はじめに
前回、あまりに重い登山装備に疑問というか「なんでこんな重いねん。」という思いが。それを受けて、ちょっとした軽量化に挑戦してみました。
この時は、自分が一体何キロ背負っていたのか。必要なものと不要なものを考え実際に初心者なりに軽量化してみました。
結論からすると、小物類を減らしたところで、労力の割に少ない効率的な軽量化はなかったなぁといった印象でした。
この一件から、軽量化やUL(ウルトラライト)やファストパッキングに関してとても興味と憧れが湧いたので、いろんな方のブログや雑誌、書籍を読んだうえで来期のシーズンに向けて各種登山装備の軽量化を具体的に実行してみました。
今回も重量の考え方に関しては、ベースウェイト(水や食料・燃料を除いた、バックパックを含む装備の重量)で考えていきます。勿論、身に着ける衣類等もベースウェイトには含みません。
衣(ウェア・防寒着類)
ウェア類に関しては前回の記事でも触れていますが、お値段がお高い割に、重量が劇的に変わるということは少なく、費用対効果はそこまで高くないです。レインウェアとザックを例にすると・・
例 レインウェア
A社フラッグシップモデル…ジャケット+パンツ(メンズMサイズ)→452g
B社…ジャケット+パンツ(メンズMサイズ)→190g
452g‐190g=262g B社31450円
例 ザック
A社65Lザック(Mサイズ)…2300g
B社45Lザック(Mサイズ)…540g(平均値)
2300g‐540g=1760g B社27500円
A社製品をもともと持っていて、軽量化を考えて買い換えたものをB社製品とします。
製品の性能やザックの容量が違う(ULで65Lもいらない)のはとりあえず置いといて、重量比を考えるとどうでしょう。レインウェアを買い換えるより、ザックを買い換えた方がうんと効率的に軽量化を図ることができています。
というわけで
劇的な軽量化が難しいことを考えると、ウェア類を買い換えるというのはやはりコスパが悪いというか、今持っているもので十分軽いじゃないかという結論に。あくまで持論ですが。
というわけで僕は、ウェア類の買い換えはしていません。
その都度行く山、その日の天気や気温に応じて必要なものを取捨選択しています。
それに加えて、行動用とテント・帰り用の2枚にシャツを絞るなど、不要な着替えは極力持って行かないように心掛けています。
公共交通機関を利用しての登山がほとんどですので、勿論臭いの面なども考慮して・・ですけれど。
現代のウェアは天然もしくは化繊であっても、双方に抗菌防臭を謳っているものも多いので、これを活用しない手はありません。
ただし靴下だけは必要そうな数だけ持って行くようにしています。登山は足を酷使するスポーツです。過度のむれや汚れは、皮膚トラブルに繋がりかねないのでいたわってあげましょう。
食(クッカー、カップ)
元々初めて買ったものは、JETBOiLマイクロモでした。こちらは燃料込みで574g(ガス残量による増減あり)と、それなりに軽量かつコンパクト。
それに加え、沸騰する時間が非常に短時間ですので、登山では毎回重宝していました。
実際これでも良いのでは?と考えましたが、一度UL装備を揃えてみたいという好奇心もあったので色々模索してみました。
選択肢としては、固形燃料もしくはアルコールストーブが主流なようです。
特に調べていると、Esbit社のストーブが主流なようでしたが、自分としてはしっくりこないというか、惹かれるものがない。
そこで色々と調べていく内に行きついたのは、ifyouhaveのTimneyというアルコールストーブと、Pound Cupでした。
Timney & Pound Cup
ifyouhaveさんから発売されているこの2つ。まずはTimney
と説明されており、アルコールストーブおよび固形燃料、ウッドストーブが使用できるソロ用のバーナーとなっています。これは同社から発売されているpound cupにすっぽり収まるものになっています。
使用感などはこちらを参照くださいな。
これら2つを合わせた重量は、133gとなりました。燃料を込みで計算していますが、重量比はというと
574g(JETBOIL)‐133g(Timney+poundcup)=441g
441gの軽量化となりました。
軽量化はできましたが、利便性と軽量化のどちらを取るかは非常に難しい問題かと思います。特に、次項のテントなどはその悩みが顕著となりました。
住(テント一式、ザック)
結論から言うと、一番軽量化が期待できるのは正直この分野な気がします。
シェルターに関して
テントに関して、元々使用していたものはmont-bellのステラリッジ2でした。
グラウンドシートやフライシートなど1式合わせて、これらの重量は1827gでした。勿論品質や重量の観点からは、申し分ない性能なのだと思います。
しかし、ULの書籍を読んでいるとフロアレスのシェルターやタープ、ツェルトといったものが主流となっているようです。
フロアレス・・地面かぁ。それに虫来るのでは?それに結露するっていうしなぁ。風で飛んで行ったりしないかなぁ。
寝れなかったらしんどいしなぁ(ろくに寝れた試しなし)
というのが第一印象でした。
しかしよくよく考えてみると、フロアレスと言ってもテントの床もごく薄い記事ですし、虫に関しては虫よけスプレーやらネットを追加するなどで対処できる。
結露に関しては何かで拭けばいいじゃない。という結論に至りました。
それに、折角するなら自然を感じられる形態が良いのではとも思いましたし。
そこで考えたのは、シェルターでした。ツェルトはというと、あの風にはためく感じや設営が難しそうな事から今回は遠慮しました。
シェルター選びには特に悩みました。快適性や耐候性など考慮する事が非常に多く、悩みがありましたが決して購入したのはこちら。その名もelemental1
製作されている方のサイトを見て他のどのシェルターよりも魅力的に感じました。サイトでは売り切れていましたが、次回入荷を待ちきれず直接メールを飛ばしたのは自分でも驚きの行動でした。(笑)
1105g(テント本体+フライシート)‐265g(elemental1)⁼840g
これで840gの軽量化となりました。
ザック
元々使用していたのは、Gregoryのバルトロ65L。こちらは初めてテント泊をする際に購入しました。
極上の背負い心地とフィット感は流石といったとこですが、ULに使うには少々重たすぎる。というわけで購入したのはこちら
山と道から発売されているMINIというザックでした。
上半身で背負うあの感じは感動すら覚えました。
今回は、今まで自分がテント泊で背負っていたザック。あくまで1泊2日の装備を背負うということで計算しています。
2300g(バルトロ65L)‐340g(MINI)=1960g
1960gの軽量化となりました。
マット
マットで使用していたのは、mont-bellのフォームパッド120(224g)これに対して、今回購入したのは山と道U.L.Pad15S100㎝(75g)
これで224g‐75g⁼149gの軽量化となりました。
シュラフ
シュラフに関しては、シュラフカバーを付けるのかそれとも撥水性の素材にするのか等悩むことが多く未だ買い替えができていません。各メーカ‐非常に魅力的に感じます。また後日。
軽量化の結果?
これら4点の買い替えで、3390gおよそ3kgの軽量化となりました。
また後日色々と買い換えたり、置き換えたりするかもしれません。今シーズンはテント泊するには少々厳しそうな季節に差し掛かっていますので、運用は来シーズンになるのかな?
軽量化をしてみて思った事としては、軽量化と快適性や利便性の兼ね合いが難しいの一言に尽きます。
快適性や利便性を取ればやはり重くなり、またその逆も然りです。
とはいえ、一辺倒にこの装備を使用するのではなく、行く山の条件に応じて適宜取捨選択する柔軟性が重要なのだと感じました。
次は実際に運用してみたいなぁ。
ひとまず今回はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました!