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山行記録

黒戸尾根を経て南の貴公子、甲斐駒ヶ岳を目指してきた!

山行記録
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南アルプス。昨年の人生初上高地を経験し、南アルプスへの憧れは増す一方。サントリー白州工場を訪れた時に見えた甲斐駒ヶ岳は、今年の目標の1つとするのに難しくありませんでした。

どうせ初めての南アルプスに行くのであれば、歴史ある黒戸尾根から甲斐駒を目指そうと思ったしだい。

今回は歴史ある黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳、そして北沢峠までを縦走した記録になります。

甲斐駒ケ岳について

山梨県北杜市と、長野県伊那市にまたがる南アルプス(赤石山脈)の主峰の一つ。
標高は2967mで、標高的にみると全国で24番目と少々控えめ。
しかしその佇まいは見事の一言に尽き、日本100名山とされているばかりでなく100名山を定めた深田久弥は「甲斐駒ケ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう」と述べたそうです。べた褒めですね。

歴史や言い伝え

731年(天平3年)
聖徳太子が白い馬に乗って甲斐駒ヶ岳を往復したとされる甲斐の黒駒伝説がある。
1816年(文化13年)6月15日
弘幡行者の小尾権三郎が現在の横手駒ケ岳神社から黒戸尾根経由で開山したとされている。
1884年(明治17年)
植松嘉衛が修験者のための小屋掛け(木の皮で作られた簡素な山小屋)を五合目に造った。
1891年(明治24年)7月10日
山頂に一等三角点のためのやぐらが設置され、同月14日に、三角点の標石(重さ90 kg)が設置された。
1896年(明治29年)
木暮理太郎が登頂した。
1902年(明治35年)
ウォルター・ウェストンが黒戸尾根から登頂した。
1964年(昭和39年)6月1日
南アルプス国立公園に指定された。
1980年(昭和55年)
長谷村(現:伊那市)長谷戸台口から北沢峠間の約22 kmを結ぶ長谷村の村営南アルプス林道バスが開業し、多くの登山者が北沢峠から甲斐駒ヶ岳への登山道を利用するようになった。
1991年(平成3年)
白籏史朗らが五合目の五丈石に植松嘉衛のレリーフ及び礎石を設置した。
2002年(平成14年)
白州町(現:北杜市)が、黒戸尾根七合目の七丈小屋を整備し、水洗トイレ化した。
2003年(平成15年)
黒戸尾根の八合目の鳥居が倒壊。
2006年(平成18年)秋
伊那市が甲斐駒ヶ岳と鋸岳三ツ頭との鞍部付近にある六合目石室を改築した。
2007年(平成19年)
黒戸尾根の五合目小屋が解体され更地となった。

登山ルート

甲斐駒ヶ岳へ至るルートは大きく分けて2つ。黒戸尾根もしくは北沢峠から。

黒戸尾根ルート

山梨県北杜市、尾白川渓谷駐車場が登山口となっています。
江戸時代に山岳信仰によって開山された黒戸尾根は甲斐駒ケ岳の表登山道。標高差2200mのロングコースには高度感のある梯子や鎖場が連続して現れます。
特に5合目から頂上にかけては、クサリ場や岩場の連続。気の抜けない箇所の多いルートになっています。
頂上まで2時間30分までの箇所に七丈小屋があり、通年営業となっています。このルート唯一の水場です。

登山口から山頂まで、標準コースタイム(ヤマタイム)で9時間10分です。

 

北沢峠ルート

南アルプスの玄関口である北沢峠から、双児山もしくは仙水峠を経て甲斐駒ヶ岳へ至るルート。

黒戸尾根と比較すると短時間にかつ安全に登れることや、北沢峠を起点に「南アルプスの女王」と称される仙丈ケ岳にも登頂できることもあり、こちらの方が人気があります。道中こもれび山荘や長衛小屋、要予約ですが仙水小屋もあります。

登山口から山頂まで双子山経由で標準コースタイムで4時間です。

登山口へのアクセス

黒戸尾根ルートの場合

尾白川渓谷駐車場が登山口となっており、バス路線がありません。マイカーもしくはタクシーの利用に限られます。

マイカー…中央道長坂ICから県道606号、614号を経て尾白渓谷駐車場まで約13km。
タクシー…JR中央本線小淵沢駅もしく長坂駅から所要時間およそ20分。約3000円程度です。

 

北沢峠ルートの場合

南アルプス林道はマイカーでの乗り入れは禁止されています。

北沢峠までのアクセスは大きく分けて2通りあり、山梨側もしくは長野側からバスを乗り継ぐ必要があります。比較的楽かつ早い時間に到着できるのは長野県側からです。

 

小屋情報リンク

七丈小屋

長衛小屋

 

こもれび山荘

 

 

山行レポート

今回は夜勤明けで強行ということで、家に帰るやいなや早々に出発。
まずはいつも通り?(笑)に大阪から名古屋を経て、特急しなのへ乗車。相変わらず特急しなのは揺れます。夜勤明けは酔いやすくなるので怖いものです。

塩尻から電車を乗り継ぎ、着きましては小淵沢。時刻は既に22時30分頃。閑散としたホームを後に、駅を出ます。
小淵沢駅にはタクシーが3台ほど駐在していたので、それに乗り尾白川渓谷駐車場へ。確実にタクシーに乗るのであれば、やはり事前に電話することをお勧めします。

サントリーの白州工場に行った時、タクシーの運転手さんから聞いた甲斐駒ヶ岳への道。黒戸尾根をまさかこんなにも早く登ろうとは・・。我ながら単純だなぁと思います。(笑)

そんなこんなで尾白川渓谷駐車場へは23時ごろに到着。既にテントを張っている方が1名。車も2台ほどあり、僕と同じ前夜泊組だろうかとちょっとした安心感を抱きながら、早々にテントを張り、就寝。

時折幕をたたく雨音にいらだちを覚えながら、寝たかどうか分からない中目覚めたのは3時ごろ。撤収を済ませ、4時ごろの出発になりました。

おじ様、僕は今黒戸尾根を登ろうとしています。

day1:駒ケ岳神社から七丈小屋まで。

駐車場から駒ケ岳神社までは徒歩5分程度。社の左手奥の尾白川にかかるつり橋を渡り、分岐路を甲斐駒登山口方面へ。まずは笹の平を目指します。
冒頭から十二曲がりの急坂を登っていくと、更に渓谷周遊路との分岐があります。ここを超えると多少緩やかになりますが、容赦なく元の急坂に戻ります。

夜勤明けでしっかり寝ていなかったことか、久々のテント泊装備を背負った事のどちらかもしくは両方が原因と思いますが、この日はいやにふらつく。瞼が重いし、異様に息が上がる。気候もあるのでしょうが、異様な汗の量に「撤退」の2文字が脳裏をよぎります。

 

日本3大急登だからかな?とも考えましたが、未だこのきつさも前フリのような気がしていたので写真の祠の前あたりで30分ほどの仮眠をとりました。

仮眠後は少々楽になったので、撤退はせず前進。日の出は出発直後だったようで、徐々に道が明るくなり、新緑が眼に嬉しかったです。とはいえそんな嬉しさも薄れるほど、気が遠くなる樹林帯をひたすら登ります。

笹の平まで道でも、坂というかほぼ壁といった方がお似合いな傾斜があったりと、黒戸尾根を垣間見ることができます。(笑)

道中ヘッドランプを落としたことに気が付き、30分程度道を引き返す事になりましたが、どうにか心を持ち直しやっとこさ笹の平。(最終、帰ってからイヤホンすら失ったことに気づく)

ということで、山頂までは7時間との表記。標識ですら容赦なく心を折りにきてます。
この時点で、今日は山頂へ上がらずに七丈小屋までにしようと誓います。なんせ体調が芳しくないし、引き返したりのアクシデント。更に先は長い。

笹の平からは、更にながーいながーいながーい。本当にながーい樹林帯が続きます。
眺望の無い樹林帯が苦手な人が多い印象ですが、自分は楽しめる性質だったので幸いしました。陽の光や鳥の鳴き声を楽しみながら、息を切らしつつ歩みを進めます。

 

神々しい

2時間程度の樹林帯歩きもそろそろ飽きたなぁと思っているうちに、危険個所とされている刃渡りへ。
正味強風かつ大雨とかでなければ、よほどのことがなければ滑落することはないような気がしました。クサリも設置されています。

刃渡り

刃渡りを超えた先には刀利天狗があります。これを背負ってきたんでしょうか?(笑)甲斐駒への道が、修験道等信仰の場だったことが分かりますね。これまで無事であったことの感謝と、これからも無事であることをお祈りして先へ。

ここから先、黒戸尾根のクサリ場や梯子のぼりが連続しますので気を引き締めて。

 

幸か不幸かガスっていた分高度感はパッとしませんでしたが、こういう時に無駄に働くのが想像力・・。やはり怖いものは怖い。(笑)
落ちたら怪我じゃすまんなぁと、半笑いでした。えぇドMでしょう。
忌々しい想像力と戦いながら登り終えたと思ったとたん、次は下りが始まります。

それはそれは、今まで登った分は下ったんじゃないか・・。と思うほど。
無情にも心を折りに来る黒戸尾根。そのドS感が孤独な心に沁みます。

この日の黒戸尾根ですが梅雨時ということもあるのでしょう。一日目にあった人間は行きしなにあった男性と、小屋番の女性のみでした。

むしろ鹿やらリスに遭遇した数の方が多いと思う。

5合目小屋跡

 

‥‥。

 

下りましては5合目小屋跡。見上げた先には更にお山。そびえたつよねー。

心がぁ。心がもたないんじゃぁ。

というかどうせガスってるならこの山も隠してよ。(笑)

なんで毒づきながらも、この先に待つであろう七丈小屋に思いを馳せます。
ここから先も梯子あり岩場あり、クサリありの気の抜けないゾーン。
何なら個人的七丈小屋までの最難関があります。

 

足の置き場・・

 

樹脂製の梯子

 

ここを乗り越えると、尾根歩きとなります。
丁度イワカガミが満開で、今まで見たことのない群生具合に感動を覚えました!

 

こんにちは

 

一面に咲き誇るイワカガミ

 

そんなこんなで、無事に七丈小屋へ到着。小屋番の女性に会えたことに安堵感を抱きました。(笑)

今日の目的地

 

のんびりテント泊。

到着は11時過ぎ。テント場に着くにしては、少々早かったでしょうか。
頂上を目指しても良かったのでしょうが、お足様はこれを頑なに拒否されました。(笑)

テント場までは、七丈小屋から更に10分程度歩いた先にあり、道中は岩場やら梯子が健在。

しばし独り

 

テントも張り終え昼食やら明日の行動を組みなおしていると、流石にやることもなくなり唯々ぼーっと、向こう側に見える鳳凰3山が雲に隠れたり、姿を見せたりしているのをボーっと眺めていました。

南アルプスって北アルプスに比べると山々が雄大な気がします。気のせい?(笑)

そして夜。眼下に広がる夜景と、星空を独り占めしました。

 

 

day2:甲斐駒、そして北沢峠へ。

少々寝坊気味にテント場を出発し、ご来光を臨んだのは8合目付近。
1日目とは違い、快晴無風というコンディション。

昨日感じていた身体の不調もどこへやら、足取りは軽く山頂を目指します。

これは後日談だけれど、カメラのISO設定を星を取った時から戻し忘れていて2日目の写真、画質粗目になっています。辛い・・。

黒戸尾根の核心部は七丈小屋までとしているサイトが多いけれど、正味七丈小屋から上の方が危ないと思います。(笑)
ガレ場だったり岩場が続きます。帰りにこの道は使いたくないなぁ。

クサリ場。優しい方。

 

今は何をされているのでしょう

 

山頂まであと一息といったあたりで、お山のアイドルに遭遇。天気と相まって、もう言うことなしの登山だぁ。
この時期ライチョウは縄張り争いなのでしょうか?岩場から辺りを観察しているように見えました。

 

時間にはかなり余裕があったので、彼と共に20分ほど黄昏タイム。
それにしても動かないライチョウに別れを告げ、ついに山頂へ。

 

仙丈ケ岳

 

富士山と鳳凰三山

 

北岳と間ノ岳

いやー絶景でした。予定を忘れ1時間近く山頂からの景色を堪能。
やはり登山は良いものです。

甲斐駒ヶ岳から北沢峠までのルートは、双子山もしくは仙水峠を経る2つがあります。
今回は北沢峠周囲の小屋を見て回ろうと決めていたので、仙水峠をチョイス。
まずは分岐である駒津峰を目指します。

当分は砂地を歩きます

 

ミヤマキンバイ

 

ガレ場やクサリ場よりも、踏ん張りの効かない砂地が怖い。

北アルプス

駒津峰

 

コースタイムは1時間。下山は毎回あっという間に過ぎていきます。
駒津峰以降はガレ場・ザレ場、樹林帯と変化していきます。

仙水峠は栗沢山との分岐となっていて、今後は仙丈ケ岳とセットで登ろうと思っております。

栗沢山

摩利支天]

 

仙水峠は驚くようなガレ場。なんでこんなにガレているのでしょうか(笑)
気持ちのよりよい樹林帯を歩き、仙水小屋長衛小屋とめぐります。各小屋の所要時間は20分程度。

どの小屋も小屋明け直後ということもあり、中は荷物だらけ。最低限のものしか売っていませんでした。むしろ訪れてすいませんと言った感じ。

樹林帯を抜ける

 

長衛小屋

 

登山あるある。帰りたくない病に悩みながらも、とうとうつきました北沢峠。
こもれび山荘も先述の小屋と変わらず。慌ただしく準備に追われていました。

そんな中でも暖かく迎え入れてくださったのがとても嬉しかった。というか久々に人との会話だったのでほっと安心。(笑)

ここからは南アルプス林道を超えて、歌宿まで1時間30分程度の徒歩です。
天気に恵まれながら、鋸岳を仰ぎつつ今回の僕の山行はお開きとなりました。

次回はバスで・・。(笑)

最後に

南アルプスデビューは最高のものとなりました!
まぁ黒戸尾根は当分控えたいですが・・・(笑)

今度は北沢峠を起点に、のんびり仙丈ケ岳と栗沢山を攻略したいと思っています。
本格的な夏山シーズンの到来に胸がときめきますね!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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