気象条件の変わりやすい登山においてレイヤリングは重要。
今回は積雪期登山のレイヤリングについて、登山毎に装備を変えて、自分にあった積雪期レイヤリングを模索しようじゃないか。
という個人的なまとめです。
自分が思う自分の身体の特徴と温度の感じ方について
まず自分の身体的な特徴と温度の感じ方についてまとめてみましょう。積雪期のレイヤリングを考えるには、おそらく夏以上に己を知るべきではなかろうかと感じます。
敵を知り己を知れば百戦殆うからず。
だそうです。
身体的な特徴
自分が思っている身体の特性として
の2点が挙がります。冷え性に関しては夏でも四肢末端はひんやり、ちょっと緊張すると爪の色は真っ白に変化します。もともと顔色が悪く、本人は至って元気なのに他人からは心配されるなど、今後の血流改善が求められます。
四肢末端の冷えとは、つまり末梢血管が収縮しているということ。
ただでさえ過酷な環境の積雪期登山。特に怖いのは、冷えやすい四肢末端の凍傷です。行動中であれば支障は無いのですけれど、山頂で停滞する時や写真撮影の時などは憂慮すべき点では無いかと思っています。
とはいえ積雪期登山で停滞する。ということも中々無いことですし、何より積雪期登山では手袋を外すことはご法度となっています。手先に関してはカイロもあることですし、現状の装備で様子見しようと思います(後述)。
何よりも懸念していることが、夏山登山でも現れるふくらはぎの鈍痛。テント場に着いた後少々すると痛みだすことがあります。最近の山行だと、仙水峠のテント場で独り悶え苦しんでいた覚えがあります。
痛むだけならまだ良いのですが、痛すぎて歩くことが難しい(跛行?)。そして痛すぎるのが冷えすぎているのか分かりませんが、動こうとするととにかく身体が震えだすのです。
マッサージではあまり改善はみられませんが暖めると少々マシになるので、やはりふくらはぎの血流・血管に問題があるのだろうと踏んでいます。筋肉がか弱い?動脈硬化?
一晩寝ることで嘘のように良くなっているのですが、いずれ翌朝も痛すぎて下山できないのでは・・。と思い今から対策を考えておきたいところです。
とりあえず個人的な懸念点として、冷え性は第一候補として挙がります。
次点で発汗について。こちらは20代半ばに差し掛かってから随分と汗をかくようになったと体感している程度。
夏場はファイントラックから販売されているドライレイヤーを着用しており、それなりに汗冷えは改善されました。積雪期においてもファイントラックのドライレイヤーで汗冷えは感じなくなったので、今後も運動量の多い山行ではドライレイヤーは必須だろうなと踏んでおります。
温度の感じ方について
コレに関しては、書いていて「誰にでもあてはまるじゃないか。」と思っているのですけれど・・、悪しからず。
これは誰でも当てはまることなんでしょうが、首元からの風は特段冷たく感じます。かといって自分の場合、ネックウォーマーだと行動中に暑苦しい。
というわけでザックの中に仕舞われがちなバラクラバをネックウォーマー代わりにしてみたものの、これでは薄すぎて寒いという結論に至りました。
現段階で候補に挙がっているのは、ベースレイヤーで首元を覆うことのできるハイネックのもの。パタゴニアやアークテリクスなどにはベースレイヤーで首元まで深く覆うことのできる商品が見受けられます。これらも検討しながら、自分の冬山レイヤリングを決めていきたいところ。
厳冬期レイヤリングの暫定案
これらは後述の山行記録での体験を基に構成しています。
想定する登山シーンは、最も自分の積雪期登山で多い樹林帯のハイクアップから稜線での短時間の活動としています。
以下のリストが現段階での自分の厳冬期レイヤリングです!
ベースレイヤー:アークテリクス ローLTフーデットジップネック S
ミッドレイヤー:アークテリクス デルタLTジャケット S
アウターレイヤー:アークテリクス ガンマLTフーディー XS
アウターレイヤー:MAMMUT ゴアテックスグレイシャージャケット
アウターレイヤーに関してはその時々の天気や稜線での行動時間に応じてどっちかを着たり、両方を合わせたりで使用しています。
登山を始めた時に購入したMAMMUTのグレイシャージャケットは、今になって「コレ割とガチな人向けのジャケット・・。」となり困惑しております。高い勉強代です・・。
積雪期登山レイヤリングの実践の記録
そこまで積雪期登山の経験は無いのですが・・。何事も積み重ねですね。
2018年 伯耆大山 日帰り(撤退)
冬山には足繁く通っていたけれど、レイヤリングに関してはあまり興味がなく、なんとなく重ね着をしていた時期。当時はモンベルのジオラインの中でも、最も厚手のEXPに山と道のメリノフーディとアルファアノラックを着用していました。
この時の山行で感じていたのは汗抜けが悪いことと、ハイクアップで暑く感じてアノラックを脱いだとて、下に着用しているメリノフーディでは風にも寒さにも非常に耐候性がないということでした。
2018年 燕岳 2泊3日
北八ヶ岳の天狗岳やらを登って、満を持して登ったのは年末年始厳冬期の燕岳。
厳冬期とは何たるかを、身を持って思い知った雪山登山でした。この時はfinetrackに傾倒していたのでアウターレイヤー以外はすべてfinetrackの製品で固めて挑みました。
結果として快適な登山ができたので、レイヤリングの重要性と奥深さを学ぶことができたと思っています。
2020年 西穂丸山 1泊2日
そして翌年。ちょっとした体調の崩れのおかげで登山は久々ということで、ウェアも気持ちも心機一転。この年からレイヤリングシステムをfinetrackからアークテリクスへ切り替えてみました。
実際のところ、前に倣えのレイヤリングも面白くない。自分なりに色々と試してみようと思っていた結果といえましょう。
この時は以下のレイヤリングで挑みました。
ミッドレイヤー:アークテリクス カイヤナイトジャケット S
アウターレイヤー:アークテリクス ガンマLTフーディ XS
結果としてハイクアップは快適だったものの、西穂山荘から西穂丸山までの稜線で吹きすさぶ風へのプロテクションが弱すぎた。という結論に至りました(ガンマの着用方法に問題があったとも言えます)。
そして首元の冷えは個人的にとても苦手であるので、こちらもネックウォーマーやバラクラバとはまた違う対策を講じねば・・。となりました。
そこで、アウターレイヤーのガンマの下に耐候性のあるローのフーディと手持ちのガンマを着用。更にその上からアークテリクスの逸品、アトムLTをレイヤリングしてみようという結果に。
2020年 赤岳鉱泉泊硫黄岳登山 1泊2日
という西穂丸山での教訓を生かして次の登山である赤岳鉱泉泊硫黄岳登山でのレイヤリングは以下
ベースレイヤー:アークテリクス ローLTフーディ S
ミッドレイヤー:アークテリクス デルタLTジャケット S
ミッドレイヤー:アークテリクス アトムLT XS
アウターレイヤー:アークテリクス ガンマLT XS
暑ければガンマLTやアトムを脱げば済み、たとえアトムを脱いでも行動中に必要な最低限の保温性は担保できる。樹林帯のハイクアップから小屋で過ごす時間。稜線での行動など、自分の中では割とうまくいったと思えるレイヤリングでした。
しかし着込むことで多少動きにくさが生じていたことも収穫の1つ。この登山でのレイヤリングをベースに、取捨選択を重ねていこうと思います。
考えるほどに難しいレイヤリング。
ベースレイヤー1つとっても化繊かメリノか、混紡か。生地の暑さはどの程度なのか。など選択肢は非常に多岐にわたります。
そしてその日の活動量や気候・自分の体調によっても、最適解のレイヤリングは変わってくるものだろうと思っています。
非常に奥が深い・・。
ネットの評判を基に行うレイヤリングもいいと思いますが、厳冬期に出会う厳しい環境の中で、自分の経験に裏付けされた(浅いですけれど)レイヤリングを信頼することも、また重要ではなかろうかと思います。
よくできたプロダクトとしてパタゴニアのR1などが気になっていますが、こちらも気が向けば試してみようとおもいます。何にせよ、もっと山に繰り出さねばなりません。笑
ではまた。