今回は登山にはまりかけている妹と共に、北アルプスの女王として知られる燕岳に登山してきたお話です。
事の始まり。
以前の立山旅行が効果的だったのか、その旅行の最中に、せっかく登山装備を買ったのだから、どこか登山に行くなら連れて行けと依頼が。
これは思ってもみない展開だ。
しめしめと思い、北アルプスの中でも初心者向けで登りやすい、かつ山容の美しい燕岳に登ることを決めたのです。
どうせなら登山にのめり込んでしまえ。
登山というある種の底なし沼に足を踏み入れかけているのだから、どうせならこちら側へおいでませ。
というわけで、今回登る山を選定するにあたっていくつか考慮した点がいくつかあります。
登山口から山頂まで難所がなく、適度な休憩と楽しみがあること
登山前後のグルメと、下山後の温泉が揃っていること。
上記の3点を満たしているのは、自分が案内することができる山の中では燕岳だろうとなりました。
燕山荘のホスピタリティの高さは、昨年末に宿泊した際に身をもって体験していましたし、安心して連れて行くことができました。
何よりはじめての経験が辛いものだと、それきりになりかねません。今後も登山に行きたいと思ってくれるよう、配慮してみました。
今回のルートとコースタイム
今回は燕岳への登山口である中房温泉から。北アルプス3大急登である合戦尾根をたどる、燕山荘のど定番ルート。道中の合戦小屋でのスイカを燕山荘までの活力としました。30分程度で第1ベンチ・第2ベンチなど休憩箇所が設けられているのでペース配分も容易です。
山行記録
始まりはいつも、中房温泉から。
燕岳の登山口である中房温泉に到着したのは7時40分頃。ここから合戦尾根を経て燕山荘まではコースタイムで約6時間程度(休憩含む)です。以前の立山旅行で室堂から雄山まで登山をしているとはいえ、妹は運動習慣などないので第一ベンチまではかなりゆっくりと進みました。
文字通り中房温泉には日帰り温泉に加えて、宿泊もできる古き良き温泉宿があります。燕岳への登山の際には是非立ち寄ってみても良いかもしれません。
中房温泉は昨年末の年末以来の再訪。燕岳は何気に毎年お世話になっている、個人的には割と思い出深い山の一つになっています。
北アルプス三大急登、合戦尾根を往く。
合戦尾根は北アルプス3大急登とされていますが、30〜50分程度でベンチや小屋など休憩ポイントが設けられおりペース配分が容易いです。登ったのが日曜日ということもあり、下山してくる人の多いこと。
第一ベンチまでペースを落としていましたが、妹もそこまで体力が落ちているわけでもなさそうだったので第一ベンチでの休憩はパスして第二ベンチを目指すことに。個人的に第二ベンチまでの区間はお気に入りです。
合戦尾根を歩く楽しみの一つに、合戦小屋のスイカがあります。よく冷えたスイカに塩をかけて食べる・・。おそらく自分史上最もうまいスイカと言えるでしょう。このために登っていると言っても過言でありません。このスイカは松本市波田町下原のスイカらしく、日本有数のスイカ産地なのだとか。
無事に燕山荘に到着。
合戦小屋でスイカを補給した後、燕山荘に向けて出発。ここから燕山荘まで、今までのような樹林帯から植生が変化し木々の高さが低くなってきます。森林限界を迎え、ハイマツが顔を覗かせるようになってくると燕山荘までの道程もさほど長くないことがわかります。
この日の天気は曇り。常念山脈は朝早くからガスに巻かれることが多いイメージでしたが、今回もすでに稜線上はガスの中。かろうじて見える黒部源流域の山々も、雲に隠れていることのほうが多かったです。登り終えた先が晴れていなかったのは残念でしたが、雨に振られなかっただけ良しとしましょう。
燕山荘へは事前に予約をしていたので、燕岳に登る前にチェックインと休憩をば。案内されたのは新館でした。
しばしの休憩後、燕岳へ。
塩山粟生へ到着後すぐに燕岳へ登頂しても良かったのですがあいにくの曇り空。ガスが晴れるのを待つまでの間、しばし無事に燕山荘へ到着した事を祝して休憩タイムとなりました。
燕山荘はランチの軽食メニューも豊富。何なら山の上でケーキセットが販売されているなどまるで下界のような品揃え。今回はおでんや生ビールを注文しましたが、次回はぜひともケーキセットを楽しみたい。
燕山荘から燕岳までは往復で約1時間程度。道中は特段危険箇所もなく、登山道に咲くコマクサや白く輝く花崗岩、名物であるイルカ岩やメガネ岩など飽きることはありませんでした。妹はというと、とりあえずライチョウを探していました。そんな滅多に会えるものでもないのですが、やはり
お酒を飲んだことを激しく後悔(足がだるい)していると、やっとこさ到着しました燕岳山頂。燕岳は標高2867mです。
燕山荘での星空と夕食と。
大して焼けなかった日の入りタイムを後に、お楽しみの夕飯タイム。妹に喜々としてご飯と味噌汁が食べ放題であることを伝えましたが、そこはあまり魅力に感じなかったよう。笑
夕飯後は燕山荘オーナーのホルンとお話を聞くことができました。まさか聴くことができるとは思っていなかったので嬉しかったですねぇ。なぜかホルンの音色で夏のおわりを感じていました。
日の入りの時にガスっていたからと言って、星空を諦めてはいけない。前回の立山旅行でも星空を拝むことが叶わなかった我々。何の気なしに外に出てみると、満天の星空が広がっていました。
日の出は叶わず。中房温泉へ下山。
翌朝の天気もあいにくの曇り空。日の出以降はある程度青空が広がっていましたが、スッキリとしない天気でした。本当に2019年の夏山は天気に恵まれなかった・・。
我が妹にはぜひとも黄金に輝くモルゲンロートを目の当たりにしてほしいと思っていましたが、中々叶いそうにありません。とはいえ日の出前のブルーアワーに染まる燕岳も中々に綺麗でした。槍ヶ岳まで続く縦走路や黒部源流域の山々を眺めることはできたのでとりあえずは良かったかな?
お昼以降から天気が崩れる予報だったので、7時過ぎには下山を開始。道中日に染まる大天井岳へと別れを告げ2時間程度で中房温泉へ下山となりました。
最後に。妹は無事に登山の魅力を。
下山後は松本市街まで戻り、大きくてきれいなスーパー銭湯へ。
今回の燕岳と前回の立山。この2回の登山で、妹は帰宅後すぐに山に行きたくなったとのこと。ようやくこちら側の世界へ足を踏み入れたようです。
やったぜ。
最後まで読んでいただきありがとうございました!