はじめに
登山を初めて数年。聖地と言っても過言ではないであろう上高地には、未だに足を踏み入れていませんでした。
理由めいたことは特になく、ただ「自分にはどこか早い」という謎の思いがあったからです。
そんな思いを抱いていましたが、テント泊装備も揃えそれなりに山行の回数も増えてきた。経験的にもそろそろ行ってみてもいいのではないかと思うようにに。
ついに今回。満を持していってきました。上高地から北穂高。
素晴らしい山の世界でした。
大阪から上高地へのアクセス
夏場は大阪から上高地までの直通バスがでています。毎回お世話になりますさわやか信州号
オフシーズンであれば、大阪から松本までの高速バスもしくは電車を利用し、松本から新島々‐上高地と乗り継ぐ必要があります。
人生初の上高地へ
親から散々素晴らしいところだと念を推された上高地。ついにその地へ足を踏み入れます。
とても山の奥地にあるのですね・・。
5時45分頃に上高地へ到着。予想以上に寒く、大阪との気温差にまずは驚きでした。
そしてこの日は快晴!前回の登山とは違い心が躍ります!
この日は日曜日。バスターミナルは多くの人で賑わっていました。ここには水場や靴を洗える場所等もありました。
準備運動も終え、まずは涸沢までの中継点である横尾を目指します。
上高地から横尾まで
上高地から横尾までは、明神-徳澤と歩くことになります。横尾までは一般の観光客もいるのでアップダウンの少ないトレッキングとなります。
まずは明神を目指して歩いていると、すぐにキャンプ場にでます。ここは小梨平キャンプ場であり、今回の山行最終泊の地となりました。
気持ちのよい天気と森林浴、左手に見える明神岳の壮大さを楽しんでいると、自然の偉大さを実感します。
そんなこんなで1つ目の中継点である明神へ到着。ここは明神池への分岐となっていて、上高地と同様多くの人が休憩していました。
ここまでは全く疲れていなかったので、そのまま素通りし徳澤を目指します。
因みにトイレはおおよそ1時間の歩行毎に設置されている感じでした。
相も変わらず天気の良い中を進んでいきます。左側にはのっそりと明神岳がそびえていますが、一般的に登山は難しいようです。昔は前穂高岳から尾根が続いていたそうな。
歩くこと1時間程度。続きましては徳澤に到着。ここにはキャンプ場の他に徳澤園という山小屋兼ホテルがあります。ここは小説「氷壁」の舞台にもなっているようです。
休憩がてら中を覗きましたが、とてもおしゃれな感じでした。機会があれば泊まってみたいものです。
他に登山者がいると何故か気が競ってしまう謎の現象に苛まれながら、引き続き横尾を目指します。自分のペースを守れないようであれば自分もまだまだひよっこです。
当初の予定よりも大幅に早いペースでここまで来ていたので、歩きながらマップを確認しこれからの道程を確認。11時ごろには到着する算段に。
そして横尾に到着。人が多い!
この日は24時間テレビの企画で、槍ヶ岳ではイモトが観れたとの声が多数聞かれました。いっそ槍ヶ岳へ行ってみようか・・。との思いも浮かんできましたが、槍ヶ岳は今年の最終目標に置いていたのでぐっと我慢。水分・カロリー補給を済ませこれからの登山道へ備えます。
横尾から涸沢まで
ここから涸沢までは、コースタイムで約3時間。先ほどの道程からは打って変わってがっつり登山道へと変わります。前回の針ノ木岳でのトレーニングが功を奏したのか、前半は元気でした(笑)
横尾から本谷橋までは割と平坦な道を進んでいきます。
国内最大級の岩場である屏風岩。まー大きいこと。どうやってこの地形ができたのかなーなんてことを思っていると、水の流れる音がします。本谷橋へ到着です。
この橋が掛けられるのは無雪期のみ。それ以外は右にちょこんと見えている方の橋を渡ります。ここまでの道のりで割と汗ばんでいたので、豊富な水量とその冷たさには感謝しかありませんでした。めちゃくちゃ冷たかったです!
この透明度の高い水が梓川の源流なのでしょうか。川であそこまでの透明度ってこの川以外にあるんでしょうかね。神々しさすら覚えます。
ここから先はすぐに急登およびガレ場のトラバースが連続します。そしてSガレと呼ばれる大層スケールの大きいガレ場まで来ると、本日のゴールである涸沢カールが若干垣間見えます。
登山あるあるでしょうか。見えているのに全く近づかないあの感覚は。
晴れていることは非常に嬉しかったですが、本谷橋からの登りの連続に身体が若干悲鳴を上げ始めていました。(笑)
まだかなーまだかなーと思っているうちに、ようやく涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐へ。
やっと着くという安堵感から自然とペースが早まります。ペースは一定に保ちましょう。
登山誌でよく見かける風景にやっと来れました。憧れの涸沢。
後ろを振り返ると、常念・大天井あたりが顔をのぞかせていました。いつか常念も登らなければ。
おなかが空いていたのでここで昼食タイム。涸沢ヒュッテにてカレーをいただきました。
テラスからの眺めも最高です。
昼食を済ませ、テントの受付時間までの間にテントを設営。ガレ場での設営は初めてでしたが見よう見まねで難なく完成。
設営の最中、お2人ほどと会話することに。そこで「秋の涸沢もぜひ見るといい」なる発言がありました。というかこの山行中何人もの人に秋の涸沢を強く勧められました。
そんなにすごいのかここの紅葉は・・。と思いつつ、9月末にとっている連休を思い出していました。ほんとどうしようかな・・。
それはさておき、予想以上に早く到着したので周囲を散策することにしました。北穂高への登頂は、明日早朝に回します(案外疲れてました)
涸沢カール散策を
テント設営後も天気には恵まれまして、皮膚を焼くような太陽に感謝感謝でした。
カール地形は氷河が切り取ってできた地形といいますが、なるほどよく分かりません。スケールが大きすぎますね。
今年は例年に比べて残雪が多く、それに伴ってテント場も縮小気味とのことでした。きっと今年はこのまま残りそうですね。
お向かいの涸沢小屋も多くの人で賑わっています。いいですねー賑やかな涸沢。
丁度涸沢槍から北穂にかけての眺望もスケールが大きすぎて、明日登ることが現実味を帯びてきません。(笑)
涸沢小屋から涸沢ヒュッテ・テント場はこんな感じ。秋のハイシーズンにはこの何倍かのテントが張られているのでしょうね。
テント場に戻りうつらうつらしていると、ヘリの音が。どうやら奥穂高への岩場であるザイテングラートで浮石を踏み滑落、腕を骨折した男性が運ばれていったようです。
命があったことを喜ばしく思うと同時に、安眠妨害されたことに若干の憤りを覚えました。
夜の涸沢での星空
ヘリコプターでの起床の後、再度眠りにつき、目が覚めたのは夕暮れ時。夕焼けに関してはやや曇っていたせいで見ることができませんでしたが、夜には満点の星空を眺めることができました。星空を眺めにヒュッテのテラスには多くの人がいましたよ。
涸沢から北穂高岳を目指す
翌朝、4時半ごろに涸沢を出発。サブバックに必要な装備を詰め込み、束の間テントとはお別れとなります。
登山道はザレたりガレたり、クサリ場だったりです。特に南取付からはハードな道が続き、随時落石の危険性がありますのでヘルメットの装着は推奨です。
下の2つの写真は下山時のもの。登りは岩場を登ることに夢中で写真撮っていませんでした。
岩場が楽しいだなんて初めてでした。(笑)
登り続けること2時間30分程度。北穂高岳頂上に到着!
天気は薄曇りでしたが、槍や富士山まで臨むことができました。
久々の展望だったので、気持ちのよい達成感でした!
それにしてもえらいところまで来てしまったものです。
北穂高小屋では大キレットを超えてきた方が何人もいらっしゃいましたが、ここを通るって凄いな・・。(笑)
テントでの軽食以降何も食べていなかったので、カップヌードルを。いつにもましておいしく感じる謎。
展望の後、下山開始
しばらく展望を楽しんでから下山を開始。いつも通り下山はスイスイと降りていきます。
登頂してくる方が圧倒的に多く、早出したことはやはり良かったようです。
小屋に到着したときに見あげると、雲は既に秋模様でした。
涸沢小屋まで下山した後は、おいしそうなおはぎを頂きました。
テントを回収した後、この日の目的地である小梨平を目指します。
天気が良く、下山せずに奥穂高も行こうか悩みましたが、次回への楽しみに取っておくことに。秋に来るかはまだ思案中です。
屏風岩から望む青空。この日も夕時までは青空が広がっていました。本谷橋までのガレ場で疲労感が顕著に表れ、大幅にペースダウンしましたが、大まかの予定通り横尾へ。前日の賑わいはどこへやら。閑散としていました。やはり土日休みの業界がほとんどなんですね。
横尾から小梨平までは先のとおり平地でしたが、朝から北穂高へ登頂したまま大きな休憩もとらずにきているので小梨平に到着するころにはへとへとでした。このあたりは計画不足感が否めません。次の課題ですね。
看板のとおり、ここでは入浴ができます。もう少し足を伸ばせば、ホテルでの日帰り入浴もできたのでしょうが、時間的・体力的にやや難しいところもあったので今回はこちらでテント泊。お風呂や食事共に身体に沁みました。
食事を楽しんで、テント設営を終えてゆっくりしていると騒ぎ声が。この日は中学生たちがキャンプファイヤーを楽しんでいました。自分もこういった時期があったんだなーと若干のノスタルジーに浸りながら、眠りにつきました。
翌朝はあいにくの小雨模様。天気が良ければ焼岳の登頂を考えていましたが、断念し予定よりも早めに松本行のバスに乗り込むのでした。
まとめ
最終日はあいにくの天気となりましたが、山行全体はとても満足なものとなりました!
人生初の上高地、そして穂高岳の一角への登頂。追々は西や奥、前と登頂できるように計画立てていきたいと思います。高所恐怖症ながら、岩場登りの楽しさは初めて感じることができました!
それにしても涸沢は多くの人で賑わっており、色んな登山誌で取り上げられる所以が分かった気がします。
次回の山行はどこにしようか・・。