【北アルプス】燕岳から大天井岳を目指して【後編】

この記事は約8分で読めます。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

前回まで

前回は中房温泉から燕山荘、燕岳を目指しました。

【北アルプス】燕岳から大天井岳を目指して【前編】
はじめに 7月中旬。海の日を交えた3連休。世間とはやや休みの形態が違う僕にしても、幸か不幸か何故か2連休を頂くことができました。 さてどこへ行こう。 梅雨明けしていないとは言え、きっとどこの山も混んでいるのは明快。 この際、混雑を気にせずに行きたい山へ行ってみようと思い、このブログを始める前に人生初...

今回は大パノラマを右手に、燕岳から大天井岳を目指し、翌日中房温泉へ戻る記事になります。

にしても発表されましたね。梅雨明け。本格的な夏山シーズンの到来です。降雨量は例年よりも少なく、割と残雪がみられる場所が多いそうな。登山準備の際は装備の不足がないようにしましょー。では山行の続きです。

 燕山荘から大下りノ頭

縦走路として名高い、表銀座縦走コース

大天井岳まで延々と続いていくこの道を見ていると、果たして本当に到着するのかどうか不安げな気持ちにもなりましたが、気持ちを鼓舞し満を持して足を踏み入れます。

燕山荘からちょっと歩いたところでは、高山植物の女王、コマクサが綺麗に咲き誇っていました。燕岳へ向かう道中よりはこちらの方が見事でした。

歩き始めて、少し、あまりにも途方のない距離を歩くことを再認識していました。燕岳では感じなかった。足の疲れをごまかしつつ、ひとまずは区切りとして大下りノ頭を目指します。先ほどまで見えていた大天井岳は姿を隠してしまいました。しばしお預けでしょうか。右手には槍ヶ岳をはじめ、北アルプスの山々が延々と見られます。

このあたりでは蛙岩(げえろいわ)などの奇岩がみられ、自然の壮大さを感じることができます。

幸い、風は強くなく火照った体に丁度いい感じでした。登山道自体は大下りノ頭までは特段恐怖を感じることなく展望や花を楽しみながら、スムーズに登ることができました。

大下りノ頭はぐっと標高を下げますが、その分登り返しが待っています。今回はそこで大方の体力を持っていかれたような気がしました。念のためにストックを持ってきた自分に感謝。標高はともかく、身の安全を守るためにも日頃からトレーニングをするべきなんでしょうね・・。道行く他のソロ登山の方に聞くと、割と日頃から近所の山に登っている方が多かったように思います。
因みに今回あったソロ登山者の割合は、男性7:女性3といったところでした。山で他のソロ登山者を見ると、勝手に変な仲間意識をもってしまう今日この頃・・。(笑)

そんな与太話を一人考えていると、無事に大下りノ頭へ到着しました。
この日は救助隊のパトロールの方に遭遇しました。この広い山の中、こういった方々がいると思うと安心感を持って登山ができます。

大下りノ頭から大天井岳へ

丁度大天井岳と燕岳の中間地点にある大下りノ頭。ガッと下った後は、だらだらぁと登り続けます。時折稜線の逆側を進むことがあるのですが、割と高度感のある場所が多々ありますので滑落には十分ご注意ください。生きていればまた登れます。

よく山に登るきっかけ的なものを職場の人に問われますが、自分でも登山にのめり込むきっかけはよく分かりません。

最初は友人に誘われての弾丸富士登山でしたし。天気も悪く、予想以上のつらさに、今でも富士山へは登ろうと思えません。

しかしそれ以降登山を続けるようになったのはなんでだったか・・はっきりとは思い出せません。また振り返ってみるようにしましょう。

閑話休題

大下りノ頭から大天井岳の手前。切通岩までは大体2時間程度。切通岩は今回の山行で唯一強い恐怖を感じた場所。所謂クサリ場でした。

道は細いし、両側面とも崖っぷち。足が自ずとすくみます。

過度の恐怖は身体の動きを鈍らせるんだぞ。とビビる自分を抑えながら、確実に下りていきました。帰りのことを考えると、更に気が重くなっていきました。というかこのあたりから若干の拍動性の頭痛があり、恐らく高山病だったのでしょう。寝る時まで頭痛はずっとついてまわりました。

切通岩を終えると、小林喜作のレリーフがあります。小林喜作がどのような人なのかは分かりませんでしたが、調べてみると表銀座・裏銀座を整備した第一人者だそうで、殺生小屋をオープンさせた方なのだとか。思っていたよりも遥かに偉大な方ですね・・。何かを成すことができるのは羨ましいです。

難所を超え、ほっと一息つきます。あともう少しで今日の宿泊予定地、大天荘です・・。

ここからはガレ場が続くと同時に、喜んでいいのか分からない大天荘までの距離カウントが始まります。これがとても長く感じました(笑)

あと少しと思う反面、まだそんなに距離があるのかという辛さ。既に体力は底を尽きかけていました。そして歩くこと40分。

無事に大天荘に到着しました!小屋周辺は既にテント泊の準備をする方や、雑談に興じている方が多くいらっしゃいました。

燕山荘まで一緒に登ってくださった方も無事に到着していたようで、勝手に安心感を抱いてました。(笑)
まずは小屋泊の手続きを済ませます。今回は夕食付1泊で9100円でした。夕食はハンバーグかサバを選択できます。また、連泊する場合は裏メニュー的にかつ丼などもあるようです・・。

この日は3連休初日ということもあり、山小屋泊をする方は多いようで前回の唐松岳で味わった、1畳に2人になるようでした。ある程度予想はしていたものの、やはり現実を突きつけられるとやや凹みます。(笑)

少し身体を休め、ザックを置いたのち大天井岳山頂を目指します。山頂までは特にきつい個所はありませんでした。

というわけで無事に到着できた大天井岳・・。富士山以降最も長い山行になっただけあり、達成感もひとしお。今までの道中での辛さなどは吹っ飛びます。きっとこの達成感が好きで、登山をしているんだと思いました。

大天荘周辺

一旦山頂から戻り、1時間ほど仮眠をとりました。どうせ夜はろくに寝れないと思ったもので・・(笑)
山小屋内部の写真を撮るのをすっかり忘れていましたが、とても綺麗でした。流石燕山荘グループですね(謎の上から目線)

終始雲が掛かっている天気でしたが、ここでようやく青空が顔を出してくれました。

テントが色鮮やかで綺麗でしたね・・。山小屋泊は未だ3回しか経験していませんが、山行の度にテント泊へのあこがれは強くなっていくばかりです。そろそろ考えてみましょうかね・・。

こちらは東天井岳から常念方面。いずれこちらも歩きたい。
小屋付近を楽しんでいるうちに、17時なり夕食時となりました。夕食はこちら。

ご飯・味噌汁がお代わり自由という文言は毎回嬉しいです(笑)

ご飯が終わり、時間は丁度日の入り時。急いで山頂を目指しました。

槍ヶ岳方面。綺麗すぎて、やはりため息がでました。

歩いてきた燕岳方面。この道を歩いてきたという達成感がものすごい。延々と景色を眺めていました。山頂での静かな一時は本当に素敵です。
この後は徐々に雲が増え始め、日の入りを見ることはできませんでした。夜の訪れを感じ、大天荘の談話室にて、文字通り他の方々と談話をしました。燕山荘までご一緒した名古屋の方、東京から来られた女性の方。共に貴重な話を聞くことができ嬉しかったです。見も知らぬ人が偶然そこに集うというのは、どこか不思議なものです。

夜明け。そして帰路へ。

消灯は21時。まぁ例のごとく寝れるはずもなく、うつらうつらと出発までの時間を過ごします。寝ていないと、夜は長いですね。星も観に行きましたが、どうやらこの日は雲の中らしく月の煌々と輝いているだけでした。
前日の天気予報では6時ごろから雨天・雷雨の予報だったので、予定を2時間ほど繰り越し、4時には小屋を出発しました。夜明けは未だ遠く、空はうっすらと青さを取り戻していました。

昨日までの疲れはどこへやら。若さに感謝しつつ、ヘッドライドに照らされた登山道を戻ります。昨日の恐怖心も慣れたせいか、切通岩も難なく通ることができました。

一つ恐怖体験というか見間違いで鳥肌ものだったことが、切通岩の向いに1本の木がありました。その木が風でなびき、今にも投身自殺をしそうな人間に見えてしまった事です。本気で震えました。怖かったです…。

気を取り直し、道を進みますが、東の雲は厚く日の出を拝むことはできなさそうだったのでそそくさと元来た道を戻ります。

歩くこと約2時間。ようやく燕山荘が近づいてきました。帰ってきた安堵感と、山行が終わってしまう寂しさとが半々で押し寄せてきていました。

燕山荘から中房温泉。

無事燕山荘へ到着。この日も燕山荘は多くの人でにぎわっていました。今から大天井岳やさらにその先を目指す方々がいると思うと羨ましくてたまりません。そんな思いをケーキセットで打ち消します。山頂でこのレベルのケーキを食べれるとは・・恐るべしでした。

30分ほど休憩し、山男の像にもお別れを告げます。必ずまた来ます。

下山はきっかり3時間。登ってくる人が予想以上に多く、余計に時間がかかってしまいました。しかしこの日はガスがなく、展望が良かったためモチベーションが下がることはありませんでした。

道中、先行く方々が何やら騒がしい。話を聞くと昨日は見かけなかった銀竜草があるとのこと。初めて聞く名前にどんなものか見ると、不思議な花?キノコのようなものが生えていました。昨日は気づかなかった・・。別名は「幽霊草」というようです。確かにどこか不気味というか儚げです。

予定通りに無事中房温泉へ到着。とうとう下山してしまいました。丁度下山した時に雨が降り出していたので、ぎりぎり間に合ったようです。去年初めて来たときにゆっくり入り損ねた温泉で2日間の疲れを癒します。

温泉を楽しんだのち、バスまでかなり時間があったので、数名の方々と結託しタクシーに乗るという人生初の経験をさせて頂きました。最後まで素敵な出会いがあり、今回の山行は本当に良いものになりました。またどこかで会えるといいなあ。

そして穂高駅に到着後、帰阪の途に着くのでした。

まとめ

というわけで2日間におよぶ燕岳~大天井岳までの山行は無事に終了しました。今回の山行で得たことは、自分の体力不足の事実と、素敵な出会いです。あとは人生初表銀座縦走(途中までですが・・。)の経験でしょうか。
梅雨も明け、本格的な夏山シーズンの到来となった今。今年はいくつ山に行けるか楽しみに今後の山行計画を練りたいと思います。また多くの出会いがありますように。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

スポンサーリンク
スポンサーリンク
山行記録
kureをフォローする
タイトルとURLをコピーしました