初めに
2017年のGWは偶然にも連休があったので、残雪期の唐松岳へ行ってきました。
そして2018年の今年。何の巡りあわせか分かりませんが、またもや2連休が。
シフト制なので、世間の連休に合う休みは正直なところあまり素直に喜べないところもありますが、折角のお休み。
というわけで、今年は上高地から徳澤を経て、蝶ヶ岳へULスタイルでソロ登山してきました。
蝶ヶ岳について
山稜は秩父古生層で構成され、山頂は粘板岩などの砕石で埋まり、北端に岩塊の重なる蝶槍がある。頂上の南には二重山稜があり、蝶ノ池、カモシカの池、長塀(ながかべ)尾根の妖精ノ池など、舟窪地形が多い。
お花畑とともに登山者にとっての魅力は、蝶ヶ岳から蝶ヶ岳ヒュッテにかけての稜線から見る穂高連峰と槍ヶ岳の大展望である。梓川渓谷を隔てて連なる岩峰群は、カール、U字谷などの氷河地形の観察にもいい。(出典:ヤマケイオンライン)
主な登山ルートとしては大きく2つ、
上高地から徳澤、長塀尾根を辿るコース(今回の記事はこのルート)。
東側の三股登山口からの蝶ヶ岳新道(こちらが最短ルート)
となるようです。
今回のコースタイム(休憩含む)
ご参考までに
- 5:25河童橋
- 6:49徳沢園
- 8:34蝶ヶ岳・徳沢園中間道標
- 9:54妖精ノ池
- 10:16蝶ヶ岳山頂
- 翌7:18蝶ヶ岳ヒュッテテント場
- 9:40徳沢園あとは上高地までの散歩
今回の登山装備
今回は、満を持した山と道miniのオーバーナイトでの運用も兼ねた登山でした!
夏山が終わる時期から軽量化に目覚めたところだったので、これでやっと色々と試すことができる・・。(笑)
山行記録
今季初!上高地から徳澤、蝶ヶ岳へ
例年になく暖かかった2018年の春。このおかげというか、やはり山では例年に比べると圧倒的に雪が少なかったようです。
今年の夏山シーズンも始まりつつあるとワクワクする反面、残雪期を楽しめる時期が少なくなったと思うとどこか寂しい気もしますね。
今年はどこへ登ろうかな・・。
なんてことをさわやか信州号の中寝ぼけ眼で考えていると、到着しました上高地。
毎度毎度とても良い天気で嬉しい限り。今年もお世話になります。
まずは徳澤までの2時間程度のトレッキング!
下界では感じることのない肌寒さを感じながら、フキノトウや、新芽に春の訪れを眼で感じます。
去年何度もお世話になったこのルートも、約1年ぶりとなるとどこか新鮮味を覚えます。
そうこうしていると徳澤園へ到着。
テント泊を楽しむ方がたくさん。いずれここで星空とお酒を楽しみながら、テント泊がしたい。
トイレを済ませ、まずはコースタイム4時間20分と言う長丁場。長塀尾根へ!
道中ずーーーっと樹林帯が、これでもかと続きます。
尾根歩きが好きな人には苦痛で仕方ないコース。
予想していたよりも雪が少ないことに喜々としながら、登り始めて30分程度したところで、ようやく雪がチラホラとみられるように。
チェーンスパイクを装着しようか少し考えましたが、所謂腐れ雪だったのでポールの支持のみで登ることに。
結局登りは全てこのスタイルで支障なかったです。
当分は傾斜のある登坂となっていますが、途中から尾根を歩くため幾分傾斜が緩くなる箇所があります。
ピンクテープとトレースを頼りに登っていきますが、時折ルートが分かりづらくなるので道迷いにはご注意ください。
登山の頻度が去年よりも多いせいか、荷物の軽量化が影響しているのか分かりませんが、山頂まで大した疲れやペースの乱れもなく登ることができていたように感じます。
これが!軽量化か!
なんて一人でテンション上げながら標高を上げていました。
今年は南アルプスへ登ってー・・なんてことを考えていたら着きましたよ中間点。
残り半分かぁ・・。と少々辛さを覚えました。(笑)
延々と続いた樹林帯の登りでしたが、このあたりから時折展望がきくようになってきます。登山道こそアップダウンが増えますが、ここから先はあっという間でした。
そして謎の外人さんがとてつもないスピードで登っていくのを目の当たりにして、あれが本場なのかなぁと思いつつ負けじと気を引き締めたのです。
ところで長塀山の山頂があるはずなのですが結局分からずじまい・・。山頂的な目印は無いのでしょうか?(笑)
真実は樹林帯の中・・。
腐れ雪を時折トラバースしながら着いたのは妖精ノ池。もう少し水量が欲しいところでしたが、いかにも妖精サイズといった感じでした。
そして一気に開ける展望・・・。
山頂で至福の一時
道中最後の方にずっと一緒だった方と喜びの写真撮りあいタイムを過ごしたのち、まずは山頂へ!
標高2677m、蝶ヶ岳登頂!
この外人さん、聞いてみると日帰りで登っていたようです。それにしても早すぎじゃろ。
振り返ると穂高、槍のこの大展望・・。この日は無風かつ快晴というベストコンディションということで、いつまでも山頂で過ごしたかったのですがテントの設営を済ませにまずは小屋で受付へ。
テントを張り終え、早速蝶槍を目指すことに。
稜線でのテント泊ということで、やはりシェルターでの設営は僕ともう一方だけでした。というかニーモのテントが人気なのかこの日は4割ほどニーモだったように感じました。(笑)
というわけで蝶槍へ到着。
常念岳や大天井岳、東鎌尾根の展望が素晴らしい!
この先は流石にピッケルとアイゼンがあった方が良いと思っていたのですが、積雪量を見るとどうやら正解だったようです。
何やらヘリコプターがパトロールしていくれているなぁと思っていると、どうやらこのあたりで男性が滑落したとの話がチラホラと聞かれるように。大事には至らなかったようですが、2mほど滑落し救助要請をされたみたいです。
なにはともあれ、ご無事でよかったです。
テント場に戻って腹ごしらえをした後、気が変わったので早めにお酒を仕入れて山頂での時間を満喫することに。
基本的に日常生活でもビール1缶で酔える自分としては、標高の高い山で飲む場合更に少ない量で酔うことができるコスパの良さ。(笑)
無風快晴の中、山頂やテントを行ったり来たり。贅沢な時間を過ごしました。
日の入り。恐怖の夜を超えて日の出へ
贅沢な時間も思い返せばあっという間に感じます。いつの間にやら日は傾いて、少々肌寒くなってきました。この日の日の入りは18時30分過ぎ頃。
夕日に照らされたテント場や槍・穂高の山並みがとてもきれいに観えました。
日中の無風はどこへやら、21時ごろに風ではためくテントの音で目が覚めました。
ドーム型のテントだったら問題なかったのでしょうが、この日はモノポールテントであるelemental1のデビュー日。
ごうごうと吹く風になびく幕体、しなるポールに恐怖を抱きました。
風はやむ気配もなく、風もテント内まで吹き込んでいました。
これは小屋へ避難もあり得ると思いました・・(笑)
とりあえずいくつかサミットループなどの補強でだいぶポールの揺れが抑えられたので、安心しているといつの間にか寝ていました。
そしていつの間にか日の出の時間に・・。
富士山を挟んで、朝と夜とが同じ空にありそうな雰囲気に感動を覚えました。
恐怖の夜を超えた後の日の出は、安心感でいっぱいでした。(笑)
やはり山頂で迎える日の出は良いものです。
無事に日の出を迎えた安心感からか、急にお腹が空いたのでカップヌードルを。
山で食べるカップヌードルの美味しさは異常です。(笑)
後ろ髪を引かれながらの下山
引かれすぎて抜けてしまいそう。
昨日とはうって変わって朝から風が強く、早めに下山して上高地の観光をしよーと考えていたので早々とテントを撤収。
撤収のさなかお隣のテントの女性から、あのシェルターの子大丈夫かなと心配していたと言われてしまいました。(笑)
やはりテントのバタつきなどもうるさかったかなぁ・・。と思いながら、心配してくださっていた事に恥ずかしながらお礼?を。(笑)
そして下山を開始。
下山は特に語ることもなく、昨日と同じ樹林帯。昨日以上に雪解けが進んだ道を下山したのでした。
道中ツアーの方々に合致しましたが、そのおかげで長蛇の列。
正味なところ、何名かに分かれて行動もしくは道を譲ってほしいものだ。と悪態を尽きたくなるのを我慢し無事に徳澤へ。(笑)
GWで賑わう上高地を散策し、僕のGWはお開きとなりました。
最後に
天気に恵まれた残雪期の蝶ヶ岳は、やはり槍・穂高の大展望でした!
今度は縦走路に通ってみたいなぁと感じましたねぇ。
稜線上でのテント泊は今回が2度目でしたが、シェルターの使用については慎重に設営場所・方法などを吟味する必要がありそうです。
今年の目標は南アルプスと白馬三山の縦走としているので、また色々と調べたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!