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コロナ禍での一登山者の駄文

登山コラム
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コトの始まり。

中国での発生を皮切りに、瞬く間に全世界へ広がっていった新型コロナウイルス。2月頃から「これはやばいんじゃないか?」と思うようになり、コトの重大性を痛感するようになったのは、安倍総理が会見を開いた2月末頃だったように思う。

その会見を、ボクは高崎駅前のアパホテルで会見を見ていた。

上半身裸で。谷川岳での登山で着用していた衣類を一通り消臭していた。

連日クルーズ船や諸外国の感染状況を報道するのみで、日本国内の状況に関しては中々報道されない各社の報道を見ていると「どこか別の世界での話なのでは。」なんて本能的に楽観視しようという思いとは裏腹に、目に視えない感染は数字として、着実に拡がっていった。

WHOの対応も、日本の対応も、残念無念また来週。といった具合。

SNSでは政府への批難で連日賑わいを見せていた。一体この批判・非難で彼らは何を得ようとしているのか、甚だ疑問なのは相変わらず。批判や非難が目的に成り下がった方々はきっと少なくないのだろう。

いつから日本を動かす人間たちが賢明だと錯覚していた?

そして登山にも拡がった自粛と違和感。

有効な治療法が無い中で、感染拡大を防ぎ得る唯一の方法としてstay homeが叫ばれるようになり、ボクの趣味である登山界隈では「登山自粛」が叫ばれるようになった。SNS上では「3密にあたらない近所の山なら・・。」的な流れと「いやいや、それもやめとけって。」的な批判的な流れが見え隠れ、ボクとしては公共交通機関を使わなければ感染リスクは低いし良かろう。なんて思っていた。

GWを前に日本の登山文化を支える山小屋の休業情報もチラホラと耳に入ってくるようになった。休業期間は山小屋によって様々で、GW中の休業をはじめ、5月末・7月中旬までなどなど。個人的に衝撃だったのは八ヶ岳の赤岳鉱泉・行者小屋の11月末までの休業だった。実質2020年度の夏山シーズンは休業ということになる。

2020年度の休業を決めている山小屋は、今現在知っている限り他に尾瀬小屋、立山周辺の一部などなど。山小屋の休業に伴いテント場の利用も中止とされ、その界隈への登山者は大幅に減少するだろう。特に南アルプス南部に関しては登山口へのアクセスも断たれ山小屋も休業するなど、山本来の静けさが戻ってくる一年になりそう。

ただまぁ、山小屋を予約制にするなどして宿泊者を物理的に制限することによって、経営は大丈夫なんだろうかと愚考している。各社クラウドファンディングでは寄付金を募ってはいるけれど、どのように活用されるかなんとも見えてこないし、ただ急場を凌ぐ為の資金だとしたらそれは違うでしょう。これからの山小屋や登山文化を考える一因になると良いんだけれど・・。

緊急事態宣言のため、ボクも含め登山者各々が悶々とした日々を送っている中で飛び込んできたのは、山での滑落事故だった。詳細はまぁ、伏せておくとして

八つ裂きにしたいと思った。素直に。

職場と自宅の往復、テレビではコロナの感染状況。きっとストレスが溜まっていたんだと思う。見も知らぬ誰かに、これほどの憎しみを抱くことがあろうとは思いもしなかった。

それはそれとして

この男性には重々、自らの行いを恥じてもらうこととして

違和感だったのは「ほれみたことか!」と、海外での山岳事故がコロナウイルス感染拡大の起因となった例を示してきた一部の山岳関係者。

海外での事例は確かに起こってはならないバッドストーリー。しかし、日本とは医療のシステムも衛生環境、公衆衛生の考え方に違いがあるはず。そして「国立公園」そのもののシステムは大きく違い、法的な規制はあるにせよ、入山者を管理できるシステムなど、日本には無いに等しい。

この違いを知ってか知らずか、この一部の山岳関係者は阿弥陀岳で滑落した彼を出しにして、我々一般の登山者に対する「登山自粛」をダメ押ししてきたように思われた。

江ノ島近辺でのサーファーを見て分かるとおり、どの界隈にもモラルの低い連中は必ずいる。きっとこの件を機に「登山自粛」をダメ押ししてきた方々は、この一部の悪目立ちする層を意識して発言しているのだろうと、今になってはこう思う。

ただ登山を楽しんでいた一登山者としては、この阿弥陀岳の件から始まった一連の流れには違和感を抱かざるを得なかった。

医療機関に負担をかける。医療崩壊を起こしかねない。だから登山はやめておきましょう。と美辞麗句を並べてはいるけれど、そんなこといつも言われてきた事の、ただの過大誇張じゃないですか。

やだー。

いつか来る、その時まで。

緊急事態宣言が全国で解除になったけれど、人が移動をする限り、新型コロナウイルスの感染リスクは0にはならない。どの道6月中旬には、この解除宣言による影響がチラホラ分かってくるだろうし、一喜一憂せず、こと登山に関してはマイペースに考えようと思う。一応政府の方針では、他府県への移動は6月中旬まで自粛するように指示されているし、今が耐えどきかなと。

それまでは大阪の低山に足を運ぼうと思っている次第。無論マスクをしながら。

とはいえども、緊急事態宣言自体は解除されてしまっているし、きっと他府県へ移動し登山する人はするんだろうなー。というのがなんともスッキリしないというか、モヤモヤした感情を抱いてしまう。平時ですら登山者に対する一般市民の目は冷ややかなもの。

まぁ何でしょう。今は耐える時なんでしょう。今まで通りとはいかないにせよ、登山できる日を首を長くして待つことにしましょう。

今は耐える時です。長い山道や悪路、あるいは急登を辛抱強く一歩一歩踏みしめて登れる登山者が今のこの辛い時期を耐えられないはずがありません。(日本登山医学会代表理事:臼杵尚志)
ではまた。
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