2024年4月下旬のGWに兵庫を代表する市民の山、六甲山で全山縦走登山にチャレンジしてきた。
職場のとある先生から「六甲全縦は良いよ〜」とおすすめされ、その後「孤高の人」で加藤文太郎を知り、六甲全山縦走の存在を意識するように。
いつかいつかでいつするんや。
ということで、初挑戦。
六甲全山縦走路とは
六甲全山縦走路は、ここ須磨浦公園駅を起点とし、六甲山系の主要ピークを踏破し、宝塚に抜ける公称56kmの登山道です。六甲山を代表する登山道で、市民やハイカーにも親しまれ、毎年、これを踏破する大会も行われています。
神戸市
兵庫県浜坂町(現在の新温泉町)出身の登山家、加藤文太郎(1905〜1936年)が登山のトレーニングのために通ったルートに由来すると言われています。
加藤文太郎の生涯を描いた小説「孤高の人」(新田次郎著)には、神戸の会社に就職した加藤が、朝、和田岬(神戸市兵庫区)の家を出て、塩屋(神戸市垂水区)から山に入り、宝塚を抜け、そのまま歩いて家に帰り、翌朝普通に出社したという話が出てきます。
六甲全山縦走路の公称は56kmだけれど、記録を見てみると実際の距離は45km程度。
神戸市曰くコースタイムは15時間程度(KOBE六甲全山縦走大会の標準タイム)だけれど、YAMAPでは19時間程度と・・。どちらにしろ長時間の登山なので、まずは分割して歩いてみることをオススメ。エスケープルートは多数あり、道中に自販機やトイレがそれなりに。
ただ菊水山手前から再度山公園まで自販機もトイレも無いから注意。
六甲全山縦走路は登山道半分、舗装路半分といった感じで登山靴というよりはトレランシューズなどの方が歩きやすい。道中は整備された登山道が続く。危険箇所は馬の背くらい。
流石市民の山、六甲山です。
六甲全山縦走(西半分)の記録
春、初めての六甲半縦走(西) / クレさんの高倉山(兵庫県神戸市須磨区)・栂尾山・鉄拐山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
朝の7時過ぎ、登山口の須磨浦公園駅。お天気は快晴。初の六甲全山縦走ということで、目標はもちろん宝塚。難しそうでも、とりあえず摩耶山(ちょうど六甲全山縦走路の半分あたり)までは頑張ろうと思い登山開始。
まずは鉢伏山を目指して延々と階段を登るけれど、この辺は登山を始めたときに何回か登っていて目新しい場所も無いので黙々と登る。鉢伏山の次のピーク、旗振山から振り返ると明石海峡大橋や淡路島までくっきり。登ったり下ったり、栂尾山手前のコンクリ石段地獄もそこまで辛いと感じることなく、馬の背に到着。当初はスイスイだった。
馬の背を後にして、一旦住宅街まで下る。下調べでは住宅街で迷いやすいとの情報だったけれど、実際は至る箇所に「六甲全縦」の案内がある。
時刻は9時頃で既に気温は30度近く、手持ちの飲み物も底を尽きかけていた。道中の自販機前で財布内に一万円札しかないことに気が付き、急遽縦走路脇にあったローソンにて水を補給(1.5L)し高取山へ。高取山までも無論登り。とにかく暑い。
高取山山頂周辺は寺社があり境内にトイレもあり、休憩適地。猫多数。神戸方面の町並みは遥か遠くだった。このときはまだまだ元気だったはず。高取山以後は再び下って住宅街。
11時頃に菊水山への登り開始。ここから延々と続く急登&暑さで熱中症になってしまって、頭がクラクラし滝汗。順調だったと思っていたけれど、一気にペースダウン。たしか去年の今頃の開聞岳の登山でもこうなった気がする。
たくさんあったはずの飲み物も底を着いていて、これはまずいことになったぞと心中穏やかでなかった。あまりの不調に菊水山の山頂で長めに休憩し、ある程度は回復。この先も自販機は無さそうなので、引き換えして鵯越駅に下山することも考えたけれど、いくらか曇ってきたのでこのまま縦走を続けることにした。
その後はまた一旦下って吊り橋を渡り、のんびり登って鍋蓋山に登り、どうにか目当ての再度山公園にたどり着いた。再度山公園は縦走路から少し外れるのだけれど、すぐ復帰可能。売店や自販機(目星いドリンクは売り切れがちだった)もあって良い場所だった。ここで1時間程度の休憩。もう六甲全山縦走なんて到底難しい、ベンチで横になった腑抜けだった。
CT通りに行けば16時30分頃には摩耶山にたどり着く予定。
しかしここから市ヶ原まで標高を下げ、摩耶山までひたすら登れるかといえば微妙なところだった。結局登ることにしたんだけれど、とにかく市ヶ原以降ペースは全く上がらなかった。もうこのまま摩耶山に着かないような気がした。道中他の登山者に出会うことも少なくなり、心細い。耳元や眼の前にはずっとテントウムシの亜種みたいな小さい連中が飛んでいるしでふんだり蹴ったり。
そんなこんなで摩耶山、そして掬星台にはCT通り16時30分頃に到着。行動時間は9時間程度だった。
下山には摩耶山ロープウェイ・ケーブルカーを利用しようと考えていたものの、なんとケーブルカーの方が急遽運休していると。正直今日はもう歩きたくなかったので、バスで六甲ケーブルカーまで移動して下山。GWのおかげでバスは六甲山牧場から満員だった。
下山後2日が経過しているけれど、下半身全体の筋肉痛がいまだ治らないでいる。
今回の六甲全縦走のまとめと自分の課題
六甲全縦走の西半分を終えてのまとめは以下
登山中はパンパンのザックでもスタスタ歩く登山者やトレイルランナーが多く、日頃のトレーニングの重要性を痛感。摩耶山以降はさほど標高差が無いので、とりあえず次は東半分を歩いてみてから全縦走にトライしてみたいところ。
本格的な夏に向けて鍛錬。遠くないうちに東半分も歩くつもり。
ではでは。