残暑厳しい2024年の9月中旬、北アルプスの裏銀座を2泊3日のテント泊で縦走してきました。
北アルプスの裏銀座縦走路は、高瀬ダムのブナ立尾根登山口から烏帽子小屋まで登り、烏帽子岳や野口五郎岳、日本百名山の水晶岳や鷲羽岳、槍ヶ岳に登ることができるコース。「裏」と名付けられている通り、「表」銀座縦走路(中房温泉〜槍ヶ岳)と比べ人通りが少なく、幾分静かな登山が楽しめます。
表裏共々縦走のフィナーレは北アルプスの象徴槍ヶ岳ですけれど、槍ヶ岳にはここ数年の内に2〜3回登っていたので、今回は裏銀座縦走のゴールを笠ヶ岳としました。
今回は裏銀座縦走3日目(最終日)の記録。
双六小屋から笠ヶ岳を経て、きついと有名な笠新道で新穂高へ下山します。
今回の裏銀座縦走の行程概要
笠ヶ岳をゴールに据えた、2泊3日の裏銀座縦走。 / クレさんの野口五郎岳・弓折岳・大ノマ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
- 9/10七倉山荘から烏帽子小屋へ
ブナ立尾根を経て烏帽子岳に登頂
- 9/11烏帽子小屋から双六小屋へ
野口五郎岳/水晶岳に登頂。黒部源流碑に来訪
- 9/12双六小屋から笠ヶ岳を経て新穂高温泉へ下山(今回の記事)
笠ヶ岳に登頂。笠新道で心を折る。
眉間に眠気と疲労感。さようなら双六小屋。
寝たというか気絶していたというか
とにかく疲労感が取れない時間を過ごしていて、気がつけば午前2時。
変に寝ようとしてストレスを溜め続けるのも辛い。
かといって無理に寝てしまったら昼ごろまで寝てしまいそうで怖い。ということで朝ご飯(夜食)を食べ、のんびり撤収。周りもチラホラと出発したり撤収していく中、4時頃には双六小屋を出発。
弓折岳へ続く登山道を歩いている内に、ようよう白くなっていく槍穂高の稜線がとてもきれいでした。
容赦ないアップダウン。笠ヶ岳までの露払い(物理)は任せろ。
というわけで弓折乗越を過ぎて、大ノマ岳に到着。日の出は丁度この辺で。
辿ってきた双六岳方面、そしてこれから向かう笠ヶ岳方面(大ノマ岳からは未だ見えない)、黒部五郎岳と薬師岳の眺望が良く見えました。
弓折乗越はともかく、大ノマ乗越からは結構な距離を登ったり下ったりと、とにかくひたすらに長く感じました。なんせ寝不足のせいかペースが上がらない。「どこから登っても長い」とどこかで聞いたことのある気がした笠ヶ岳でしたが、結構きつかったという印象です。
そして大ノマ岳から笠ヶ岳がまだ見えない・・。秩父平からもまだ登っている・・。秩父平を登って初めて、この稜線から笠ヶ岳は見えるようでした。
このあたりの登山道は昨晩の冷え込みの影響かハイマツや熊笹の朝露がすさまじく、奇しくも自分が本日の先駆けだったよう。履いている靴、靴下、そして全てをずぶ濡れにして進み、日向で乾き、日陰で濡れるという不毛なサイクルを3回くらい繰り返し。
履いているパンツの速乾性能の高さを実感できたので良しとします(山と道 light 5-pockets pants)。靴はまぁ・・帰りのバスまで不快な湿度が続きました。
てなわけで秩父平を乗り越えて、ようやく見えてきた笠ヶ岳。
辛うじて見えていた槍穂高の山々は当然のごとくガスの中。ここからは辿ってきた登山道に比べれば、取るに足らないアップダウンを繰り返しながら笠ヶ岳へ。
昨日の宿泊者は全員発ったようで、静かな笠ヶ岳山荘。山荘内を賑やかにしているのは掃除機の音色でした。最後の登りを前にまずはコーラとバッジを購入。荷物をデポし、空身で笠ヶ岳へ。山頂は尚も槍穂高方面は見えずじまい。
裏銀座のフィナーレを飾る笠新道。噂に違わずごっつしんど。
笠ヶ岳山荘で暫し休憩し、残すは件の笠新道。
登りでも下りでも、長い・きついの悪評ばかりが目につきます。果たしてどうなんだろーと軽い気持ちで挑んでみましたが・・
本当に辛い登山道でした。
なんせ絶妙に岩が大きかったり、傾斜があったりで下りづらい。そして日当たり抜群で暑い。そして水場は笠新道登山口までなし。
そして長い。
唯一良かった点は槍穂高の眺望、そして杓子平からの笠ヶ岳の眺望くらいでしょうか・・。あぁそれと笠ヶ岳までの最短ルートというのも良き点。個人的に杓子平から見る笠ヶ岳はとてもお気に入り。また気が向けば笠新道からの笠ヶ岳登山も検討してみたいと思います。
笠新道で日帰り笠ヶ岳を楽しむ猛者もいるようですが・・。本当猛者だらけですね。
半べそかきながら笠ヶ岳山荘から笠新道登山口までは4時間程度を要し、14時頃に新穂高へ下山。新穂高温泉に向かう最中から通り雨に見舞われたので、傘を差しながらの下山となりました。
下山後の温泉と飯ルーティンをこなし、無事に帰阪となりました。
2泊3日の裏銀座テント泊縦走のまとめ
この裏銀座縦走を終えて、北アルプスを代表する表銀座・裏銀座双方の縦走は完遂。
当初は雨に降られるかなーと考えていましたが、結局登山道ではなく最後の林道で降られだけに終わりラッキーでした。
銀座縦走のゴールが槍ヶ岳でない点が気になる方も中にはいるそうですが熱弁する殿方を双六小屋で見かけた)、ちょっとした達成感と充実感に満たされて個人的には満足。
まぁ各々のゴールで良いんじゃないでしょうか。
息が詰まっちまう。
心残りを挙げるとするならば、水晶岳からの展望をもう少し見たかったくらい。後はどうせなら表銀座と同様、裏銀座も妹と一緒に歩いてみたかった位でしょうか。まぁいつかタイミングが合えば再び歩くこともあるでしょう。
9月も下旬に差し掛かり、秋分の日頃からようやく秋めいてくるそうです。
山々が染まる紅葉が楽しみ。
今回の縦走で得た反省点を踏まえて、次の登山の計画でもぼちぼち練りたいと思います。
ではまた。