今回は建築設計事務所であるmikikurotaが製作・販売されているモノポールテントelemental1を購入しやっとこさ使ってみました。今回はそのレビューです!
はじめに~モノポールテントにelemental1を選んだワケ~
登山装備の軽量化において、割と重要なポジションを担っているテント。日本では稜線でのテント場が多い事も相まって、耐風性の高いドーム型のテントが人気ですね。
まぁ良くも悪くも没個性といえます。
ULスタイルのハイキングでは、フロアレスシェルターやらツェルト・タープ、ビビィ等が宿泊装備に挙がりますが自分の第一印象として
ツェルト…見るからに不安。飛ばされそう。
タープ…あんなに大きな幕を張れるテント場は限られそう。
ビビィ…雨降ったら大変だ。どの道フライシートが必要になるか。
偏見に偏見を重ね、まずはシェルターを買ってみよう!という結果に。
安くない買い物なので、装備の軽量化に当たって一番苦悩したのがこのシェルター。
最終候補としてはsixmoondesignsのlunaシリーズ、もしくはlocusgearのシェルターが挙がりました。
あーでもない、こーでもないと悩んでいる中でちょっとしたブログで名前を見かけ一目ぼれしたのが、このelemental1でした。まさに運命的な出会い。(笑)
スペックなどなど。
タープのようにシンプルな一枚の布として。
またはテントのように力強い幾何学の立体として。
Elemental 1はこのことを徹底して、ディテールに込めています。(mikikurota)
スペック
elemental1本体とペグサスペンション用のショックコード、スタッフサック込みでなんと実測293g。
内部に設営できるメッシュテントも発売されており、こちらに関してはスタッフサック込みで実測312gでした。
対候性はドーム型テントに劣りますが、それでもダブルウォールテントとして
293g+312g+37g(後述の付属品)=642g
というのは驚異的な軽さ。(笑)
ポールを含んでも1kgは切りますね。
付属品のご紹介
・ Elemental 1 シェルター本体
・ スタッフサック直径100mm L=280mm
・ コーナーガイライン2mm幅 3m(43cm×7カ所)
・ ペグサスペンション用ショックコード3mm幅(30cm×7カ所:Elemental 1 本体に取り付け済)
・ エクストラガイライン1.8mm幅 22m
(サミットループ用250cm×4カ所、リッジループ用200cm×6カ所)
・ ミニラインロック蓄光 10個
・ キューベンリペアシート
使用後で汚くてすみません。(笑)
写真のような袋にガイラインが付属しますが、各々の採寸と切断はこちらでする必要があります。
因みに、上記のような取り扱い説明紙も付属します(H30現在)
素材と縫製
素材にはキューベンファイバーが使用されており、1.0ozのブラックもしくは0.74ozのグリーンを選ぶことができます。ブラックの方が生地が厚い分、強靭かつ重量が増すようです。
僕はグリーンを選びました!
キューベンファイバーは非常に強度の強いことで知られるダイニーマ繊維を、フィルムでラミネートした強力な素材です。
薄くて軽く、引っぱり力に対して強靭な素材のようです。
実際に使ってみると、非常に薄く透けるので中での着替えなどは少々気を遣うことがあるかと思います。ですが、この透け感はとてもキレイでした。
キューベンファイバーは透湿性がないため朝方は幕内と幕外の温度差により結露が生じますとサイトに記載されていますが、自分は差ほど気になりませんでした。
素材自体は水を含まないので乾きやすく、拭き取るだけで水分による重さの増加は無いように感じました。
リッジラインのボンディング箇所は縮みにくいため、縮みによって少しずつカテナリーが強くなっていきます。
そのためだんだんと美しいカーブシルエットが強調されるようになります。このような素材のエイジングを楽しめるのもキューベン幕の魅力です。
その分、内部空間は小さくなりますので、その点ご了承ください。
むしろ早くエイジングを楽しみたい。(笑)
収納時のサイズ感
悪天候時のあのイヤーな撤収にも配慮されており、出し入れしやすい且つコンパクトになるようスタッフサックが縫製されています。
因みに山と道miniのサイドポケットに入れるとこんな感じ。
miniのサイドポケットだと若干窮屈に感じたので、自分はメインのコンパートメントに収納していました。
各所の構造と使用感
山での使用感と、各所の構造を交えてお伝えしていきます。
ベンチレーション
シェルターやテントで換気や結露予防のために重要なベンチレーション。elemental1ではちょっと凝ったものになっていました。
コードを引くことでチタン製のバーが立ち上がりベンチレーションが開く構造になっているというもの。
但しファスナーは外からしか開くことができないものとなっています。急に雨が降り出した際などは少々煩わしいかもしれません。
サミットループとリッジループ
モノポールでの不安点としては、やはりその耐風性。
実際GWの蝶ヶ岳では稜線での設営になったけれど、それはそれはポールが揺れ、幕がはためいた。(笑)
飛んでいくんじゃないか・・。と大きな恐怖感を抱いた夜となりました。
ドーム型のテント等であれば自分の体重が重しにもなっているためそこまで不安はありませんが、モノポールテントは風に煽られて飛んでいく可能性がないとはいえません。
そこで活躍するのがこのサミットループとリッジループ
サミットループは4カ所あるけれど、2カ所ほどペグダウンすることで、ポールの揺れはほぼ抑えることができました。
リッジループに関しては幕のはためきが多少軽減されますが、強風下だと0になることはないと思われます。
強風に煽られたキューベンはビニール袋と似たような音がするので、気になる方は気になるかもしれません。
また、各々のループは外力がかかるのできちんと補強がなされています。
マグネットループとランタンループ
elemental1はマグネットループが両方に備え付けられており、ランタンループをペグダウンすることで、前室をフルオープンすることができます。
実際に風のない日中にはフルオープンで、目の前に広がる景色を楽しみながら読書やら食事を楽しむことができました。
その他の使用感
建築士の設計と言うこともあり、その居住性はバツグン。
② 手をのばす(物を置いたり取ったり)
③ 横になる
といったテント内での行動を考慮し設計されているおかげでしょうか。
更に居住性を高めたい場合はポールを10cm程度前室側にずらすことで、ぐっと過ごしやすくなります。
設営ですが公式サイトにあるように、未だあまりうまく張ることができていないので改善の余地ありです。(笑)
強いて言うなら・・。
- 少々お値段が・・
元々お高いキューベンファイバーを使用しているので、やはり値が張ります。
elemental1で68000円、meshが27000円。合計で約10万円近いお値段です。 - ポール2本で設営できるように
lucusgearでいうところのDPTEというやつです。2本ポールを使用しA型に設営することで中心にポールが来る事無く、居住性を更に高めることができます。
ポールを2本持って行く方が多いと思いますが、どうせなら2本共設営に使用したいと思うかなぁと感じます。
と偉そうに言っていますが今は十分満足です。むしろ自分には勿体ないものを買ってしまったと思っています。(笑)
最後に
elemental1ですが、受注期間は不定期となっているようなので、気になる方はmikikurotaのインスタをチェックしておくといいかもしれません。
因みに自分は受注が待ちきれなかったので直接メールしてしまいました。(笑)
去年初めてテント泊デビューをしたときは大雨でしたし、今回は強風。
どうも幕を新調するときは苦労が絶えないジンクスが、自分の中で芽生えつつあります(´;ω;`)
とはいえ使ってみることで実際にこのシェルターの耐風性等がどんなものか知ることができたので、今後はもっと使い倒していきたいと思います!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!