登山における衣食住の中で特に重要な「食」。
その「食」を快適にするはずのカトラリーに、いくらか四苦八苦していた自分の振り返りです。
そもそも登山中に食べる頻度の多いもの。
自分の場合、登山では料理はせずにもっぱらフリーズドライ食品やインスタントラーメン。バーナーでお湯を沸かすだけで、おいしい食事にありつけるとは良い時代になったものです。
持っていくフリーズドライ食品によって差異はあるものの、水気の多いものがほとんど。
特にスープ類やカレー・シチューは食べやすく美味しいこともあり、登山中のメニューに挙がりやすいです。そしてこういった食形態に向いているのは、やはりスプーンやフォークなどの洋式のカトラリー。
これに対して、山でもそれなりの食事を楽しみたい。主食と副食・副菜が分かれているような食事を楽しみたい場合、やはろ古くから慣れ親しんだ箸が向いています。
カトラリーを選ぶ基準
登山中に使うカトラリーを選ぶ基準としては
- 重量
- 耐久性(素材)
- 価格
- デザイン性
- 汎用性(携行性)
などが挙がります。
どれを優先するかは人それぞれ。自分の場合、汎用性や耐久性、重量を重視。
自分の登山用カトラリーの変遷
自分が辿ったカトラリーの変遷は以下。()内の重量はおおよその目安。
色々とアウトドア向けのカトラリーを買い漁る中で、カトラリーを選ぶ時の基準が自分の中で明確になったように思います。
- スポークで一通り食べることができる
- 折り畳める方が携行性に優れている
- カトラリーに関しては数グラムの重量差は気にしない。
モンベル フォールディングスポーク(11g)
よくあるスプーンとフォークを兼ね備えた、スポークというもの。素材は樹脂製で重量はおよそ11g、お値段は350円と、mont-bellらしい優しい価格設定。
フォークとスプーン2通りの使い方ができる分、汎用性に富んでいるように思えますが、若干長さが短く(20cm)、ジップロックに入れたアルファ米を食べようとする度に、手が汚れそうになります。
そして何より、口に入れる部分を持って食事をするのがなんとも・・。
1泊以上の登山では食後の拭き取りが甘く、2回目の使用時にはすでに汚れている。なんてこともあり、今はひっそりと出番を待つことに。
Sea To Summit アルファライトロングスプーン(13g)
短いのが嫌なら、長いのを導入しようぜ。
という至極短絡的な考えで導入した、アルミ製のロングスプーン(21,6cm)。お値段880円。
マットな質感とアルミ製の堅牢性。有事の際にはペグに使えそう。
モンベルのスポークで感じていた不快感や長さ問題からは開放されたように思えました。
しかし登山中の食事で麺類も食べることを完全に忘れ、携行性をまったく視野に入れておらず、我ながら血迷った感が否めなかったカトラリー。
sea to summitからは同様のシリーズでスポークやフォークが販売されています。肉抜きすることで更に軽量化に特化したカトラリーもあるので、検討する価値は大いにあるかと。
MSR スポーク(10g)
折りたたみ可能(折りたたみ時11.7cm)かつ、スポークであること。アルファ米などを食べても手に汚れのつかない一定の長さ(全長22cm)、これらを満たしており、登山に持っていくカトラリーとしてセンターを飾っているMSRのスポーク。
樹脂製なのでクッカーを使った調理には不向きで、がっつり中ぬきされているため耐久性に関しては少々不安が残ります。
ただ登山中の食事に、湯を流し込むだけのフリーズドライを主軸としている自分には十分。重量に関しても及第点です。
mont-bell 野箸(ケース込みで29g)
やっぱりお箸が欲しい時もあるよね、きっと。
ということで導入となったモンベルの野箸。今まで購入してきたカトラリーに比べるとかなり重い部類。普段使っている箸のどれよりも重たく、何なら菜箸より重たい可能性が高い。
ツイストロックシステムで確実にロックが可能で、食べていて違和感を抱くことはなく、登山に持っていく時の安心感が違います。
それなりの重量でも登山に持っていくのは、日常の安心感を箸に求めているのかもしれません。
登山に持っていくカトラリー。自分に必要な機能はなにか。
登山に持っていくカトラリーですが、その登山中に食べる食種に応じて使い分けることが大事かと思います。
自分の場合はMSRのスポーク単体をベースに、モンベルの野箸を持っていったり、行かなかったり。というスタイルに落ち着きました。
一言にカトラリーといってもスプーンやフォーク単体、チタン製や樹脂製などたくさんの種類があります。不要なお金を費やさないためにも、自分にとって必要なカトラリーとは何か、見極めて購入するようにしたいものです・・・。
ではまた。