燃えろ燃えろ、終わりいく命に怒り狂うやうに。
今回は西日本最高峰の山。日本百名山の一つに数えられる石鎚山に登ってきました。
ロープウェイを利用したお手軽登山でしたが、風光明媚な紅葉を楽しみ、山岳信仰が今もなお色濃く残る石鎚山を満喫することができました。
西日本最高峰!石鎚山は歴史ある山
石鎚山は写真でよく目にする鋭鋒天狗岳(標高1892m)、石鎚神社頂上山荘があるのは弥山(標高1974m)、そして南尖峰(標高1982m)の総称。今なお山岳信仰の聖地として山伏が登拝する姿を見られる霊山としても歴史のある山です。
日本の霊山と言えば、富士山、立山、白山などが筆頭に挙がりますが、実際に山伏の方を目にしたのは今回の石鎚山が初めて。
ここ2年登っていた甲斐駒ケ岳でも修験道を垣間見ることができたけれど、石鎚山のように色濃く山岳信仰を感じる山は今までありませんでした。
山で目にするハイカーだけでなく地元民、そして山伏の方々。アルプスでは目にすることのない多様な登山者が新鮮でした。
石鎚山へのアクセスと登山の諸費用
石鎚山までのアクセスについて分かりやすいのは西条市のリンク。
自分は大阪から毎日運行便があるいしづちライナーの夜行便で伊予西条駅に6時着。2時間弱時間を駅前で潰し、7時50分ごろの石鎚山ロープウェイまでのバスを利用しました。
伊予西条駅の近くにはローソンが一件、駅中にはセブンイレブンがあります。バス停は屋外ですが、木の暖かみが感じられ時間を潰すにはそこまで苦ではないかと。
石鎚山登山の諸費用
大阪-伊予西条駅間高速バス(いしづちライナー)
5000円×2=10000円
伊予西条駅-石鎚山ロープウェイ間バス(せとうちバス)
1020×2=2040円
石鎚山ロープウェイ往復(石鎚山ロープウェイ)
2000円
石鎚神社頂上山荘朝夕食込み(石鎚神社頂上山荘)
9000円
登山バッジ
500円
食費やら諸々
2642円
下山後の温泉(武丈の湯)
550円
合計24732円
まさに錦秋。紅葉に染まる石鎚山への記録
YAMAPのログはこちら。弥山から天狗岳へはログを忘れていたのでとびとびになっております…。
ロープウェイから先、成就社にたどり着いた時から感じ取れる、石槌山への信仰と歴史の雰囲気がとても良いです。
- 9時6分ロープウェイ駅発廃れた観光地的な雰囲気に哀愁を感じざるを得ない
- 10時16分前社ケ森試しの鎖を一ノ鎖と勘違いしないよう注意
- 10時39分夜明峠石槌山の展望が開ける。岩壁と紅葉でハイテンション
- 11時2分ニノ鎖元小屋石槌山までの最終トイレ箇所。直前にテント場が2つ。積雪期には休憩所で宿泊できそう
- 11時44分石鎚山頂上外界よりも密に思えた。石鎚神社頂上山荘にて1泊
石鎚山ロープウェイから成就社、遥拝の鳥居へ。
写真で見てきた通り、廃れてしまった感がすごい石鎚山ロープウェイ前。ふた昔前のスキーリゾートのような感じです。
ロープウェイを降り成就社までは緩やかな林道歩き。前日に雨が降ったのか、落葉が滑って何気に気を使いました。岩場よりも木道で滑って盛大にコケる傾向のある登山人生です。気が抜けている証拠。
成就社は石鎚神社の中宮があり、民宿がチラホラ。ロープウェイ始発前に登り始めている登山者はどうやらここで一泊しているようです。地元であろう高校の名前が軒を連ねる一画がありましたが、白装束の山伏達がこのあたりを埋め尽くす日でもあるのでしょうか?
立派な山門を潜り抜け、成就社からは八丁を通り遥拝の鳥居へ。ここまでの登山道は緩やかな下りが続きますけれど、左手にある標高図を見ると、ここから先は夜明峠を除いて登り一辺倒になることが分かります。
夜明峠で石鎚山の紅葉の素晴らしさを垣間見る。
難所を前に、夜明けを待ったことからその名がついた夜明け峠。たしかにこの峠から見上げる石鎚山はもうね、そそり立ってました。そして山肌は赤から黄色、緑に茶色と色とりどり。石鎚山の紅葉といえば天狗岳のそれしか知らなかったもんですから、いい意味で面食らいました。
めっちゃ綺麗やん!
テンションを上げつつたどり着いた、石鎚山名物の鎖場。一ノ鎖(33m).二ノ鎖(65m).そして三ノ鎖(68m)
アルプスの鎖場とはまた一味違う、修験道の行場としての鎖の構造とその難易度に慄きます。
石鎚山名物の鎖場に慄きながら、石鎚神社奥宮へ到着。
どの鎖場も、最初こそ鎖に頼らず岩を掴んで登ることができるけれど限りなく垂直。いやもう垂直通り越してるやろ、これ。
みたいな岩場に変貌するので鎖に頼らざるを得なくなります。鎖はおそらくお登りさん、お下りさん用の2本なのでしょうが…
お下りさんが来なくてよかったと思います(迫真)
ここを下山時に使う人っているんでしょうか。
個人的に1番デンジャラスだったのはニノ鎖です。岩場の足掛かりのなさと鎖の絶妙に使いにくい感じがもう…。
二ノ鎖の前には休憩所とトイレがあるのでここで暫く休むのが吉でしょう。1番高度感があるのは三ノ鎖。鎖がはしごの要領で使えるので登りやすかったです。
怖くないとは言ってない。
さてさて何事もなく全ての鎖場を制覇。
三ノ鎖を終えればすぐそこに石鎚神社奥宮、そして人で賑わう広場。紅葉を楽しみに多くの人が登ってきたようです。
山荘前の広場からは天狗岳はもちろん、二の森や瓶ヶ森などの山々を一望。標高は2000mに満たない山ですが、山肌は笹に覆われてるのでしょうか。きっと四国ならではの風景でしょう。
縦走をしたい、縦走を。
久々の晴天の登山。そらー贅沢な時間を満喫しました。
敢えて山頂で1泊する者の悦び
西日本最高峰の石鎚山。最高峰といえど標高は1900m未満であり、今回の石鎚山ロープウェイを使った成就社のルートや、土小屋からのルートからだと日帰り登山が可能です。
しかし自分はここで一泊。石鎚神社頂上山荘に宿泊することで、アーベントロートやモルゲンロートを楽しみたいという気持ちで満ち満ちていました。まさに胸いっぱい。
石鎚神社頂上山荘の定員は本来であれば50名。ただ2020年は新型コロナウイルスの影響があり、宿泊者数を間引いての営業で、定員は15名ほどだったそうです。
この小屋で感動したことといえば、小屋がちゃんと温かいんです・・。そしてカレーの具材がちゃんとごろっと、それもたくさん入っていたことでしょうか・・。そこらの山小屋では中々味わえない夕拝・朝拝ができます。とにかく一度泊まってみてください。
トイレも綺麗、神様もにっこりです。
そしてモルゲンロート・アーベントロートがどうなったかは写真で察してください。
足早の下山。見返り遥拝殿から望む石鎚山は一見の価値あり。
石鎚山からの下山は足早でした。公共交通機関を使う者の定めです。下山時は鎖場は一切使うことなく、巻道を利用。鉄階段も久々だと危なっかしく感じられました。
初めて四国の山に登りましたが、予想外に登りやすい山であったことや展望が良い点などもあり個人的に今最も縦走してみたい、魅力的な山域です。山なのに「モリ」と名がついているのがまた高尚な雰囲気を醸していますね。信仰の対象とされているからこその「モリ」なのでしょうか・・。
山自体が経典であり、麓から奥宮へ至る道こそが参道であり山道、そして産道であり、山を歩き修行することで新たな自分へと生まれ変わる。という山岳信仰的な考えが自分は好きです。
ただ登山も良いですが、昔からの信仰が根付いている山は特に登っている時の高揚感が違います。
いつか必ず縦走をしてみたいと思う、素敵な山域でした。同じ愛媛県内の道後温泉を下山後の癒やしに据えた縦走プランを練ってみたいと思います。笑
ではまた。