はじめに
ひょんなことから予定が無くなってしまった8月中旬。世間は盆休みということもあり、きっとお山も混んでいると思われましたが折角の2連休。
急遽山に行くことにしました。
丁度テントを購入したばかりだったのでテント泊デビューだ!と心持ワクワクしながら、夏山JOYを眺めながらどこの山に行こうか考えていました。天気など気にせずに…。
今回はその山行振り返りとなります。
自分としては、過去の北八ヶ岳縦走を超えてワーストの天気となりました。
大阪から扇沢まで
針ノ木岳の登山口は、立山へのアクセスとしても有名な扇沢となります。
大阪から扇沢までは、白馬までの高速バス「さわやか信州号」の途中下車駅となりますので、今回はこちらを利用。
上高地行きとは違い、バス車内も快適な空き具合でした。夜行バスで爆睡してみたい今日この頃・・・。
登山口から大沢小屋まで。
登山口近くにはこの文言。なるほど確かに。と思いながら後にします。
ここから大沢小屋までは約1時間程度の登り。冒頭は、時折道路を横断するようになっています。無論横断歩道など無いので車には要注意です。規定になっているのか、ここを通るバスやトラックの運転手は皆、ヘルメットを着用していました。
ちょっとしたガレ場を超えていきます。帰りはここで足を滑らせて怪我をしかけたのも、今となればいい思い出です。(笑)
このあたりで最近クマが出たとの情報があったので、周囲を気にしながら登っていきます。
この日すれ違ったのは、ほんの数人。天気に恵まれないのもあり、基本は一人寂しい山行でした。
この日の天気予報は午後から雨。予報通りの天気であり、ここから天候は徐々に悪くなっていきます。このガレ場からまた少し歩くと、少し開けた場所に出ます。ここには針ノ木岳登山口の看板が設置されており、ここからガレ場・沢と経過します。
登山道には各所に鯉のぼりが設置されているので、道迷いの危険は少ないと思います。
降雨後等は水位も増えると思うのでご注意くださいな。何気にアルプス界隈での渡渉は初めてだったので、緊張しながら歩いてきました。
ガスがどんどん降りてきます。このあたりで一度撤退の2文字が脳裏をよぎりましたが、まずは大沢小屋までは頑張ろうと思いとりあえずあるき続けました。
ソロ登山だとすーぐ帰りたがる。
大沢小屋までは登りも少なく、コースタイムよりも短めに進むことができました。
そして到着した大沢小屋。中継点的な要素や天候もあってか、閑散としていました。天候がよければここも賑わうのでしょうか。
ここで5分程度の休憩。これから先の天気予報や雪渓の状況について確認します。どうやら先の台風の影響により、雪渓はだいぶ崩壊が進んでいるようでした。
大沢小屋から針ノ木峠まで
しばしの休憩を終え、ザックを調整しなおして再出発します。ここから先は、急登・雪渓・クサリ場などが連続するようになり気を使う場面が増えてきます。
大沢小屋から20分程度歩くと、ついに雪渓が見えてきます。写真には写っていませんが、冷気的な靄が見えていて、体感的にも視覚的にもひんやりとしていました。このあたりで日帰りを考えていたおばさまが撤退することを決めたようで、自分もつられて下山しそうになりました笑
とはいえ折角安くないバス代を払っているし・・。と体力的にはかなり余裕があったのでぐっと我慢。
雪渓近くでアイゼンとストックを装備し、いざ雪渓歩きへ。歩いているうちに、ちょっとしたホワイトアウト状態に。ちょっと先を歩いていた方が見えなくなりました。
雪自体は固くしまっていたので歩きやすいものでしたが、クレバスの存在と視覚の悪さ、落石の危険性などから、気の抜けない初雪渓歩きでした。そして針ノ木雪渓の所謂「のど」へ。大沢小屋での情報通り、崩落が進んでいました。雪渓のスケールの大きさは、どこか現実味がわきません。
今シーズン、ここから先は崩落の危険性があったため通れませんでした。右側にある高巻の登山道を進んでいきます。冒頭は所謂クサリ場が続きますので、ストックは収納していった方が安全でしょう。クサリ場を超えてからは、沢筋に沿いながら登っていきますが、このあたりで、テント泊装備の重量がぐっと増えたように感じるようになりました。ちょっとしたガス欠だったのでしょうか。
人生初のテント泊装備。一体何キロあったのやら・・・。初めてのテント泊の癖にまぁきっつい山行だったと思います。(笑)
息を切らせながら登っていきますが、進んだり休んだりの頻度が徐々に増えていきます。
個人的に最もしんどかったのは、針ノ木峠直下のつづら折りの道。これでもかと言うほどに同じような道が続きます。
そしてコースタイムとほぼ同じ時間歩いた先についに針ノ木小屋へ到着。予想通り展望は失意の中でした。そそくさとテント泊の料金を払い、設営に移ります。
ガスの中の針ノ木岳へ。ライチョウとの出会い
テントの設営を終え、しばしの仮眠。小雨の音が心地よかったですが、色んなものが若干濡れていたので不快度指数は高め。
テント設営を事前に練習しておいてよかった。
テントをでるとやはりガスの中。針ノ木峠までの疲労もあり展望も期待できないことから針ノ木岳または蓮華岳への登頂もやめておこうかと考えました。しかし「せっかくきたのだから」という思いが強く、針ノ木岳まで登ることを決めました。
針ノ木岳までの道中はガレ場・トラバース気味の道も多いですがそこまで危険箇所は少ないと思います。
針ノ木峠から山頂まではコースタイムで1時間。15分ほど歩き少し息を整えていると・・
いましたライチョウ。まさか出会うと考えていなかったので、急いで撮影した一枚です。
よくみるとこの岩の先にも雛がいるようでした。動いていないと雛は探しづらいですね。(笑)保護色について感心するばかりです。
しばしライチョウの撮影会。
ライチョウは中々逃げないのですね。割と近寄っても動じていませんでした。
あまり邪魔をしても悪いと思い、先に進みます。するとまたもやライチョウの親子。
きっとこの先、この日以上ライチョウを見る日は無いだろうと確信した瞬間でした。
ライチョウ撮影に耽っていると、小雨がパラパラ降ってきたので先を急ぎます。
そして着いた針ノ木岳山頂。
・・・。天気が良ければ、立山連峰や黒部湖が見えるとのことですが今回はやはり見えず。
リベンジを近い、下山することにしました。
そして下山時
またもライチョウに遭遇。今回は夫婦らしき2羽に出会いました。鳴き声が特徴的でかわいいものです。
雨が本格的に降り始めてきたので、ライチョウに別れを告げ足早に下山。
人生初のテント泊は、雨の中となったのでした。
雨の中の下山。花の百名山を実感。
中々寝付けず、寝たり起きたりを繰り返していると朝になっていました。
雨は降り続いていて、本降りといった感じでした。写真撮影するにも、身体的・精神的に疲弊していましたのであまり撮影できず・・。
下山後の温泉を心の支えにしながら下山を開始しました。テント泊装備が重かった・・・。
ところで、針ノ木岳は花の百名山となっています。登山中は様々な花を目にすることができました。
ガスの中だった分、花は道中の心の支えになりました。
下りのコースタイムは4時間ほど。雪渓を超えたあたりから膝が笑い出し、ペースダウンが著明に。結局4時間30分程度かかりました。
扇沢駅にやっとこさ到着した時にようやく日の光が。あの時ほど太陽光を見て感動したのはありませんでした。まぁ曇ってましたが。(笑)
すぐにバスに乗ろうと考えていましたが、下山時に降り続いていた雨にひどく濡れたままバスに乗るのは少々気が引けたので、1本後に見送り。それにしても観光客の多いこと。
扇沢から大町駅までの時刻表はこちら(2017)
今回は途中の大町温泉郷で下車し、薬師の湯にて疲れを癒しました。
お風呂も休憩場もゆったり広々していて、本当に良かったです。今後も利用したいと思いましたね。
まとめ。
針ノ木岳までの道中。日本三大雪渓の一つ針ノ木雪渓を初めとしてガレ場やクサリ場が多く割と危険ですが、軽装備にすれば日帰りも普通に可能かと思います。雪渓等登山道の情報は針ノ木小屋や大沢小屋のサイト、各種SNSを参考にしてください。
人生初のテント泊は、天気に恵まれず最悪のものとなりました。が、これ以上悪天候でのテント泊はないだろうと思います。良いトレーニングになったと、プラスに捉えておきます。テント泊装備に関しては、一度見直す必要がありそうですね。
またいつか必ずリベンジしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
リンクまとめ
大阪⇔扇沢間の高速バス さわやか信州号
小屋情報 針ノ木小屋や大沢小屋
扇沢⇔大町間のバス こちら(2017)
下山後の温泉 薬師の湯