11月5日から6日にかけて奥秩父の日本100名山、瑞牆山と金峰山へ登山を楽しんできました。
行程は1泊2日で、富士見平に居を構えたポピュラーなテント泊登山。すでに富士見平から上の紅葉は終盤でしたが、天候にも恵まれ、よき登山となりました。
瑞牆山/金峰山登山の計画と実際
当初はセオリー通り?1日目に富士見平小屋にテントを設営し瑞牆山登頂、2日目に金峰山を登り、みずがき山荘まで下山という計画。
しかし思いの外登山者が多く帰りの温泉が混雑しそうなこと、2日目にコースタイムの長い、面倒な行程を残しておくのがどうにも気が引けたこともあり、1日目に富士見平小屋から金峰山に登り、2日目に瑞牆山を登ることにした。
結果的に金峰山は暗くなる前に登頂でき、2日目の瑞牆山も混雑する前に登ることができ満足。
今回登山口のみずがき山荘までのアクセスには山梨峡北交通が運行する茅ヶ岳みずがき田園バスを利用。
下山後の温泉には先述のバスが停車する日帰り温泉増冨の湯へ。
YAMAPの行動ログは以下。
晩秋の金峰山/瑞牆山 / クレさんの瑞牆山・金峰山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
秋の金峰山/ 瑞牆山の登山装備
今回は新しく購入したHMGの2400junctionを導入。そして購入してから出番のなかったsea to summitのALTOTR1も実践導入。
ベースウェイトは8793g。決して軽くは無いけれど、快適性を取るとこうなった。
今回から海外のサイトで見かけたLighterPackというものを利用。ベータ版だけれど便利。
晩秋の金峰山・瑞牆山を目指して
day1:時間を気にしつつ、金峰山を目指す。
テント泊登山はじつに3ヶ月ぶり。
色々とあった夜勤で心身共に疲弊、一眠りしてからも特有の気だるさが強く残り、ここから更に夜行バスの質の悪い睡眠を強いるなんて、自分はなんてドM野郎だと思った。
とはいえテント泊登山は夏の表銀座縦走ぶり。
自分にしては珍しく天気予報もよかったし、久々の登山の不安とワクワクを原動力に、身体に鞭打って韮崎行きの夜行バスに乗り込んだ。
結果寝れたものの、久々の乗り物酔いに苦しんだ。
つきましては韮崎。清々しい晴れ空で寒かったけれど、富士山から鳳凰三山、八ヶ岳まではっきり見えた。ここから瑞牆山の登山口、みずがき山荘までのバスを待つ。
その時間、2時間30分。
約映画1本分の時間を駅前の寒空のもと過ごすことに(正確には待合室がある)。
よそ者が使うにはなんとなく気が引ける狭さの待合室だった。
無論みずがき山荘までのバスは一番乗り。金曜といえど、さすが紅葉ハイシーズンの日本100名山、2時間程度立ち乗りを余儀なくされる方も。バスはいわゆるマイクロバスだったけれど、これから走る林道を考えると必要十分だった。
というわけで、久々の遠征登山の始まり始まり。
みずがき山荘前に到着して、10時過ぎから登山開始。みずがき山荘前の駐車場にはすでにかなりの数の車が駐車していて、これを期に初日に金峰山まで登ろうと決めた。
みずがき山荘から富士見平小屋までは単調な登り。明日登ることになる瑞牆山の圧倒的存在感に驚きつつ、富士見平小屋に到着したのは11時前のこと。広葉樹の紅葉はほぼ終盤だったようで、テント場一帯が落ち葉で覆われていて、よいクッションになっていた。
富士見平と銘打っているだけあってここからは富士山が拝めるようだった。ただ樹木に覆われていたり、裾野から上は雲で覆われていたりで、この山行中富士見平から富士山を見ようとすることは無かった。
ここで今シーズン発幕営となるシートゥサミットのテントを張り、富士見平小屋にて鹿肉うどんを食べ、小休憩を経て金峰山へ。
鹿肉うどん(1500円)がとても美味。
もっとお肉を増やしてもいいんやで。
金峰山へは大日小屋や大日岩、砂払ノ頭といったポイントを通過していく。
基本的に登り一辺倒で、垂直移動を忘れかけていた太腿が阿鼻叫喚。必要最低限の装備だけを背負っていたからペース的には早かったけれど、フル装備だったらきっと、富士見平への帰着は日没後になっていただろう。
砂払ノ頭を超えて五丈岩が見えてきたあたりで、登山系youtuberの先駆け(個人的に)イタガキさんを見かけた。けれど絶賛撮影中で、流石に話しかけるのは断念。このあと金峰山の山頂を踏んで追いつこうとダッシュで下山したものの面会は叶わず。
きっと撮影していたであろう、iphone13に写っていることを願うばかり。
閑話休題
金峰山までの稜線は日陰。数日前の降雪が残っていたり、溶けて凍っていたりで、持ってきていたチェーンスパイクが大活躍だった。
このあたりの登山道を歩いていて、なぜか西穂高へ至る登山道を思い出していた。どことなく似ている?
金峰山に登るまで五丈岩が金峰山の山頂だと思っていたけれど、実際は五丈岩を眺めるポイントが山頂らしい。
五丈岩、すごく大きいです・・。
この日はそれなりに風もあり、山頂からの景色も砂払ノ頭から対して変わっていなかったので、早急に下山を開始。
ちなみに見えるはずの富士山は雲の中。
星空や夕景/朝焼けを撮影するなら、直下にある金峰山小屋に宿泊するのがベストだろう。
富士見平への下山は16時。計画時では日没後の下山も覚悟していたから、ほっと一安心。
amazonprimeでダウンロードしておいたゆるキャン(実写版)を見て、22時頃に就寝。
day2:誰もいない瑞牆山で迎えた夜明け。
ご来光は山頂で迎えたいと思う性質。いつ味わっても良いもんです。
ただふと、
わざわざ暗い時間に、怖い思いをしてまでご来光を拝する必要性が果たしてあるのだろうか。
という思いに駆られる。そして今回も例のごとく。
とはいえせっかく山に来ているのだから・・。という強迫観念にも駆られ、とりあえず3時半頃に起床。富士見平から瑞牆山までは1時間30分程度。意を決して朝食にと持ってきていたカップヌードルを胃に流し込む。
塩加減と暖かさが身体に染み渡った。
きっとこの時、身体の60%はカップヌードルで構成されていたと思う。
富士見平から瑞牆山まで、まずは有名な桃太郎岩まで下ることになる。
桃にしては大きすぎるでしょう。
遠くに聞こえる天鳥川の源流のせせらぎは不気味に聞こえ、絶する大きさの桃太郎岩は、真夜中に見ると不気味でしかなかった。
瑞牆山までの道中誰にも会うことは無く、時折生じる鳥肌は、寒さではなくただの恐怖心からくるものだった。
桃太郎岩を超えて、少しすると登り一辺倒になる。ここから瑞牆山山頂まで、花崗岩でできた岩と岩の間を縫うようにしてできた登山道をひたすら登る。
夜はどれが正規ルートにあたるのか分かりづらい場面が多少なりともあって、数歩引き下がることもしばしば。
一番の危険箇所は、瑞牆山山頂手前の鎖場だった。つんつるてん。
そうこうして日の出直後くらいには瑞牆山山頂へ到着。
山頂からは昨日登った金峰山はもちろん、富士山、南アルプス(白峰三山、鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳など)や中央アルプス、御嶽山、八ヶ岳や浅間山などなどを一望。
下から見ていた大ヤスリ岩は・・。それにしか見えてこなかった。
寒い寒いとぼやきながらも、ログを確認すると1人で1時間程度山頂に滞在していた模様。
帰りのバスで混雑に巻き込まれるのは御免こうむる。
ということで足早に富士見平小屋まで下山を開始。
下山を開始して20分ほどでようやく第一登山者と遭遇。明るくなってきたことも相まって、登山時とは心の余裕が違う。
この登山者2名を皮切りに、続々と他の登山者も見えてくるように。土曜日かつ晴天ということで、富士見平小屋も多くの登山者で賑わっていた。
予定よりも1本早いバスに乗り込み、温泉でのんびりしよう。ということで富士見平小屋に到着してからは早めにテントを撤収し、小屋前のテーブルでコーヒーブレイク。
のんびりした結果、時間確認を忘れていて予定のバスに間に合わせるため、ダッシュで下山したことは良い思い出。ちなみに、この時期一番綺麗だった紅葉は増富温泉からみずがき山荘までの林道だった。
というわけで下山後は日帰り温泉増富の湯へ。
施設自体は相当な広さなのに、自分好みの温度の浴槽が一つしかなく、そしてそれが狭い。という、割と稀有な温泉施設だった。
帰りはほうとうを食べに甲府に。
ではなく、韮崎駅内にある駅そばで済ませた。
地元のおじい・おばあが交わす他愛もない会話を聞きながら、ここの駅そばも、いつか食べられなくなる時が来るのだろうか。
なんてことを思った。
晩秋の金峰山・瑞牆山登山の反省点やら。
山行全般
当日の気分や状況に応じて計画を変更することはよくあるのだけれど、今回は混雑を避ける点においてはうまくいったんだと思う。
久々のテント泊登山の割に、富士見平小屋までの登りも快調だったのは良いが、パックウェイトを測っていないので今後忘れなきよう。
次奥秩父に登るときは、これくらいの時期かシャクナゲが咲く初夏にしましょう。
ウェアリングについて
晩秋といえど山に登れば汗がでる。汗が出れば身体が冷える。というのが登山の常。
というわけで今回はfinetrackのドライレイヤーウォームにパタゴニアのキャプリーンサーマル、山と道のアルファ・アノラック(肥やしと化していた)を行動着とした。
無論汗は出るので濡れ感はあったけれど、ハイペースで登ろうが、山頂で停滞しようが汗冷えを感じることは非常に少なく、終始快適な登山だった。
その他懸念事項など
- クッカーのジェットボイル湯沸かしが早く重宝するが、やはり大きい。少し位料理にも凝って良いのでは。
- seatosummitのテントは広々で良い。が、半自立式の設営方法に未だ難あり。
- 冷え&疲労から来ていると思われる両ふくらはぎの疼痛。対策必須。
- カメラの設定見直そうね。全部JPEGでした・・。
- バッテリーの携行について要検討