2018年の5月中旬ごろサントリーは、ハイボール人気に伴う原酒不足のために、白州12年および響17年を一時的に販売休止するというニュースが巷をざわつかせました。
お酒が強くないなりに、2杯目からは必ずハイボールを嗜んでいた自分としては少々ショック。自宅にある白州NVもそろそろ底を尽きようとしています。
それに加え、今年の父の日に送るプレゼントとしてサントリーのウイスキーを考えていた(3月の誕生日に良いタンブラーをプレゼントしました)自分としては、無視できないニュースでした。
まぁ本音を言うと父の日の事情に加えて、無くなると言われれば欲しくなる。
という人間の悲しい性も、少なからずはたらいていたと吐露しておきましょう。
巷ではこのニュースの影響で、、白州を初め山崎・響など、サントリーのウイスキー各種どの年代物も買占めが横行しており、もれなく高騰しているようです。
今回は父の日のプレゼントを探しに、
きっと白州なら、未だ白州の在庫があるだろう
という淡く儚い希望を持ち、半ば強行プランで白州の蒸留所へ行ってきたお話です。
工場見学も兼ねてきたので、白州蒸留所についても備忘録的にかるーくまとめています。
白州蒸留所について
白州蒸留所は、山梨県北杜市にあるウイスキー蒸留所でありサントリーウイスキー設立50周年を記念して、山崎蒸留所に次ぐ第2の蒸留所として設立されました。
建設地の決め手になったのは、ウイスキーづくりの命とされる「水」。
そこで選ばれたのが、自然豊かな南アルプスの麓である白州だったようです。
敷地内には同社から発売されている南アルプスの天然水工場が併設されていて、こちらは無料で工場見学ができます。
2016年の夏場に行きましたが、水や、水を育む自然保護に対する情熱など、こちらも工場見学の価値ありです。自然保護のプログラムなど大人も参加できるプログラムがあればなぁなんて思いました。
白州蒸留所内には、これらウイスキーや天然水の蒸留所・工場の他、
レストラン「ホワイトテラス」
ファクトリーショップ「インザバレル」
「BAR白州」
ウイスキー博物館
などが併設されています。
また、バードサンクチュアリがあり野鳥観察会などにも利用されており、「森の蒸留所」とも呼ばれています。
アクセス
自動車の場合、中央道小淵沢ICから20分。
電車等公共交通機関を利用の場合、JR中央本線小淵沢駅からタクシーで約15分。おおよそ1000円程度です。
もしくは、期間限定で運行しているシャトルバスでおおよそ20分です。
■運行期間(2018年度)
2018年3月17日(土)~12月24日(月・祝)土日祝日運行
*振替休日含む
★2018年7月14日(土)~8月31日(金)は毎日運行しているそうです。
因みに近くにシャトレーゼの工場があり、こちらではアイスの無料試食が可能です。
ウイスキーを楽しんだ後には甘いものでもいかがでしょう(笑)
大阪から公共交通機関を利用する場合、
- 茅野までバスで行き、そこから電車で小淵沢まで
- 名古屋まで電車もしくはバスで行き、そこからJR本線で小淵沢まで
のどちらかになるかと思います。
自分は夜行バスを予約していなかったので、2番で行きました。高くつきます。(笑)
工場見学のコース一覧
サントリー白州蒸留所では、以下5つのプランが用意されています。紹介文は公式サイトを引用しています。
自分は一番上の白州蒸留所ツアーへ参加しました!
平日だったので当日でも枠が空いていましたが、土日や夏休みシーズンなどは1か月前でも予約が取れないこともあるそうです。
尚、当日予約の場合は電話での予約も不可となっています。予約の空き状況を教えてくれるので、後は実際に受付までお越しくださいと。早めの到着がオススメ。
- 白州蒸留所ツアー
木桶発酵槽や様々な蒸溜釜、華やかな香り漂う貯蔵庫など、臨場感のあるウイスキー製造工程を、香りや温度の違いなども楽しみながら見学した後は、「白州」や希少なモルトウイスキー原酒(非売品)のテイスティングがお楽しみいただけます。
- THE STORY OF HAKUSYU~シングルモルトウイスキー白州の物語~
大自然の恩恵を生かしてウイスキーづくりを行う白州蒸溜所の開設から白州ブランド発売に込められた想いやこだわりなどを、特別映像・製造工程見学・テイスティングに加え、「白州森香るハイボール」とおつまみのマリアージュ体験を通して、白州ブランドの魅力を存分にお伝えします。※アレルギーをお持ちの方はお電話でお問い合わせください。
- 白州森香るハイボール体験
おいしい「白州森香るハイボール」のつくり方をご紹介しつつ、皆様でつくって乾杯!意外と知らないウイスキーに関する豆知識などもご紹介します。普段、あまりウイスキーを召し上がらないお客様でも気軽にお楽しみいただけます。
- 場内見学
BAR白州やウイスキー博物館、ファクトリーショップ、レストランなど、目的に合わせてご自身で自由にお楽しみください。
- 南アルプスの天然水ガイドツアー
天然水を育む自然環境と品質を守る取り組みをより一層の品質感と臨場感をもって体験できます。ガイドツアーの参加は無料です。製造工程見学後は、南アルプスを水源とするさまざまな製品をご試飲いただけます。
※場内見学もお楽しみいただけます。
シングルモルトウイスキー白州について
サントリーが発売しているシングルモルトウイスキーです。
現在発売されてるものとしては白州NV、12年・18年・25年とラインナップされています。
過去には他の年代物やら限定品が発売されており、今となっては一般人には手の届かないお値段がついているのでしょう・・。
というかこれら上記のラインナップも今や倍、もしくはそれ以上の値がついています。
需要とは怖いものです・・。
実際にウイスキー白州の製造工程を見学してきた!
父の日のプレゼントを考えている時にふと
そうだ、良いウイスキーを送ろう。
と思いついたのは、とある平日の夜遅く。
白州のハイボールを飲ませてもらったことを思い出し、白州もしくは山崎か響等のサントリーのウイスキーをプレゼントしようと思い立ちました。
丁度白州や響が無くなるというニュースを目にしていた事もあり、近場ではきっと売っていないだろうということで・・。
実際に白州まで足を運ぶことに決めたのでした。
今思えば浅はかな考えだったと思います。白州であれば確実に白州が売っているだなんて・・(笑)きっと皆が思うことです。
あいにく大阪から茅野のバスは出発していたこともあり、翌日の大阪から始発の新幹線に乗りはるばる名古屋を経て小淵沢へ降り立ったのでした。
降り立った小淵沢では、八ケ岳・南アルプスの山々が迎え入れてくれました。
小淵沢から白州まではタクシーでおおよそ1000円程度。ステキな運転手の方に、甲斐駒ヶ岳のアクセス方法や北杜市の名所を教えてもらいました。目指せ黒戸尾根!ですね。
ウイスキー博物館にて
平日であり運よく白州蒸留所ツアーの枠が空いていたので受付を済ませ、いざ蒸留所の敷地内へ。当日予約の場合、用紙を記入する必要があります。
受付では、ドライバーか否か。未成年かで渡されるIDケースの色が違ってきます。飲酒運転の可能性をはらむ以上、厳しい管理がされているようです。最後は各々の良識に委ねられます。
耳にしたことのある曲。「夜が来る」が流れる中、眼に嬉しい新緑を楽しみました。
目的は父へのプレゼントでしたが、自分への良いご褒美にもなりました。
なんせ5月は山に一度も行けずです・・。
ツアーの集合時間まではしばらく時間があったため、しばしウイスキー博物館を見学することにしました。博物館の1階にあるモニター前が集合場所となっています。
博物館内では、ウイスキーの歴史やサントリーウイスキーの辿った歴史や受賞歴などが展示されています。にしてもすごい数の受賞歴だなーと思いました。
そんなこんなしていると、集合時間に。
工場見学ってなぜこんなにワクワクするのだろうと不思議に思いつつ、集合場所へ。
蒸留所ツアーへ出発!
モニター前で、サントリーのツアーガイドの方がツアーの注意点や外国人へのアナウンスを行った後、ツアーが本格的に始まります。同じサントリーの蒸留所である山崎ほどではありませんが(京都観光も兼ねて来ることが多い)、白州も外国人に人気があるようです。
ウイスキーの製造工程である
を順に説明してくれるので、ウイスキー初心者である僕でも楽しむことができました。
博物館から歩いてすぐ。まずは仕込みや発酵が行われる工場へ。入るや否や甘酒に似た香りで場内が満ち満ちていることに気が付きます。ここではウイスキーの原料や種類の説明。ウイスキー作りにおいて、水がどれだけ重要であるかについて話してくれます。
白州や山崎などのシングルモルトウイスキーは、
ということですね!久々に何かを学ぶことの楽しさを感じました(笑)
続いて、原料である麦芽の説明。そしてピートと呼ばれるスコットランドで採取される泥炭(ピート)で燻された(ピーテッド)後の麦芽の香りの違いを実際に嗅いでみました。野焼きのような、ザスモーキー!といった印象。
仕込み・発酵・蒸留では更に甘酒のような香りが増していて、深呼吸を数回すればほろ酔いになれそうな雰囲気さえありました。現に外国人の方は気分が悪くなり途中で退出されていました。そしてこの香り、次の発酵の場で更に強く感じることになります。
発酵に使用される桶の大きさたるやすさまじく、中では乳酸菌による発酵が現在進行形でされているのだとみてわかりました。この段階でのアルコール度数は未だ7%程。この次の蒸留で、一気にアルコール度数を高めるのだとか。
蒸留は、白州の場合初留と再留の2回行われているようで、様々なモルト原酒を作るためにポットスチルの大きさや形に種類があるようです。丸みを帯びた形はちょっと愛らしかったりします。
続いては貯蔵庫へ。ここへは敷地内をバスで移動します。
バスまでの道中、何かしらの祭事が行われていました。
ガイドの方の話によると、サントリー創設者の鳥井信治郎は信心深く、山崎や白州など工場内には必ずお稲荷様がお祀りされているのだとか。今回の祭事は年に1度しかされていないようで、とてもラッキー!
貯蔵庫に入ると、普段嗅ぐあのウイスキーの香りが。
ウイスキー好きの方にはたまらないのでしょう、外国人の方が「heaven」と呟いたのでちょっとした笑いが起きました。ここでも深呼吸をすると、鼻の奥にじわっとウイスキーが広がる気分に。酔えますよ。(笑)
貯蔵には樽が使用されますが、自然に配慮し使用後の樽を再利用するためにサントリーでは燻製のチップの他に、貯蔵庫の床材に使用していました。こういった取り組みがステキだなーと感じます。
樽にもいろんな種類があるようで、使用される木材によって色々な特徴があるみたいです。また、熟成の段階で徐々に中の原酒が揮発し量が減ってくるようで、中の断面図を見ることができました。
ウイスキーの製造工程を学んだあとは、お待ちかねのテイスティングです。
テイスティングで白州を楽しむ
バスに乗りBAR白州の横の広間へ。
ここでテイスティングの方法や、森香るハイボールの作り方を実際に学んで、飲むことができます。
運転手の方は、ここではなっちゃんなどサントリーのジュースや天然水のテイスティングとなります。(笑)
まずは白州を構成する2種類の原酒、そして白州のテイスティングから。
ウイスキーのテイスィングはまず香り、そして加水し口に含んで評価を行うようで自分も実際にしてみました。
香りの表現にはたくさん種類があるようで、例を出されて「あー。言われてみるとそうかも。」と感じることもしばしば。(笑)
ですが、原酒や白州はどれもフルーツのようなさわやかな香りでした!
そして原酒と白州のティスティングが終わる頃には本格的に酔っていました。
平日の午前中に白州を飲みながら酔っていることに、軽い背徳感を覚えつつ、ハイボールの作り方を学ぶことに。
飲んだ感想としては「やっぱおいしいなぁ・・」と感じました。
周囲の方も皆美味しさのせいか、ため息をついたり、「美味しい・・」と呟いてみたり。(笑)
用意されたおつまみと共に、ハイボールと目の前の新緑を楽しみました。
BAR白州で、贅沢に酔う。
ツアー解散後は、お目当ての白州を探しにショップへ足を運びました。
しかしどこを見てもお目あての白州は見当たらず・・。店員さんに聞くと、どうやらここでもすでに入荷していないとのこと。自分の浅はかな考えを恨みました。
しかし蒸留所限定のシングルモルト原酒が丁度売り場に並んでいましたので、こちらを1本購入することに。
やったやったーと思いつつ、どうせならバーもレストランも行こうと決めました。
BAR白州では、サントリーで取り扱っているウイスキーをショットで楽しむことができます。
僕は白州への思いを断ち切れず、ある種やけ酒的な思いで白州25年と山崎12年を注文しました。
白州25年の香りはまるであまーい熟した果物のような香りで、「えーすご。何だこれ。」と酔った若造は一人衝撃を受けると共に、きっと生涯このお酒を飲めるのはここに来るほかないんだろうなぁと打ちひしがれていました。えぇ酔っていました。
山崎12年は白州とはまた違う香りで、こちらもまたおいしく頂きました。
酔いを少しでも早く覚まそうと、セルフの南アルプスの天然水をかなり多量に飲んだためトイレに何度も行くことになりました。(笑)
レストランホワイトテラスにて
いよいよ酔いが回り気分が良くなった僕は、続いてレストランホワイトテラスへ
勿論ここでも、サントリーのウイスキーを楽しむことができます。
自分はカレーに加えて、またしても白州NVの森香るハイボールを注文。テラスから見える新緑と野鳥のさえずりと共に、最後までハイボールを楽しみました。
ウイスキーの酔いもさめていく中、気づけば帰りのバスの時刻も近づいていました。
ボーっとする時間を十分に堪能した僕は、白州を後にしたのでした。
最後に
本当に素敵な場所でした。白州蒸留所。
父の日のプレゼントとして白州を買う。という目的は残念ながら達成することができませんでした。しかしウイスキーの製造工程や実際に白州を楽しむことができ、サントリーのウイスキーに対する思いを知ることができ、とても良かったと思います。
白州や響・山崎などのウイスキーが割と手の届きにくいものになってしまったことは非常に残念ですが、それだけウイスキーが人気という証拠ですね。嬉しく思わねばいけません。気長に販売が再開されるのを待ちたいと思います。
結局、父へのプレゼントは未だ思案中です。(笑)
何を送りましょう・・・。
余談ですが、やはり今年は必ず南アルプスに登ろうと決めました。(笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!