登山を初めてそれなりに経つけれど、いつになっても直前の天気予報をチェックして、天気が良さそうな山域の山を目指すというプロセスを踏んでしまう。
いくら文明の利器を駆使しても、交通機関の乗り継ぎや登山道の状況などを調べるには、それなりに時間がかかる。
日頃からいくつかの山域を調べておけば、きっとこの落ち着きの無さは改善するんだろうけれど、怠惰に過ごしがち。
というわけで昨年と同様、陽春のころに九州に来訪し韓国岳・開聞岳の日本100名山2座を登頂しようと決めたのは、出発の3日くらい前だった。
寝坊から始まった九州への来訪
遠出する前夜はドキドキして眠れない。
この場合のドキドキはいつしか楽しみのせいではなく、ただ寝坊しないだろうかという不安に起因するものになった。
結局寝ることができたのは2時前、起きたのは5時30分頃。乗ろうと思っていた電車は5時55分発。
家を飛び出ることになった。いっそオールしていた方が心は穏やかだったかもしれない。
どうにか当初計画していた電車に乗り込み、一人荒れた息を整えながら、抱いている違和感の原因が足にあることに気がついた。足には普段履いているスニーカーが見えた。
「keen!」
隣人の女性におかげで変に緊張したフライトは無事着陸。鹿児島空港に降り立ったのは8時25分頃だった。
予定よりも少し早い到着でハッピー、そして予報通りの快晴で更にハッピー。前方に座っていたおじさまハイカーの団体は、どうやらレンタカーでえびの高原を目指すようだった。
声をかけて乗せてもらおうかとも考えたけれど、朝の悶着のおかげでコンディションがいまいちだったので、タクシーでヴァビュンとえびの高原までアクセスすることにした。
鹿児島空港からえびの高原までは約50分程度、運賃は10000円いかない位だった。
きっと九州地方にしかいない珍しい名字のドライバーから、快適な運転と鹿児島のアレコレ、鳥刺しが親子丼にされて悲しみと切なさを抱いたお話を提供してもらった。
えびの高原から韓国岳へ
えびの高原の標高は1200m、売店やトイレ(キレイ)、無料の足湯があった。
到着した時も相変わらずの晴天だったけれど、やはり少し肌寒かった。足元に一抹の不安を抱きつつ、韓国岳登山口から日本百名山の韓国岳を目指す。
コースタイムは登り2時間・下り1時間30分程度のお手軽登山。
道中は標識や所要時間が書いてあり、普段登山をしている人でなくても容易に山頂までたどり着ける。韓国岳までの登山道は火山帯らしく緑が少なく、樹木の背丈も低め。毎年何故か初春に来る事が多い九州への遠征だけれど、いつかはミヤマキリシマが咲き誇る初夏や秋の紅葉の時期に訪れたい。(きっと去年も同じことを思った。)
韓国岳の名前の由来にもなっている展望の良さだけれど、この日は桜島ですらうっすら見えるか否かという霞具合で、自分の肉眼にはその影すら写っていなかった。
はるか開聞岳まで見える、韓国岳山頂からの霞む大展望
山頂直下の登りやすい岩場を超えて、11時40分頃韓国岳山頂に到着。標高は1700m。
ドゥワァ!センナナヒャク!(言ってみたかった)
韓国岳山頂からは、遠くの高千穂峰や新燃岳・大浪池などの展望が見事だった。本来なら鹿児島のランドマークである桜島や翌日登った開聞岳も見えるようだったが、この日は春らしくそれらは霧中だった。
山頂はとても広く休憩適地。りんごを丸かじりしているホリナーの女性が印象的だった。アレルギーさえ無ければ自分もりんごを齧ってみたい人生だった。
自分も大阪から持ってきたおにぎりセットを広げようかと思案したけれど、どうやら予定よりも早いバスに乗れそうだった(13時のバスを逃すと16時のバスまで待つ羽目になる)ので景色をカメラにおさめて、新呼吸をしい下山を開始した。
火山ガスに咳き込みつつ、えびの高原へ下山
韓国岳山頂はさほど硫黄臭はなかった。
えびの高原ー韓国岳間で一番硫黄臭を感じたのは、硫黄山火口展望所。吸うのもいけないけれど、わざわざハンカチを口に当てて行動するのも億劫だったので足早に下山。
結局下山したのは12時45分頃で、えびのエコミュージアムセンターで韓国岳の登山バッジを仕入れて(yamasankaのバッジの取り扱いなし。)えびの高原をあとにした。
えびの高原から丸尾までは1時間程度。近くには日帰り湯や足湯飲食店があり、ここでお腹を満たしてから鹿児島空港へ戻ることにした。
公共交通機関を使う場合、このあたりの乗り換えが非常に面倒(待ち時間が長くなる)で、あらためて別記事でまとめておこう・・。
春の韓国岳登山を終えて
きっと韓国岳からみえる展望の5割程度しか見えていなかったと思いますが、それでもこの山の雄大さを身を以て体感できました。新燃岳の規制レベルにもよりますが、機を見て縦走などのプランも考えてみたいです。
何より遠いと思っていた鹿児島ですが、飛行機(Peach)を利用することで安く早くアクセス可能だったことが判明したので、最悪大阪からの日帰りで楽しむこともできそう。
今度訪れる時は、ぜひ紅葉かミヤマキリシマの時期に・・。
ではまた。