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登山コラム

「山は逃げない。」というけれど。

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天候不順や休みの都合で意図していた登山ができなかった時に使う慰めの言葉

「山は逃げない。」

もちろん山はそこにあるだけで逃げることは無いのだけど、はたしてこの謳い文句を理由にして、「また来よう。」とやすやす帰ってしまっても良いのだろうか。というお話。

コロナで思い知る、公共交通機関の偉大さ。

コトの発端は新型コロナウイルスによる大阪−茅野間のバスが運休していたことに始まる。

茅野市には八ヶ岳や車山といった日本100名山があり、一年を通じてお世話になってきた山域だった。

コロナ禍で高速バスの利用者が激減していることや、感染の有無に関わらず都心部からの流入は避けることが望ましい。ということは容易に想像がついたし、外出を控えているとはいえ、感染している可能性は否定できないこともあって、当分の間登山は見送ることとなった。

感染状況が小康状態になり、ワクチン摂取の見通しがたった今となって思うのは、当時の登山界隈は過度な「自粛」対応だったのではないか。ということだけれど、まぁ自然な流れだったとしておきましょう。

話を戻しまして

車を持たずにソロ登山がほとんどな自分にとって、比較的安価に登山口やその近辺までアクセスできる公共交通機関は、非常に大切な存在。

そんなところに舞い込んでくる、公共交通機関の運休の報せ。自分としては「このまま廃線になると困る。」という思い。

なんとも言えない、物悲しい気持ちになった。

レンタカーやタクシーといった代替案はあるものの、ソロで行くとなるとやはり割高。たかが1泊〜2泊の登山に対して気軽に費やせるコストではなく、泣く泣く計画を先延ばしにすることもしばしば。

自家用車の導入を検討してみるも、毎回ランディングコストや登山前後の長時間の運転への気兼ねも相まってやはり頓挫。

現状でベストな選択は、やはり公共交通機関の利用だった。

素人目でもお先真っ暗。地域の公共交通機関事情

人口の減少や高齢化に伴う公共交通機関利用者の減少、バス会社への就職人数の減少などで、地方の公共交通機関を取り巻く状況は至極悪いらしい。

これらの大元である国交省運輸局でも地方都市部の公共交通機関についてまとめられていて、その厳しさたるや・・。

乗合バス事業者において民間事業者の約7割、公営事業者は約9割が赤字となっており、
特に地方部において輸送人員の減少に歯止めがかからない状況です。輸送人員の減少に伴
い、バス事業者の倒産、路線廃止が相次ぎ、毎年 2000km(東京-石垣島間の直線距離に匹
敵)程度のバス路線が完全に廃止
となっています(引用:国土交通省 運輸局)。

こうも毎年廃止に追い込まれている路線が多い事実を知ると、地方都市の公共交通機関にとって、今回のコロナ禍がどれほどの打撃になったのか・・。まぁこのダメージ関しては公共交通機関だけに限った話では無いのだけれど、確実に寿命は縮められたんだろう。

希望は残っているよ、どんな時にもね。

2019年は台風や豪雨の影響で南アルプス南部がまさに陸の孤島、未開の地、秘境と相成ったけれど、今後はこういった自然災害でなく、いわゆる大人の事情で南アルプス南部と同様の状況に陥る山が増えてくるんだろう。

自分が知らないだけで、実は公共交通機関ではアクセスできない山域が、既にあるかもしれない。

社会的な責任が増える一方、肉体的・精神的な体力が徐々に衰えつつある。

憧れはあるけれど、アクセスに多少の無理をするのは嫌。なんて事態に陥る可能性もあり、今となってはお金はないが時間のある学生時代に戻りたい・・。

悲しくも地方都市への高速バスや登山口へのバスが廃止になる一方、新たに台頭してるのが市区町村が運営しているコミュニティバスや乗り合いタクシー。

コミュニティバスは事前に予約が必要なことや、地元住民以外には易しくない予約方法や見難いサイトなどそれなりの障壁はあるけれど、登山口近くまで運行しているものが多い。

そして廃止となった路線が増えていく一方で、新たな路線もきっと出てくるはず。

公共交通機関を利用して登山をしている身としては

「山は逃げない。」

だがしかし

「行く方法が無い。」

となる可能性を今一度胸に刻み、行ける時に行き、登れる内に登りたいと思う。

ではまた。

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yuruyama
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