世界各地の名峰を抑え、死者数世界一としてギネスに認定された魔の山、谷川岳。
厳冬期の谷川岳へはいつか登ろうと思い計画をしていましたが、天気予報が芳しくなかったり、モチベーションが乗らなかったりで後回しになっていた一座でした。
後回し精神も2年にもなると流石にやべぇな。と思っていたところに訪れた連休の知らせ、そして天気予報でも晴れの予報。
期は熟した。
というわけで群馬遠征と称して登ってきました。冬の谷川岳。
この翌日に日本100名山の1つ、赤城山にも登っています。
文明の利器。谷川岳ロープウェイで楽々標高1319mの天神平へ。
厳冬期の谷川岳が人気の理由の1つに、ロープウェイが利用できることが挙げられます。歩いていても楽しくない、苦痛なだけの樹林帯歩きをすっとばし、楽々標高1319mの天神平へアクセス。
久々にロープウェイを利用しましたが、やはり良いですねぇ。格段に楽。
めったに晴れることの無い厳冬期の谷川岳。土日ということも影響して、終始ハイカーでごった返していました。普段平日の静かな山行を楽しんでいる身としては、正直頂けないポイント。
それはさておき、アイゼンを装着しピッケルを谷川岳ロープウェイ天神平駅を後にスキー場の右側を巻くように尾根を目指します。中々の傾斜です。
滑落なんかよりも、上から人が落ちてくるのでは。という恐怖がつきまとう。
終始そんな山行でした。
尾根にたどり着くと、ででんとそびえ立つ谷川岳の勇姿が目に飛び込んできます。ここからは天神尾根沿いに谷川岳を目指します。
天神尾根をたどり、白く染まる谷川岳を目指す。
尾根上に出てからは、谷川岳までひたすら尾根沿いの道が続きます。
標高2000mにも満たない谷川岳ですが、気象条件の厳しさからかすでに樹木の背丈が小さく、展望の良い尾根歩きが楽しめます。森林限界はどうやら1500m前後だとか・・。
豪雪地帯恐るべし。
左手に見えるのは俎嵓(まないたぐら)や万太郎山でしょうか。どこまでも続く稜線と白く染まる山肌が美しい・・。
道中の渋滞でも左手に広がる絶景があったので飽きることもありませんでした。
熊穴沢避難小屋は雪の中。丁度いい休憩ポイントですが、人が多すぎたのでパス。この後の休憩ポイントである天狗のトマリ場も、天神のザンゲ岩も同様の理由でパスとなりました。
結果山頂まで休憩はなし!なんて日だ!とまぁ悪態をついてみるものの、大した運動量でもなかったので歩留まり程度で問題ありませんでした。
天神のザンゲ岩周辺、雪のコンディションによっては雪崩もあり得るんじゃないかと思います。ご注意箇所です。
白い山肌にぽつんと木々があるこのロケーションが好き。モノクロにしたい謎の欲求に掻き立てられます。
念願の谷川岳トマノ耳・オキノ耳へ
ひたすら谷川岳への斜面を登り、やっとこさ着いた谷川岳オキノ耳。山頂標との写真を撮ろうと長蛇の列ができていました。こりゃまたなんてこったい。
所謂インスタで見かけるようなキラキラ女子・男子達が思い描く写真を撮影してもらおうと、必死になっている反面、順番待ちをしている方々のある種殺気立った雰囲気がなんとも言えませんでした。
人が多いとこういった一場面も垣間見る事ができるんですね(ゲス顔)。
谷川岳は双耳峰。トマノ耳でももちろん写真撮影。こちらは「谷川」の2文字だけで、そこから下は雪の中でした。雪山とは思えない暖かさと風の少なさだったので、トマノ耳とオキノ耳の中間にある岩の上でパンを頬張りながらタイムラプスを撮影。こちらはまた動画でごらんください。
肩の小屋周辺は休憩適地。のんびりと天神平ロープウェイ駅へ下山
本当に風の少ない日でした。肩の小屋周辺は展望も良いので、とにかく大勢が休憩していたように思います。自分はというとタイムラプスを撮影がてら休憩してしまったので、ちらっと肩の小屋を覗き、鐘を鳴らして谷川岳を後にしました。
なんせ自分は公共交通機関ありきの登山。
バスの時刻がとても気になるのです。
天神平ロープウェイ駅に帰ってきたのは15時前。16時15分発の上毛高原駅行きに無事に乗り込み、今回の厳冬期谷川岳登山はおしまい。
谷川岳の別の色も見てみたい。
今回の谷川岳、天気と風に味方され、非常に楽しい雪山登山でした。やはり雪で白く染まった山肌は美しいです。
そして今回の登山中、クライマックスに見えていた万太郎山方面の稜線や一ノ倉岳への稜線。これらを繋ぐ縦走もいずれしたいと思いました。
秋の紅葉、夏の深緑。谷川岳周辺が改めて魅力的に思えてきます。
2020年はどんな登山が出来るでしょうか。
ではまた。