであります
    25分
  • 駅見岬
    扇沢が見える
    40分
  • 水平道
    此処から先水平な道が続く
    15分
  • 石ベンチ
    座位適地
    30分
  • ガレ場
    足元に注意
    35分
  • 種池山荘
    テント場あり
    45分
  • 爺ヶ岳南峰
    巻道分岐あり
    20分
  • 爺ヶ岳中央峰
    巻道分岐あり
    25分
  • 爺ヶ岳北峰
    山頂行けず
    45分
  • 冷乗越(つべたのっこし)
    赤岩尾根の分岐
    10分
  • 冷池山荘
    テント場あり山荘から10分。往復が億劫・・。

登山の際は紙の登山地図を必携しましょう。

爺ヶ岳周辺の山小屋

種池山荘・冷池山荘は収容人数250人程度の山小屋です。両方ともテント場があります。冬期は営業しておらず、冷池山荘のみGW営業しているようです(要予約)

今回の登山の軌跡(休憩含む)

爺ヶ岳登山記録

台風一過の晴天を狙って夜行バスで着きましては扇沢。アルペンルートへ向かう他の登山者を他所に、準備を済ませて爺ヶ岳登山口へ向かいました。天気は曇り。

これ以降ずーーっと曇り。

一日目:小雨がぱらつく中、柏原新道の歩きやすさを知る

爺ヶ岳登山口に到着後、登山相談所があるのでこちらで登山計画書を提出して登山開始!

当初の計画では、鹿島槍ヶ岳から八峰キレットを超えて五竜岳を目指す予定でした。爺ヶ岳登山に留めた理由は後述。登り始めは普通の登山によくみられるつづら折りの道ですが、柏原新道はここからすでに整備されていてちょっとした石畳になっていて歩きやすいのです。

柏原新道の道標 柏原新道の登山道 柏原新道の登山道1

ありがとう柏原さん。

つづら折りの道が終わり、程なくして木の階段を登ると割と平坦な道に出ます。この辺りから扇沢や、天気が良ければ針ノ木岳を望むことができます。

そう、天気が良ければ。

爺ヶ岳登山口から40分程度で、最初の休憩適地の八ツ見ベンチへ到着します。ここでは天気が良ければ信濃大町の先に八ヶ岳が見えるそうです。

そう、天気が良ければ。

対して体力も消耗していなかったので、水分補給をして進む事にしました。この辺りから小雨がパラパラと降るようになり、ザックにレインカバーを装着し、折り畳み傘の出番です。樹林帯の雨であれば断然折り畳み傘を推します

柏原新道注意書き 扇沢に架かる虹 一枚岩の標識

ケルン前にはご丁寧に注意喚起の看板が設置されています。確かに危ないといえば危ないのでしょう。この辺りで向かいの岩小屋沢岳の方面へ綺麗な虹が見れました。虹は嬉しいのだけれど、とりあえず雨をどうにかして下さい。

こんちくしょう。

山に来ても人間の卑しい部分は健在です。

駅見岬からは文字通り扇沢が見渡せ、ここから先の水平道、石ベンチまではとても平坦で歩きやすい登山道が続きます。

本当に歩きやすい。

まぁ小雨で濡れていたので滑らないかとても気を遣いましたけれど。この先、石ベンチ以降は鉄砲坂などとりあえずきつい登りが待っています。一部雪の残った箇所がありますので、落石や滑落には十分注意してください。勿論ここにも、事前に但し書きが設置されています。

水平道

アザミ沢

富士見坂

この道を行けばどうなることか、早く終われよ登り坂
久々のテント泊装備を背負っての山行。しんどい中で種池山荘前のコバイケイソウやチングルマが咲き誇るお花畑を見た時は、それはもう感動したものです。

種池山荘前のコバイケイソウ 種池山荘へ続く道

天気が良ければどれだけ綺麗だったか…

種池山荘にてピザを尻目にコーラを嗜む

とりあえず登山中は炭酸飲料。特にコカ・コーラを愛飲しています。

種池山荘

普段飲んだ時とは炭酸の泡の弾け方が直に感じられる気がするのです・・。気分爽快でガスの中の爺ヶ岳を目指します。

爺ヶ岳を経て冷池山荘のテント場へ。遠し遠し。

種池山荘から先、まずは爺ヶ岳南峰を目指すことになります。

爺ヶ岳への道標 爺ヶ岳に続く稜線 爺ヶ岳への稜線はガスの中

南峰までは緩やかな登りが続きますが、柏原新道で削り取られたライフゲージは思ったよりも残っていなかったようで、予想以上のスローペースで登る羽目になりました。

種池山荘から爺ヶ岳南峰までの登山道ではライチョウの目撃情報多数とのことでしたが、この日の遭遇はゼロ。何なら翌日もライチョウの姿は一度も見ることができませんでした。

踏んだり蹴ったりとはまさにこのこと。

たどり着いた爺ヶ岳南峰。もちろん景色は虚無。

南峰からの下りにはコマクサやミヤマキンポウゲが咲いている箇所があります。今年初コマクサです。こうも展望がないと、視線は自ずと登山道脇に咲く高山植物に向きます。

爺ヶ岳中央峰

爺ヶ岳南峰・中央峰共に巻道があります。たまに山頂を取り逃しそうになりますのでご注意ください。因みに北峰に関してはどうやら山頂まで行くことができないようです。皆それを知らずに来ているのでしょう。北峰らしきピークの登山道は荒れ気味でした。

冷乗越の道標

冷池山荘への木道

北峰から先、赤岩尾根との分岐である冷乗越へ到着します。ここには謎のモニュメントがありますが・・。一体何を表現しているのかはよく分かりませんでした。ひな祭りの時によく見るお餅?笑

標高を下げたので周りには背の低い木々が立ち並ぶようになります。ここからの木道は冷池(つべたいけ)山荘へのビクトリーロード。残り少ない体力を根こそぎ持っていきます。山荘前にある池の名前が冷池らしいです。

冷池山荘 冷池 冷池山荘のテント場

山荘からテント場までは徒歩15分程度。しかも登り。この日のテント場には5張り程。

テント場はどこに張っても傾斜がありそうな雰囲気。風が避けられそうな箇所に設営としましょう。

二日目:あまりの天候不順と体力不足感が否めず下山を決定。

本来の計画であればここから八峰キレットを超えて五龍岳まで登る予定でしたが、久々のテント泊装備とカメラ・三脚、それに加えて眺望の無い登山という条件が加わり、体力的・精神的に疲弊しており、既にテント内では明日下山してしまおうという心づもりでした。

テント場から見る鹿島槍ヶ岳 雲に覆われる鹿島槍ヶ岳 爺ヶ岳稜線

実際の天気は予報通りの曇り。迷うことなく下山を決めました。冷池山荘から爺ヶ岳南峰までは少々登りますが、昨日登った長さに比べるとだいぶ楽。

鹿島槍ヶ岳と五龍岳。共に必ず縦走でリベンジしてやります。というか、後立山連峰の山に登山するときは軒並み天気が悪いような気がします。笑

冷池山荘から爺ヶ岳登山口まで、途中の種池山荘で偶然合致した見も知らぬ男性と話しながら下山することになり、トータル3時間30分という脅威のスピード下山となりました。下山後の温泉から食事まで、下山後にここまで長く関わった方は初めてかもしれません。笑

ありがとうございました。

最後に。決して見てはならない下山後翌日の天気

予定よりも早く下山してから、決して見てはならないもの。そう下山翌日の天気。どうやら鹿島槍ヶ岳は晴れたようです。ヨカッタデスネェ。

このご時世の精神衛生上、SNSを見ない日というのもやはり大事なのかなと思います。

柏原新道は下山も歩きやすかったです。雨が降った後なんかは岩が滑りますので、それには十分ご注意ください。きっと近いうちに後立山連峰はリベンジします。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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